昨日出た例の最高裁判決。
法律上の父とされている男性との関係でDNA鑑定をもとに父子関係が争われていた2つの事件について、「DNA鑑定によって別な男性が血縁上の父であることが明らかとなっても、「妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定する」などなどと定めている民法772条の推定は覆らないなどと判断されました。

昨日、どのニュースでも結構大きく報道されていたので、目にした方も多いと思います。
現在のDNA鑑定は民間会社の比較的低価格のものでもかなり精度が高いようですし、裁判所で実施する場合には、価格は2~3万円、サンプル採取も裁判所で行うわけで結果に対する信頼度はゆるぎないはず。

今回の2組の事件、私的に民間会社を使ったのか、裁判所で実施したのかはわかりませんが、いずれにせよ「99.9%違います」なんて結果が出たら、さすがに夫の子という推定(我々の世界では「嫡出推定」と言いますが)覆るだろう…そう思われていた同業のみなさん、多かったのではないかと思います。

実際、私、ヤフートピックスで速報見た時に「うっそー」と事務所で声をあげてしまうくらい驚きましたから…

ちょっと専門的な話になりますが、民法772条はあくまで「推定」する規定なわけで、「夫の子」でないことが立証(同業者向けにいうと「本証」が必要ですが。修習生時代に民裁起案が苦手だったとは思えないこの書きぶり!!)されれば、推定は覆ることになるはずです。

で、DNA鑑定で上記のような結果が出た場合、自然な感覚として「夫の子ではないと立証(本証)された」といえそうなので、そうであれば、推定覆していいんじゃない?覆すべきでは?と考えられるのですが、最高裁は、「覆りません!!」と判断したと。

最高裁の判断は、DNA鑑定でも本証に足らないとのことだったのか、それとも、「立法趣旨などに鑑みて」とかなんとかいって、うまいこと立証レベルの話を迂回して覆らないということにしたのか、詳細は判決文を見ないとわかりません(早く見たい。ついでに言うと調査官解説も読みたいです)。

ただ、いずれにせよ、この判断、772条の推定規定を事実上、反対事実の立証を許さない「みなし規定」(つまり、何があっても、妻が婚姻中に懐胎した子供
の法律上の父は夫とみなします、という趣旨の規定)に押し上げてしまったのではないか、解釈の枠を超えた立法に近い解決をしてしまったんじゃないのか、最高裁、なんて思ってしまうのです、個人的には。

なんで、こんな強烈な判決を出しちゃったんでしょ?最高裁。
あの保守的で、右ならえで、必要な判断を下さないというイメージが強い最高裁。

これもまた勝手な個人的憶測なのですが、現在、日本でも生殖医療技術に関する法制化が進んでいることが要因の1つなのかなあ…なんて考えてしまいました。
すごい漠然としたカンなんですけど…

まさかとは思いますが、例えば、夫の方の事情で子供ができない夫婦において、妻が婚姻中に他の男性の精子と自身の卵子を受精させて着床、懐胎、出産…ということになった場合、今回のこの判決前提にして、「夫の子と推定します」なんてことにできるようにしたかった…なんてわけじゃないよねえ。

普通に考えれば、精子提供した男性が法律上の父→その後、妻の夫と子の間で養子縁組みたいなルートが自然なんじゃないかと思うんですが、どうも、今回の法整備では、子に自分の「出自」を知る権利を与えるか与えないかが議論になっているようでもあり(与えないという方が優勢らしいと聞いていますが)、そうすると、772条の推定がうまいこと使えれば、ノープロブレムということにもなりかねず…

いやいや。こんなことは私の病気レベルの?妄想であって、単に最高裁が、いろんな思惑や利害や感情が渦巻く男女関係に巻き込まれて、子の身分関係が安定しないのを危惧して、「つべこべ言うな、はい、この基準で考えてね」と一刀両断にしただけの判決…というなら、それでいいんですけど、今回の2つの事例見る限り、この判決で「子の福祉」とやらが守られたとはどうしても思えないのです。

なんだか、気持ち悪い、最高裁判決。
意図を感じずにはいられないのです…
想像力豊かすぎ&法律に弱いテラバヤシとしては。

<追記>

この投稿の後、最高裁にアップされていた判決文と補充意見、反対意見をすべて読みました。
今回の判決は、非常に保守的かつ形式的の法文を解釈したもので、そういう意味で先に書いたようなものとは違うのですが、かなり画一的に法律上の父子関係を判断しようとするものである点では、やはり、現代の状況や今回問題となった事例(そして、今般よくありそうな事例)の解決には全く役に立たないものでした。
立法で解決しなければならない問題というのが多数意見を出した裁判官の立場のようですが、果たしてそうだったのかという疑問が残りました。
今の民法のもとでも十分に現代を反映した判決が書けたはずです!!



