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少し前に、お腹が痛くて病院に至ったら誤診されたけど、請求できる額が微々たるものなので損害賠償請求できない…という話を投稿しました。

誤診をされたあとに正しい診断をしてくれたのは、私のかかりつけ医でした。
昨年の9月ころに、風邪で声が出なくなった時に飛び込んで以来、アレルギー性鼻炎の治療などでもお世話になっているお医者様です。

私の自宅から歩いて7,8分の所にある小さな医院で、行けば必ず他の患者さんと居合わせます。来ているのは普段着の方ばかりなので、付近にお住いの皆さんがいらしていると考えられます。
地域に根差したいわゆる「町医者」なのだと思います。

この先生の特徴は、徹底した問診と触診です。

アレルギーの治療で2か月に一度ほど行くときも、必ず最近の症状を聞かれますし、リンパ腺の腫れなどを必ずチェックされます。
例の腹部痛についても、行くたびに必ず詳しく症状を聞かれ、必ず腹部の触診をされ、脈を測り、時には目の状態までチェックされました。
正直、今まで、ここまで徹底した問診と触診をするお医者様には会ったことがありませんでした。
触診って、すごい技術であり、熟練していれば大きな武器になるのだと思いました。

この先生のすごいところは、自分が問診と触診で得た情報に基づいて症状を詳しく説明し、そのうえで、どのような投薬をしようと考えているか、その薬の効能などを詳しく説明しながら教えてくれるということです。
投薬の際には、仕事の都合などもきちんと聞いてくれます。

「これこそがインフォームドコンセントなのだ!!」
そう実感しています。

「インフォームドコンセント」というと、私には、思い出さずにはいられない出来事があります。

それは、私がまだ中学生だった頃のことです。「インフォームドコンセント」なんて言葉は、この世に影も形もありませんでした。

私の親戚が、全身麻酔で開腹する手術を受けることになりました。
診断名は「胆石」でした(このころまだ胆石は開腹手術が普通の病気だったようです)。
手術前の検査で、X線を撮りました(まだ、CTなんてない時代です。うー、年がばれる)。
石はおろか、胆のう自体が写っておりませんでした。
医者は、その親戚に「砂状の胆石の場合、胆のう自体が写らないことがある」と説明していたとのことです。

手術が終わりました。
手術後、その親戚は「胆のう自体が存在しない。存在した痕跡すらない」、つまり先天的に胆のうがない、という事実を宣告されました。
当時の日本では、20例ちょっとしか報告されていないレアなケースだったということです。

親族一同にある疑念が走りました。
本当は、あの医者、腹かっさばく前に見込みがついてたんじゃないのか?
胆のうがないかもしれないってことに。
珍しい例だから直に見たいと思って、いい加減なこと言って、開腹したんじゃないのか…

真相は闇の中です。
が、しかし、これ、例えば「砂状の胆石の場合、胆のうが写らないことがある」というセオリーなんぞなく、X線撮影の際に「胆のうがないんだろう」ということに医者が気付いており、かつ、「珍しい事象だから直に見たいよねえ」という理由で、この親戚が手術の同意書とられていたんだとしたら、そんな同意、動機の錯誤(しかも重要ですよね)で無効だろう!!と思うのであります。
インフォームドコンセントなんて、あったもんじゃありません。
全くのだまし討ちで、割腹させられたということになるわけです。

若い皆さんは、「え~、まさかそんな」なんて思うかもしれません。
が、しかし、真相は闇の中でも疑念は消えないのです。
なんせ手術が行われたのは、ひと時代もふた時代も前の白い巨塔な感じのとある大病院。
患者の何割かは、研究対象、みたいな目線で見られていたといっても過言ではない。
「珍しいケースの集積」に飢えていたかもしれませんので…





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by terarinterarin | 2014-07-29 00:29 | Comments(0)

これって、セクハラ?

