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あれから2年経ちました。

どうやらこのブログを始めて2年が過ぎたようでした。
最初の投稿は、2014年5月23日とあります。
まだ、独立する前のことでした。

2年前の投稿を読み返すと、とにかく頻繁に更新しようということだけ考えて書いているのが、ありありとわかります。
しかし、そんな古い投稿でも、コンスタントに読まれている投稿がいくつかあります。
特に、刑事事件関連の投稿は、細々ながらも継続的なニーズがあるようで、今でも自分の投稿のアクセス数で上位に来ることがよくあります。

このブログを始めた5か月後の10月22日に、独立することになりました。
ブログ始めた当初は、まさか5か月後に自分が独立することになるなんて、思ってもいませんでした。

独立する前の投稿と独立した後の投稿では、記事の内容が変わったように思えます。

独立する前は、自分が背負っていたのは自分の名前ではなく、「琥珀法律事務所」でした。
自分の発言が世間に「問題」と判定された場合、自分だけではなく、琥珀法律事務所に火の粉が飛ぶ可能性が高い。
そういう意識が投稿にも反映されているように思えます。
今は、(法テラスの記事なんかは別ですが)何を書いても自分で尻拭いするしかないので、「自分で自分の尻をぬぐえるか」というシンプルな判断基準で原則的には書くことができています。

独立してから、今まであった盾(ボスであるとか組織であるとか)も事務員さんというヘルプもなくなりました(それは自分が選んだことですが)。
その分、色んな事に自分が真正面からドーンとぶつかってしまうことも増えました。
肉体的に疲労するだけならまだよいですが、真正面からドーンとぶつかるということは、精神的にもかなりな疲労を呼び込むのだと改めて分かりました。

今まではあまり感じなかった女性弁護士に対する差別的な視線(それは、男性の年長弁護士によるものでしたが、ことごとく。)を感じることも、何回かありました。

組織にいる、人と一緒にやっているということと、ひとりでやるということが、これほどまでに仕事とのかかわり方を変えるものなのか、と思ったものでした。

しかし、それだけに気づかされることもたくさんあり、「ひとり」でやることについての自分なりのアイデアも沸いてくるようになりました。
そんななかで、私よりもぐんと若い世代の同業者が、期せずして独立しなくちゃならなくなった場合に、役立ててもらえると嬉しいと思うこともいくつか出てきて、そういうことも(そうじゃないこともあるけどね)このブログで発信していければいいなと考えるようになりました。

そういう意味でも、独立前の投稿と独立後の投稿は、内容に違いが出ているかなと思います。

よく「ブログを書いてます」というと、営業目的であるかのように言われますが、自分の場合、あまりそういう意識はありません。
ただ、結果として広告的効果が多少あるというだけのことです。

独立前の自分と独立後の自分を眺めてみて、おひとり様でやり始める方に対して、今何か言えることがあるとしたら、3つに集約されるかな、と思います。

1つは、集客を意識しすぎてはいけないということです。
集客を意識しすぎると、自分の今後の収入もわからないのに過大な広告費をかけたり、あるいは非弁提携しているようなよからぬ業者に引っかかったりするような危険を招くように思います。「ひとり」で独立した弁護士は、常にそういう業者に狙われているといっても過言ではないでしょう。

2つめは、きちんと休むということです。
さっきも書きましたが、おひとり様で何かやるということは、色んなことが真正面からドーンとぶつかってくるということでもあります。
疲れます。そのままにしておくと倒れます。
ですから、1日に1時間、定期的に何日かは仕事からまるっきり離れる日を作って、仕事モードから離脱することが必要だと思います。

3つめは、当たり前の話ですが、仕事の基本をきっちりこなすということです。
たとえていうなら「ホウレンソウ」と「約束を守る」ということでしょうか。
依頼者や裁判所に対してこれらのことをしっかり履行することが、実はどんな広告よりも大切なことではないかと思います。

特に裁判所は、事務所の名前や大きさ、弁護士としての経験によって、弁護士を評価するようなことはしないところだと思います。
書面の締め切りをしっかり守る弁護士か、裁判所に報告すべき事態かどうかを判断できる弁護士か、不在中の電話にしっかり折り返しができる弁護士か、という部分が、信用できる弁護士かどうか判断するにあたって、ある程度のウエイトを占めていると思います(もちろん主張の内容がまともかどうかが一番であることは間違いないでしょう)。

依頼者だって同じです。「いついつまでに提訴します」と約束しているのに、それをとっくに過ぎても何の反応もないということでは信頼を失います。そういうことが続けば、紹介案件のいくつかを失うことにだってなるでしょう。

もちろん全ての約束を守ることは不可能です。守れなかった場合には、そのことについて釈明したりするなど、適切な対応を採らなければならないでしょう。

なんかいい子ちゃんの終わり方でこっぱずかしいことこの上ないのですが、まじめに仕事をしていれば、弁護士の仕事に対して悪い噂は立たないでしょう。
高いお金かけて身の丈に合わない広告をするくらいであれば、「悪い噂」を立てられないようまじめに仕事するということの方がはるかに大切だと思います。

弁護士の名前をネットで検索すれば、今の時代、「悪い噂」だってヒットしちゃう可能性が結構あったりするわけですから。

いつまで続けるかわかりませんが、この先も当面はこのブログ、弁護士として思ったことを不定期に綴っていきたいと思います。
気が向いたときに訪れていただけると幸いです。

ではでは。






by terarinterarin | 2016-05-29 18:05 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


by terabayashi