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# by terarinterarin | 2014-07-18 14:21 | Comments(0)

弁護士と夏休み。

7月も中盤に入り、世間はあと少しで夏休み!!という季節に入ります。

この世間的な夏休みの季節、裁判所には「休廷期間」というものがあって、7月下旬ころから8月いっぱいくらいまで、どこも(地裁刑事の勾留部や事件の受付などは別として)3週間ほど法廷を開かない期間があります。
まるまる裁判官が3週間休んでいるというわけではなく、この間に裁判官も含め裁判所の職員が交代で夏休みをとる期間のようです。

休廷期間中は裁判所に出向く仕事は基本的に入らない…ということになるので、弁護士もヒマ⇒夏休みとりたい放題、遊び放題と思われるかもしれませんが、そういうことでもありません。

まず、裁判所がお休みでも、世の中のトラブルはそんなものお構いなしです。
相談や依頼がこの間お休みということはありません(もちろん常に開店休業状態ということも…なくはないでしょうが)。

そして、裁判所が開かない時期を狙って、弁護士会の行事というのが、自分の印象では「ドバドバ」入ります。
それでも、普通はお盆の中日近辺(8月12,3日ころから15,6日ころ)くらいは、回避するというのがお約束なのかなあと思わなくもありません。

なぜなら、日本の多くの家は、お葬式や故人を偲ぶ方法として仏教を信仰しており、そうするとお盆には「ご先祖様のお墓参り」という行事がついて回ることが多いからです。そして、これも不思議な日本の慣習なのかもしれませんが、この「ご先祖様のお墓参り」という行事は、割と社会的に優先順位を高く設定してもらえる私的行事、なのではないかと思うのです。

皆さんの中には、実家からあまり遠くないところに住んでいる、墓参りやその後の親族との会食くらいなら、日帰りで十分という方も少なくないでしょう。
が、テラバヤシの実家は、北海道は札幌でございます。
母方の祖母は私の実家に住んでおり、私が弁護士になった年の7月に実家近くの病院で息を引き取りました。葬式は実家から出しました。
今は、元々の故郷がある遠方の墓地に葬られており、墓参りに行くということもそうそうないのですが、それでもお盆時期、それなりに神妙な気持ちで祖母の写真の前にお供えをしたり、それなりの儀式をして偲ぶ…ということを、実家では今でもやっているようです。

「やっているようです」というのは、お盆ど真ん中の時期に、テラバヤシは帰省できないので、伝え聞くところによると、という意味です。
なぜ帰省できないか。
このお盆ど真ん中の時期、日弁連の刑弁センター法廷小技術委員会が主催する実演型法廷技術研修3日間コース、が行われるからです。
テラバヤシは講師としてこの研修に参加するのです。

この研修、昨年初めて行われ、今年は2回目の開催となります。
昨年、この時期に設定することについて、メンバーから「お墓参りが…」という極めて遠慮がちな日程変更の暗示的要求がなされたのですが、座長の某T氏(先ごろ引退したとある映画監督にクリソツ)から、「お盆には、ご先祖様はお墓にいない!!」と一刀両断にされ、この時期に設定されて今年もそれが維持されました。

この行事が終わると、晴れて夏休みが取れるのかというとそうでもありません。
今度は、8月20日と21日に東京の3つの弁護士会が共同で主催する法廷技術研修があり、そこでも講師をすることになっています。
この研修は毎年休廷期間を利用して地裁の法廷をお借りして行われる非常に貴重なもので、テラバヤシも楽しみにしている研修のひとつです(なにしろ他人の実演を裁判員の席に実際に座って見られるのですから、実務的な感覚が養われること間違いありません!!)。

今回のこの投稿、何が言いたいか。
「お盆に帰省できないよ、ちくしょー」という苦情を申し上げたいわけではありません。
裁判員裁判でも弁護士の主張はわかりにくいなどと言われている現状や、弁護士に胡散臭げな印象をお持ちの方が少なくない昨今ではありますが、夏休みを返上して研鑽を積もうとしている弁護士も、少なからず(たくさん?)いるのですよ、ということを一番に申し上げたかった…のです、たぶん。





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# by terarinterarin | 2014-07-13 18:19 | Comments(2)
体調不良からカムバックした寺林です。
この間、ブログを読んだ方や依頼者の方から、お見舞いのメールなどをいただきましたので、まずはご報告(とはいえ、まだ、食事量をなかなかあげられずにいます…一汁一菜でちょうどよいくらい。とほほ…)。

さて、体調不良で臥せっていた間から復帰し始めたころ、東京あたりでは、ちょっと物騒な事件が相次いでいました。
例えば、池袋の脱法ハーブ暴走事件。同じく池袋の発砲事件。そして、渋谷の刺殺事件。

こういう事件が起こると、普通のみなさんは「怖い」、「池袋、渋谷方面に行くのはやめようかな」などなどと考えるのでしょう。
私の両親もこの類のことを考える人間で、こういうニュースが流れるたびに「行動には十分気を付けて」とか「人通りの少ないところは通らないように」という注意喚起メールが、絶対に必ず送られてきます。

そして、当の娘はというと、こういうニュースが流れるたびに思うのは、多くの場合、

誰が弁護人になったんだろう?