実は、弁護士になって間もないころ、ボディビルダーにスカウトされたことがありました。

連日の投稿で、しかも出だしの調子がほぼ昨日と同じ。さては、昨日の投稿の反響が結構良かったので2番煎じを狙っているのではないかと思われるかもしれませんが、その通りです。

スカウトされたのは、中野のスポーツジムでした。
受験時代からジムで筋トレをコツコツやってきた私は、このころには、結構重いダンベルをひょいひょいあげることができるようになっていました。

中野はなんでも「日本におけるボディビルダーの聖地」なんだそうで、確かに、当時も(もう8年前ですが)、「中野ヘルスセンター」などという明らかにそっち系の建物が、がらんどうになって建っていたり、ゴールドジムに見学に行ったら、懐かしのビリー隊長だらけ、なんていう状況だったりしたのでした。

私が通っていたジムは、近所のおじちゃんおばちゃんが通うゆるーいタイプのジムだったのですが、インストラクターの中には本気度が高そうな人もちらほらいて、中でもひとり、筋肉つきすぎてなで肩になっちゃってる「どう見てもビルダー」みたいなお兄さんがいたのでした。

そのお兄さんが遠くから自分を眺めていることに、私は気が付いておりました。
意図がわからなかったので放置していたのですが、ある日、トレーニング中に声をかけられたのです。
「寺林さん、力ありますね~。ボディビル、やりませんか?」
私は、ボディビルのために本業を怠るようなことがあってはならないと思い、丁重にこのお誘いをお断りしました。

ここ数年はジム通いはしていないので、すっかり衰えてしまいましたが、当時は、結構きちんと筋肉はついていて、腹筋もうっすらと割れている状況でした。

この話、実は、昨日お話ししたN先生と同席した宴席で「砲丸投げ」のついでに暴露していました(だったら、昨日一緒に書けばいいものを…と思われる方もいるかもしれませんが、一挙に全部書いたらネタがなくなるので、分けることにしました)。腹筋が割れていたことも話しました。

そうしたところ、N先生は、こうおっしゃいました。
「そんなこと言われたって、腹筋見せてとか言えないからね~。セクハラになるでしょ~。」

言われて、「あ、そうか」と思いました。
「腹筋見せて」もセクハラになりかねない発言なわけだ、と。
何も、体を触らせろとか、卑猥な言葉を吐くことだけがセクハラになるのではなく、性的な表現なくして身体の一部を見せるよう申し向ける場合(って、なんかまわりくどいな)も、セクハラになりかねんのだ、と…

しかし、「腹筋見せて」がセクハラになるかどうかは、非常に相対的な判断になるような気がします。

例えば、
吉田沙保里に対して栄和人コーチが練習中に言う場合→セクハラにならず
福島瑞穂選手に対して、男性スポーツキャスターがインタビュー中に言う場合
→セクハラにならないんじゃないかなあ?
コジハル(なせここでコジハル?)に対して、AKBの総支配人なんかが控室で言う場合→セクハラ疑惑濃厚!!
という具合に。

さらにセクハラ被害を受けるのは女性ばかりとは限りません。
男性に対して女性上司(あるいは指揮監督関係がある場合に上の立場の女性)が、「腹筋見せて」という場合も、ケースによっては、セクハラになりうるはず、なのです。なかなか、うまいこと例えが思い浮かびませんが。

そこで、仮にN先生が私に「腹筋見せろ」と言った場合、実際、セクハラになったかどうかですが、私としては、少なくとも「なる」と言ったN先生の節度あるご判断に敬意を表したいと思うのであります。





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by terarinterarin | 2014-07-24 17:56 | Comments(2)
実は私、4歳まで戸籍上「長男」と記載されておりました。

おそらく原因は、私の名前にあります。
私の名前は「智栄」と書いて「ともえ」と読みます。よく、「ちえさん」とか「ちえいさん」とか言われますが、響きだけは女子っぽい?「ともえ」なのです。

この「栄」という字、実は男性の名前に使われることが多い字です。例えば、田中角栄。ボクシングの薬師寺保栄。NHKの天気予報にたまに出てくる日本気象協会の渡辺博栄さんなんて人もいます。

父は間違いなく「長女」として、岩見沢市役所に届け出たとのこと。
妹が誕生して、やはり岩見沢市役所に「二女」と届出しようとした時に、職員から「ご長女では?だって、上の方、ご長男でしょ?」と言われて発覚、訂正されたんだそうです(父の記憶では、特段大変な手続は必要なかったそうです)。

この話、自己紹介でいいネタが思い浮かばないとき、宴席などでちょっと盛り上げようかなというときに披露させてもらっています(注:司法研修所旧60期で私と同じクラスだった人、初日の自己紹介でこの話をしたので、覚えている方もいらっしゃるのではないかと思います)。

先日も、とある会合で、お話が上手な同業の先輩(N先生としましょう)がいらして、ちょっと私も頑張ろうかな…などと妙なやる気を出して、この話を披露しました。

ことのほか、喜んでいただけました。
あんまり大喜びしたN先生によって、「寺林は4歳まで男だった」という誤報が宴席中に飛び交う事態となりました。

実は、ワタシ、自分の改製原戸籍(電子化される前の縦書き手書きの戸籍謄本を電磁的な記録として保存しているもの)を見たことがありません。
今まで戸籍が必要な時は、電子化された事項証明書で事足りていましたので。
事項証明書には訂正後の記載しか出てきません。世帯主との関係欄には、美しい「長女」という印字しかないのです。

