法曹三者とスポーツの関係。

行政官はゴルフをやる。司法の人間はテニスをやる。
こんな話を聞いたのは、私がまだ司法試験を受ける前に大学院に所属していたころの話だったでしょうか(つまり、随分古い話です)。

なんとなくそんなことを頭の片隅に置いたまま、司法試験に受かり、修習生になり、そして弁護士になりました。
「司法の人間はテニスをやる」なんて、弁護士になって10年目を迎える今日まで、全く実感したことがありません。

確か民事裁判修習で配属された部(札幌地裁)の部総括判事がテニスをおやりになっていたと思いますが、その部でテニスをやっていたのはその人だけ。刑事裁判修習の配属部では、部長も右陪席も左陪席もテニスには全く縁がありませんでした。右陪席はコンサドーレ札幌の熱心なサポーターであり(試合がある日はそそくさとお帰りになっていました)、左陪席は野球人でありました。
検察修習の際にお会いした検察官は、どなたもスポーツとは程遠い感じの方ばかりでした(どちらかというと「呑む」というイメージです。なお、主観ですので問題発言扱いはしないでください)。

弁護士になった後は、なかなか裁判官や検察官とプライベートの話をすることもなくなりましたが、それでも数人の方とは、ざっくばらんにお話しする機会がありました。
が、やはり「テニス」をやっているという方はどなたもいらっしゃいません。
かの有名な岡口裁判官は、SNSで拝見する限り、筋トレ、そして水泳と、テニスとは全く縁がなさそうにお見受けされます。
知り合いの検察官にも、やはりスポーツのイメージは一個もありません。

弁護士の知り合いの中では、ひとり、東京ディフェンダー法律事務所のY弁護士がテニス男子ですが、「趣味でテニスを楽しんでいます」という爽やかさはみじんもなく、ガチすぎてむしろ怖いくらいです。「司法の人間はテニス」という言葉の趣旨とは全く違うレベルにいるように感じられます。

Y弁護士はさておくとして、弁護士がやるレジャー、スポーツというと、みなさんやはり「ゴルフ」を思い浮かべるのでしょうか。
弁護士というと、依頼者にたっかい報酬を支払わせ、それで豊かな私生活を送っている…というイメージとともに「弁護士=ゴルフ」とワンセットでお持ちの方が、今でもたくさんいらっしゃるのでしょうか。

「弁護士はゴルフをやる」というのは、今は昔のお話、というのが個人的な感覚です。
正しく言えば、ある一定の年齢層の弁護士は、今でもゴルフをある程度おやりになっているように見受けられます。
テラバヤシが所属している東京弁護士会内の派閥のメーリングリストでも、ゴルフの大会や親睦の告知が年に数回はありますので。
が、少なくとも50期代の後半(経験14,5年以下)のゴルフ人口は、激減しているといっても過言ではない、と思います。
多くの弁護士会には野球チームやサッカーチームがあり、大会も開催されています。
そのチームに所属している弁護士の知り合いが結構います。
サッカー、野球以外では、マラソン、そして、目的はよくわからないけれど、やたらめったら鍛えている人(愛知県弁護士会所属で事務所に筋トレのマシンがあるという噂の方もいます。)…個人でスポーツを楽しむ類の人が多いように思います。

ゴルフをよくおやりになる世代というのは、バブル期にすでに弁護士だった方ではないのでしょうか。
このころは弁護士人口も少なかったし、仕事もたくさんあり、たいていの弁護士は儲けていたのでしょう。
人は、もしかするとお金を持つとゴルフをやりたくなるのかもしれません。
グリーンに出るところまで想定すると、ゴルフは、スポーツの中でもかなりの資金を要するものでしょう。
弁護士のステイタスのひとつがゴルフ、だったのだと思います。
顧問先からの接待でゴルフ、というのもあったんでしょうし(縁のない時代の話なので、想像想像)。

しかし、法曹人口が司法改革とともに激増し、そのしわ寄せがドドンと弁護士業界に押し寄せ、今や私たちの業界はパイの奪い合いの状態です。
常に大儲けの弁護士なんてほんの一握りであり、「まあまあ余裕がある生活」を送れるのであれば、弁護士としてはまあまあ成功しているという時代になりました。
また、Jリーグができて日本の社会に定着し、日本人も普通にサッカーに親しむようになったり、一般人がフルマラソンに気軽に挑戦するようになったり、普通の人が触れるスポーツの種類が増えてきたという事情もあるでしょう。
ストレスを解消したり、健康維持するにあたり、別にゴルフみたいにお金かけなくてもできるものがたくさんあるし、ゴルフなんてそもそも興味ないし…という人間が、我が業界の中に普通に増えてきたのだと思います。
顧問先でゴルフ接待できるほど資金があるところも、もうほとんどないのでしょう。

ゴルフというのは、一緒にラウンドを回る人との親睦を深めるのにちょうどよいレジャーのようで、かつて弁護士業界でゴルフをする人が多かったのは、このあたりの事情に負うところも多いのかな、と思います。情報収集の意味もあったのかもしれません。
そういう意味では、ゴルフはその役割を、SNSなどにとられることになってしまった、ともいえるように思います。

ちなみに、テラバヤシは、ゴルフは全くやりません。
やろうとも思いません。
虫が苦手だし、お日様が照るなか、日がな一日表にいるなんて、お肌に悪そうです。
天気の悪い日に一日中外にいるのはもっと嫌です。
なにより、前にも書いた通り、そもそもが協調性がない性格なわけですから、休みの日にまで半分仕事みたいな感覚で、他人と一緒に長時間ラウンドを回るなんて、まっぴらごめんというのが本音です。

テラバヤシは、自宅で毎日ちょこちょこ鍛えるのが好きです。
腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワットに腿上げを毎日日課としております。半年前からはラジオ体操が、2か月前からはエア縄跳びがこれに加わりました。
そして、年明けからは友人と二人、たまにボルダリングを楽しんでいます。

そういえば、ボルダリングは、親睦を深めるにはいいスポーツです。
ひっきりなしに登っているわけではなく、休憩しながらマイペースで登るので、話をする時間がたくさんあります。
運動量もゴルフよりははるかにあるし、健康維持と親睦を両立するには、もってこいではないかと思います。



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by terarinterarin | 2017-02-16 22:30 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


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