です。

以前も書きましたが、私は今まで刑事事件を担当することが多かったことなどもあり、刑事弁護の達人のみなさんと幸運にも知り合いだったり、お名前だけでも存じているという方がたくさんおります。
それ程著名でなくても、刑事事件を熱心におやりになっている弁護士もたくさん知っています。

ニュースで流れちゃったような事件で、特に被害者の方がお亡くなりになっているようなケースだと、警察の取り調べも厳しくなることが予想されます。
こういう場合、被疑者の防御活動のために、弁護士会の刑事弁護委員会から「委員会派遣」という形で、いわば押しかけ女房的に早期の段階で、弁護士が接見に送られることも少なくありません。
送られるのは、当たり前の話ですが、力のある優れた弁護士(=達人たち)です。

で、「当然、委員会で派遣してるよなあ」「誰が行ったんだろなあ」なんて考えていて、後日誰が行ったか分かると、「ああ、○○さんが行ったんだ…あれは大変だぞ~」なんて考えたりするのです。

別なバージョンもあります。
多くの弁護士会では、「当番弁護」といって、主に逮捕された直後の方から接見要請が弁護士会に寄せられた場合に出動する弁護士や国選弁護人の指名については、名簿制になっていて、待機日が決められています。

自分の待機日の前日あたりにこういう事件が起きて、直に犯人が逮捕されたりすると、「もしかして、私のところに来る?」などとドキドキした気持ちになります。
ぎりぎりセーフで、待機日を免れると、なんとなく安堵する…ということになります。

誤解のないように言っておくと、別に怠惰ゆえに安堵しているわけではなく、こういう世間の耳目を集める事件を担当すると、被告人の防御活動以外に気遣わねばいけない点なども色々と生じるため、それなりの覚悟と気合が必要なのです。だから、目の前を台風が行き過ぎてくれると、ほっと一安心…なんてことになるのです。

名古屋時代は、「ビンゴ~」なんていうこともたまにありましたが、東京に戻ってきてからは弁護士会の人数も比べ物にならないくらい多いので、「ビンゴ~」も少なくなりました。

とはいえ、優秀な達人のところには、自然、そういう事件は何らかの事情により集まってしまうわけで、気苦労の多い事件ばかり担当されている弁護士には、「お疲れ様です」の一言ではくくりきれない慰労の気持ちを持ってしまうのでした。






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# by terarinterarin | 2014-07-10 15:24 | Comments(0)
前回の記事で、「胃腸をやられてお休み中」という話を書きましたが、実は、この話、真相を話すと、結構シャレにならない事態でした。

私の腹部に異変が生じたのは水曜日夜。夕食を食べ終わるか終らないかのことでした。
木曜日、病院に行こうと思いましたが、アレルギーの治療でいつも行っている病院が休みで、仕方なく別の病院に行きました。
そこでは、血液検査をして、点滴もして、薬を2種類出されました。

が、翌日になっても、まあ、小康状態と言えば小康状態だけれども、なんだか良くなった気がしない。お腹痛いし。
夕方まで様子を見ましたが駄目だったので、思い切って、かかりつけのお医者さんに、もう一度診断を受けました。
先生、開口一番、「どうしてこの検査結果でこんな薬出しているのかわからない。これじゃ、かえって悪くなる」。
つまり、診断ミス、治療ミスをされていたわけです。

急ぎ、徹底した触診と問診が行われ、別なお薬を出してもらいました。さらに、木曜の医者からは「ヨーグルトやアイスクリームは食べていい」と言われていたのですが、それも大間違い。乳製品厳禁。ウィダーinゼリーと白粥、素うどんのみ食してよし、という、生きている楽しみの8割を奪われる指示を出されてしまいました。

が、おかげさまで、腹部の調子はかなり回復し、今日も事務所に出勤できています。

さて、「最初の医者が診断ミス・治療ミス」と聞いて、私は一瞬頭にきて「治療代返せや!!」と思いました。これ、普通の人なら、そう思うのではないかと思います。

実際、最初の医者の診断ミス・治療ミス(つまり過失)が立証できれば、この医者の治療のためにかかった診察料・治療費・検査代・薬代は間違いなく回収できるはず。

かかりつけの医者による治療に費やした費用(診察料、薬代)は請求できるだろうか?「正しい判断がされていれば、必ず払うべきだった費用」となれば因果関係なしで請求できないかもしれない。
ただ、誤診のために余計にかかった費用があるのならば、それは請求できるはず。

精神的にも苦しんだわけですから、慰謝料もとれるはず。

そして、肝心の「最初の医者の過失」については、かかりつけの先生が開口一番あんなふうに言うくらいなのだから、それほど苦労しないのではないか、というのが弁護士のカン。おそらく専門書数冊に当たれば立証は可能ではないか…と思われます(見通し甘いかな?)