法律家が集まった先日の宴席では、当然、興味の対象は、まず「寺林の改製原戸籍はどうなっているんだ?」「どのように訂正されているんだ」でした。
次に帰省した時に、改製原戸籍をとってくることを命じられました(今まで、仕事で他人のものしかとったことがなく、ついに自分のものをとるときが来たのかと、やや感慨深い気持ちです)。

次に言われたのが、「国賠だ!!慰謝料請求だ!!」
いや…とっくに時効になっていますので…
それに、ワタシ、「困った時のネタ」にしていたくらいですから、一切精神的苦痛を被っていない…
そう言うと「通常人基準で判断するんだから本人がどう感じようと関係ない」というお答が、複数の先生から寄せられました…
提訴したところで、いくらくらいの金額になるんでしょうねえ、慰謝料?

さて、この日、私は、つい話の流れでさらに「高校生の時に砲丸投げをやっていて、実はあと3人抜いたらインターハイに出ることができた」というネタまで、調子に乗って披露してしまいました。
今の私の姿を知っている人からすると(結構細身なので)、これもかなりアンビリーバブルな暴露話になります。

N先生によれば、「4歳まで長男で、砲丸投げをやっていた女性弁護士は、日本ではあんたしかいない」んだそうです。
さらに、「オレは一生懸命ネタを仕込んで面白い話をしているのに、あんたは、何にも努力しないのに、おもろいネタにあふれている。ずるい」と糾弾されました。

とりあえず、過去に性別を間違えられて戸籍に記載がされ、かつ、意外なスポーツで活躍されていた?同業の方がいたら、ご一報ください。お待ちしています。



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by terarinterarin | 2014-07-23 18:29 | Comments(0)
昨日出た例の最高裁判決。
法律上の父とされている男性との関係でDNA鑑定をもとに父子関係が争われていた2つの事件について、「DNA鑑定によって別な男性が血縁上の父であることが明らかとなっても、「妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定する」などなどと定めている民法772条の推定は覆らないなどと判断されました。

昨日、どのニュースでも結構大きく報道されていたので、目にした方も多いと思います。
現在のDNA鑑定は民間会社の比較的低価格のものでもかなり精度が高いようですし、裁判所で実施する場合には、価格は2~3万円、サンプル採取も裁判所で行うわけで結果に対する信頼度はゆるぎないはず。

今回の2組の事件、私的に民間会社を使ったのか、裁判所で実施したのかはわかりませんが、いずれにせよ「99.9%違います」なんて結果が出たら、さすがに夫の子という推定(我々の世界では「嫡出推定」と言いますが)覆るだろう…そう思われていた同業のみなさん、多かったのではないかと思います。

実際、私、ヤフートピックスで速報見た時に「うっそー」と事務所で声をあげてしまうくらい驚きましたから…

ちょっと専門的な話になりますが、民法772条はあくまで「推定」する規定なわけで、「夫の子」でないことが立証(同業者向けにいうと「本証」が必要ですが。修習生時代に民裁起案が苦手だったとは思えないこの書きぶり!!)されれば、推定は覆ることになるはずです。

で、DNA鑑定で上記のような結果が出た場合、自然な感覚として「夫の子ではないと立証(本証)された」といえそうなので、そうであれば、推定覆していいんじゃない?覆すべきでは?と考えられるのですが、最高裁は、「覆りません!!」と判断したと。

最高裁の判断は、DNA鑑定でも本証に足らないとのことだったのか、それとも、「立法趣旨などに鑑みて」とかなんとかいって、うまいこと立証レベルの話を迂回して覆らないということにしたのか、詳細は判決文を見ないとわかりません(早く見たい。ついでに言うと調査官解説も読みたいです)。

ただ、いずれにせよ、この判断、772条の推定規定を事実上、反対事実の立証を許さない「みなし規定」(つまり、何があっても、妻が婚姻中に懐胎した子供
の法律上の父は夫とみなします、という趣旨の規定)に押し上げてしまったのではないか、解釈の枠を超えた立法に近い解決をしてしまったんじゃないのか、最高裁、なんて思ってしまうのです、個人的には。

