弁護士のダブルライセンスについて考えてみた。

お久しぶりでございます。
現在遅い夏休みをいただいております。
オリンピックにうつつを抜かして更新を怠っていたところ、あっという間に1か月ほどが過ぎてしまいました。

夏休み前というのはバタバタと仕事が入るもので、初めて会う弁護士と名刺交換したり、相手方についている弁護士の情報収集をするためにホームページを見たり、ということが何度かありました。

ダブルライセンス持ちの弁護士が、増えたなあと改めて感じました。

公認会計士とのダブルライセンス持ちの弁護士というのは、実は古くから一定数いて、特段珍しいという感じでもありませんでした。
「法律会計事務所」なる看板も、都市部では、ちらほら見かけるものです。
先日名刺交換した相手方弁護士も、「弁護士/公認会計士」という肩書がありました。
数字がからっきしだめで、時に精算時の足し算引き算も間違えるテラバヤシから見ると、かっこいいことこの上ありません。

他に、税理士、中小企業診断士、社労士、MBAといった、周辺領域や「わかっていると便利な分野」に関する資格を持っている弁護士も、少なくないという印象です。
最近では、不動産鑑定士、弁理士という、超難関資格を持っている超人も、直接ではありませんが存在することを知りました。
司法書士の資格を取ってから司法試験を受けたという方も従来少なくなかったので、司法書士とのダブルライセンス、という人も、結構いたりします。

こういういわば実務的な資格は、弁護士がダブルで持っていても、一般の方々は特に違和感がないかもしれません。

しかし最近は傾向が違う資格のダブル持ちも見受けられます。
例えば、社会福祉士であるとか、精神保健福祉士であるとか、あるいは介護福祉士であるとかの福祉関係の資格。
障がい者高齢者の権利擁護の機運が高まったり、障がい者刑事弁護が注目されるようになったりしたことが影響しているようです。
また、少年事件の達人の先輩が臨床心理士を取得したこともありました。先日は、相手方の弁護士が、保育士資格を持っていることも判明しました。

ダブルライセンス、百花繚乱の時代です。

「弁護士=儲からない仕事」という図式が世の常識になりつつあるこの状況下だと、「仕事を得るための手段としてダブルライセンスを取得する弁護士が増えた」みたいなことが言われがちかもしれません。
「弁護士」の隣に「不動産鑑定士」なんて肩書がつけば、「不動産取引に詳しい弁護士」というイメージになるので、その手の仕事が舞い込むようになる、それを狙ってダブルライセンスを取る弁護士が増えてる、みたいな。

しかし、先に挙げた資格はどれも、そう一朝一夕にとれるような代物ではありません。「儲け」にそんなにすぐつながるわけではないでしょう(もちろん、受験勉強的なことがお得意な方とかかなりな頭脳をお持ちの方であれば、すんなり受かってしまうのでしょうが)。
それに、実務系の資格はさておき、福祉系の資格や臨床心理士をはダブルで持っていたとしても、そんなに儲かる仕事が来るのかと言われれば、かなり「?」ですし。

ダブルライセンスに至った経緯・動機というのは千差万別だと思いますが、個人的には、案外、弁護士の仕事をやっていく過程の中で、ふとしたきっかけがあり、その領域についてきちんとした知識を得たくなる、「そっち方面」の仕事が多いので、資格試験の勉強しながら知識を得ていく、ということの方が多いのではないかと思います。

実はテラバヤシも、一時、仕事の関係で興味が出た分野の資格を取ろうかと逡巡していたことがあったのですが、それにかける時間や気力の点で覚悟ができず、断念した過去がございます。
なんで、動機はどうであれ、忙しい仕事の合間を縫って、テキストを読み、スクールに通い、場合によってはレポートや論文を書き、試験を受けるなんていう作業を、七めんどくさい司法試験の後もやりのけてしまう人たちのことは、純粋にすごいな、と思うのであります。

人間年をとってからの方が勉強がしたくなるというのは、我々の業界でも同じ、ということなのでしょう。
必要にかられて、あるいは、現場を見て形成されたモチベーションに基づいて始めた勉強は、青臭い時代に受験勉強的に取り組んできた司法試験とは、一味も二味も違う深みをその人に与えるのかもしれません。
そういう意味でダブルライセンスを持っている弁護士というのは、「いい仕事」ができるのかもしれないな、などと感じたりします。

ちなみに、ダブルライセンスとはちょっと違いますが、テラバヤシ、英語の読み書きを勉強したいと思っております。
かつて大学院時代は(すごい苦手だったけど)、フランス語や英語の文献を読んでいました(書けませんでしたが)。
今や、読むのもやっとこさっとこ、たまに書く必要があるときには、「グーグル辞書」を首っ引きという情けない状況です。

英語の読み書きできたら便利だなと思う機会が最近多いのです。なんで、始めたい。
始めたいけど根性ないから続かない、と現在葛藤中なのでありました。



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by terarinterarin | 2016-08-23 16:18 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


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