なんで、こんな強烈な判決を出しちゃったんでしょ?最高裁。
あの保守的で、右ならえで、必要な判断を下さないというイメージが強い最高裁。

これもまた勝手な個人的憶測なのですが、現在、日本でも生殖医療技術に関する法制化が進んでいることが要因の1つなのかなあ…なんて考えてしまいました。
すごい漠然としたカンなんですけど…

まさかとは思いますが、例えば、夫の方の事情で子供ができない夫婦において、妻が婚姻中に他の男性の精子と自身の卵子を受精させて着床、懐胎、出産…ということになった場合、今回のこの判決前提にして、「夫の子と推定します」なんてことにできるようにしたかった…なんてわけじゃないよねえ。

普通に考えれば、精子提供した男性が法律上の父→その後、妻の夫と子の間で養子縁組みたいなルートが自然なんじゃないかと思うんですが、どうも、今回の法整備では、子に自分の「出自」を知る権利を与えるか与えないかが議論になっているようでもあり(与えないという方が優勢らしいと聞いていますが)、そうすると、772条の推定がうまいこと使えれば、ノープロブレムということにもなりかねず…

いやいや。こんなことは私の病気レベルの?妄想であって、単に最高裁が、いろんな思惑や利害や感情が渦巻く男女関係に巻き込まれて、子の身分関係が安定しないのを危惧して、「つべこべ言うな、はい、この基準で考えてね」と一刀両断にしただけの判決…というなら、それでいいんですけど、今回の2つの事例見る限り、この判決で「子の福祉」とやらが守られたとはどうしても思えないのです。

なんだか、気持ち悪い、最高裁判決。
意図を感じずにはいられないのです…
想像力豊かすぎ&法律に弱いテラバヤシとしては。

<追記>

この投稿の後、最高裁にアップされていた判決文と補充意見、反対意見をすべて読みました。
今回の判決は、非常に保守的かつ形式的の法文を解釈したもので、そういう意味で先に書いたようなものとは違うのですが、かなり画一的に法律上の父子関係を判断しようとするものである点では、やはり、現代の状況や今回問題となった事例(そして、今般よくありそうな事例)の解決には全く役に立たないものでした。
立法で解決しなければならない問題というのが多数意見を出した裁判官の立場のようですが、果たしてそうだったのかという疑問が残りました。
今の民法のもとでも十分に現代を反映した判決が書けたはずです!!



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by terarinterarin | 2014-07-18 14:21 | Comments(0)

弁護士と夏休み。

7月も中盤に入り、世間はあと少しで夏休み!!という季節に入ります。

この世間的な夏休みの季節、裁判所には「休廷期間」というものがあって、7月下旬ころから8月いっぱいくらいまで、どこも(地裁刑事の勾留部や事件の受付などは別として)3週間ほど法廷を開かない期間があります。
まるまる裁判官が3週間休んでいるというわけではなく、この間に裁判官も含め裁判所の職員が交代で夏休みをとる期間のようです。

休廷期間中は裁判所に出向く仕事は基本的に入らない…ということになるので、弁護士もヒマ⇒夏休みとりたい放題、遊び放題と思われるかもしれませんが、そういうことでもありません。

まず、裁判所がお休みでも、世の中のトラブルはそんなものお構いなしです。
相談や依頼がこの間お休みということはありません(もちろん常に開店休業状態ということも…なくはないでしょうが)。

そして、裁判所が開かない時期を狙って、弁護士会の行事というのが、自分の印象では「ドバドバ」入ります。
それでも、普通はお盆の中日近辺(8月12,3日ころから15,6日ころ)くらいは、回避するというのがお約束なのかなあと思わなくもありません。

なぜなら、日本の多くの家は、お葬式や故人を偲ぶ方法として仏教を信仰しており、そうするとお盆には「ご先祖様のお墓参り」という行事がついて回ることが多いからです。そして、これも不思議な日本の慣習なのかもしれませんが、この「ご先祖様のお墓参り」という行事は、割と社会的に優先順位を高く設定してもらえる私的行事、なのではないかと思うのです。

皆さんの中には、実家からあまり遠くないところに住んでいる、墓参りやその後の親族との会食くらいなら、日帰りで十分という方も少なくないでしょう。
が、テラバヤシの実家は、北海道は札幌でございます。
母方の祖母は私の実家に住んでおり、私が弁護士になった年の7月に実家近くの病院で息を引き取りました。葬式は実家から出しました。
今は、元々の故郷がある遠方の墓地に葬られており、墓参りに行くということもそうそうないのですが、それでもお盆時期、それなりに神妙な気持ちで祖母の写真の前にお供えをしたり、それなりの儀式をして偲ぶ…ということを、実家では今でもやっているようです。

「やっているようです」というのは、お盆ど真ん中の時期に、テラバヤシは帰省できないので、伝え聞くところによると、という意味です。
なぜ帰省できないか。
このお盆ど真ん中の時期、日弁連の刑弁センター法廷小技術委員会が主催する実演型法廷技術研修3日間コース、が行われるからです。
テラバヤシは講師としてこの研修に参加するのです。

この研修、昨年初めて行われ、今年は2回目の開催となります。
昨年、この時期に設定することについて、メンバーから「お墓参りが…」という極めて遠慮がちな日程変更の暗示的要求がなされたのですが、座長の某T氏(先ごろ引退したとある映画監督にクリソツ)から、「お盆には、ご先祖様はお墓にいない!!」と一刀両断にされ、この時期に設定されて今年もそれが維持されました。

この行事が終わると、晴れて夏休みが取れるのかというとそうでもありません。
今度は、8月20日と21日に東京の3つの弁護士会が共同で主催する法廷技術研修があり、そこでも講師をすることになっています。
この研修は毎年休廷期間を利用して地裁の法廷をお借りして行われる非常に貴重なもので、テラバヤシも楽しみにしている研修のひとつです(なにしろ他人の実演を裁判員の席に実際に座って見られるのですから、実務的な感覚が養われること間違いありません!!)。

今回のこの投稿、何が言いたいか。
「お盆に帰省できないよ、ちくしょー」という苦情を申し上げたいわけではありません。
裁判員裁判でも弁護士の主張はわかりにくいなどと言われている現状や、弁護士に胡散臭げな印象をお持ちの方が少なくない昨今ではありますが、夏休みを返上して研鑽を積もうとしている弁護士も、少なからず(たくさん?)いるのですよ、ということを一番に申し上げたかった…のです、たぶん。





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by terarinterarin | 2014-07-13 18:19 | Comments(2)
体調不良からカムバックした寺林です。
この間、ブログを読んだ方や依頼者の方から、お見舞いのメールなどをいただきましたので、まずはご報告(とはいえ、まだ、食事量をなかなかあげられずにいます…一汁一菜でちょうどよいくらい。とほほ…)。

さて、体調不良で臥せっていた間から復帰し始めたころ、東京あたりでは、ちょっと物騒な事件が相次いでいました。
例えば、池袋の脱法ハーブ暴走事件。同じく池袋の発砲事件。そして、渋谷の刺殺事件。

こういう事件が起こると、普通のみなさんは「怖い」、「池袋、渋谷方面に行くのはやめようかな」などなどと考えるのでしょう。
私の両親もこの類のことを考える人間で、こういうニュースが流れるたびに「行動には十分気を付けて」とか「人通りの少ないところは通らないように」という注意喚起メールが、絶対に必ず送られてきます。

そして、当の娘はというと、こういうニュースが流れるたびに思うのは、多くの場合、

誰が弁護人になったんだろう?

です。

以前も書きましたが、私は今まで刑事事件を担当することが多かったことなどもあり、刑事弁護の達人のみなさんと幸運にも知り合いだったり、お名前だけでも存じているという方がたくさんおります。
それ程著名でなくても、刑事事件を熱心におやりになっている弁護士もたくさん知っています。

ニュースで流れちゃったような事件で、特に被害者の方がお亡くなりになっているようなケースだと、警察の取り調べも厳しくなることが予想されます。
こういう場合、被疑者の防御活動のために、弁護士会の刑事弁護委員会から「委員会派遣」という形で、いわば押しかけ女房的に早期の段階で、弁護士が接見に送られることも少なくありません。
送られるのは、当たり前の話ですが、力のある優れた弁護士(=達人たち)です。

で、「当然、委員会で派遣してるよなあ」「誰が行ったんだろなあ」なんて考えていて、後日誰が行ったか分かると、「ああ、○○さんが行ったんだ…あれは大変だぞ~」なんて考えたりするのです。

別なバージョンもあります。
多くの弁護士会では、「当番弁護」といって、主に逮捕された直後の方から接見要請が弁護士会に寄せられた場合に出動する弁護士や国選弁護人の指名については、名簿制になっていて、待機日が決められています。

自分の待機日の前日あたりにこういう事件が起きて、直に犯人が逮捕されたりすると、「もしかして、私のところに来る?」などとドキドキした気持ちになります。
ぎりぎりセーフで、待機日を免れると、なんとなく安堵する…ということになります。

誤解のないように言っておくと、別に怠惰ゆえに安堵しているわけではなく、こういう世間の耳目を集める事件を担当すると、被告人の防御活動以外に気遣わねばいけない点なども色々と生じるため、それなりの覚悟と気合が必要なのです。だから、目の前を台風が行き過ぎてくれると、ほっと一安心…なんてことになるのです。

名古屋時代は、「ビンゴ~」なんていうこともたまにありましたが、東京に戻ってきてからは弁護士会の人数も比べ物にならないくらい多いので、「ビンゴ~」も少なくなりました。

とはいえ、優秀な達人のところには、自然、そういう事件は何らかの事情により集まってしまうわけで、気苦労の多い事件ばかり担当されている弁護士には、「お疲れ様です」の一言ではくくりきれない慰労の気持ちを持ってしまうのでした。






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by terarinterarin | 2014-07-10 15:24 | Comments(0)
前回の記事で、「胃腸をやられてお休み中」という話を書きましたが、実は、この話、真相を話すと、結構シャレにならない事態でした。

私の腹部に異変が生じたのは水曜日夜。夕食を食べ終わるか終らないかのことでした。
木曜日、病院に行こうと思いましたが、アレルギーの治療でいつも行っている病院が休みで、仕方なく別の病院に行きました。
そこでは、血液検査をして、点滴もして、薬を2種類出されました。

が、翌日になっても、まあ、小康状態と言えば小康状態だけれども、なんだか良くなった気がしない。お腹痛いし。
夕方まで様子を見ましたが駄目だったので、思い切って、かかりつけのお医者さんに、もう一度診断を受けました。
先生、開口一番、「どうしてこの検査結果でこんな薬出しているのかわからない。これじゃ、かえって悪くなる」。
つまり、診断ミス、治療ミスをされていたわけです。

急ぎ、徹底した触診と問診が行われ、別なお薬を出してもらいました。さらに、木曜の医者からは「ヨーグルトやアイスクリームは食べていい」と言われていたのですが、それも大間違い。乳製品厳禁。ウィダーinゼリーと白粥、素うどんのみ食してよし、という、生きている楽しみの8割を奪われる指示を出されてしまいました。

が、おかげさまで、腹部の調子はかなり回復し、今日も事務所に出勤できています。

さて、「最初の医者が診断ミス・治療ミス」と聞いて、私は一瞬頭にきて「治療代返せや!!」と思いました。これ、普通の人なら、そう思うのではないかと思います。

実際、最初の医者の診断ミス・治療ミス(つまり過失)が立証できれば、この医者の治療のためにかかった診察料・治療費・検査代・薬代は間違いなく回収できるはず。

かかりつけの医者による治療に費やした費用(診察料、薬代)は請求できるだろうか?「正しい判断がされていれば、必ず払うべきだった費用」となれば因果関係なしで請求できないかもしれない。
ただ、誤診のために余計にかかった費用があるのならば、それは請求できるはず。

精神的にも苦しんだわけですから、慰謝料もとれるはず。

そして、肝心の「最初の医者の過失」については、かかりつけの先生が開口一番あんなふうに言うくらいなのだから、それほど苦労しないのではないか、というのが弁護士のカン。おそらく専門書数冊に当たれば立証は可能ではないか…と思われます(見通し甘いかな?)

じゃ、請求するか?という話になりそうですが、そんなことは、致しません。

だって、「あなた、誤診だったから治療代返してください」なんて医者に請求したって、拒否されるのは目に見えてるわけで、そうすると少額訴訟という簡易な方法を採れるとはいえ、訴訟になってしまうわけです。
請求額、どう高く見積もっても、治療費は1万円以内です。
慰謝料含めたって、苦しんだの数日ですから、せいぜい総額なんて2、3万。
まあ、印紙代は1000円ですし、予納すべき郵便切手を含めて費用的にそれ程かからないとはいえ、このためにわざわざ出頭するか?
裁判官に「訴状陳述しますか?」と言われて、すました顔で「陳述します」とか言うか?
他に仕事やって稼いだ方がいいんじゃないのか?
などなどと思っちゃうのです。

これが、いわゆる「泣き寝入り」というものなんでしょうか。
つくづく、他人と争うというのは、請求金額と費用とかかる労力のバランスで決まるものだなあと思いました。

今後の法律相談にも役立ちそうです。



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by terarinterarin | 2014-07-03 17:02 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


by terarinterarin