じゃ、請求するか?という話になりそうですが、そんなことは、致しません。

だって、「あなた、誤診だったから治療代返してください」なんて医者に請求したって、拒否されるのは目に見えてるわけで、そうすると少額訴訟という簡易な方法を採れるとはいえ、訴訟になってしまうわけです。
請求額、どう高く見積もっても、治療費は1万円以内です。
慰謝料含めたって、苦しんだの数日ですから、せいぜい総額なんて2、3万。
まあ、印紙代は1000円ですし、予納すべき郵便切手を含めて費用的にそれ程かからないとはいえ、このためにわざわざ出頭するか?
裁判官に「訴状陳述しますか?」と言われて、すました顔で「陳述します」とか言うか?
他に仕事やって稼いだ方がいいんじゃないのか?
などなどと思っちゃうのです。

これが、いわゆる「泣き寝入り」というものなんでしょうか。
つくづく、他人と争うというのは、請求金額と費用とかかる労力のバランスで決まるものだなあと思いました。

今後の法律相談にも役立ちそうです。



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# by terarinterarin | 2014-07-03 17:02 | Comments(0)
自慢じゃありませんが、体は決して丈夫ではありません。

子供のころ、季節の変わり目には必ずといっていいほど風邪を引いて熱を出し、学校を休みました。
高熱が出やすい性質で、ただの風邪でも39度くらい出るのは普通。
20代のころにはインフルエンザで死を覚悟したこともありました。

この仕事につく前後ころからアレルギー性の疾患がひどくなり、花粉症に咳喘息、一部の薬に薬疹が出る…などなど、困った症状が付随するようになりました。
アレルギー持ちは、市販の風邪薬は基本的に飲めません(アナフィラキシーで死ぬかもしれません)。
しかも、元々薬の副作用も出やすい性質…という厄介な身体。
仕事が詰まっているときに倒れてしまうと、この仕事、多方面に迷惑をかけてしまうので、私のような人間は、かなり気づかいが必要です。

弁護士になってからも何回か体調不良には襲われていますが、幸い大きな穴を仕事に開けたことはありません(小さい穴はありますけど)。
で、こんな私の体調管理のコツですが、「病院と仲良くなる」「休みをとる」ということです。
もう少し噛み砕いていうと、①かかりつけ医を作る、②具合が悪くなったらすぐに病院に駆け込む、③具合が悪いときは家に引きこもる、ということです。

アレルギー持ちで定期的にお薬をいただいているので、どこに住んでいても常にかかりつけ医はいます。かかりつけ医は、自宅近くが職場近くにあるのがベスト。今は自宅近くにあります。
私の場合、例えば「風邪だな」と思ったら、熱が出ていようがいまいが、できるだけ早く(仕事がなければ即効。あれば、その仕事が終わればすぐ)かかりつけ医の病院に飛び込みます。そして、しかるべくお薬をいただいて(私のような体質の場合、かかりつけ医だと薬の相談ができるので安心)、倦怠感がある場合で、かつ翌日の予定の融通が利く場合には、自宅でゆっくり過ごします。もちろん、最低限の仕事を自宅でしていることは多いですが・・・

また、普段も土日の両方あるいは最低どちらかは休むようにしています(接見対応が必要な場合は別)。これは、ひとり暮らしゆえの家事の都合等に負うところも大きいですが、やはり、体調の維持には「オフ」の時間を努めて作ることが大事だなあ、と思うので。

これで、大風邪を引くことはなくなりましたし、幸いインフルエンザでダウンということもありません。
不規則かつ休みなしでメタボ食満載でも体が動く体力がある若い?男性弁護士にはかなわないかもしれませんが、私には、この「細々」な感じが向いているような気がします。

ただ、同業者の間の私のイメージは違うようで、常にパワフルに動き回っている…という印象みたいですが。

さて、このように自分の体調管理には自信を持っていた私ですが、一昨日夜から胃腸をやられて、昨日本日とお休みをいただいております。
昨日は、病院で点滴を打って何やら重病感が出ていますが、万全ではないものの、一応回復傾向、といって問題ないかと…
とはいえ、2日も病欠するのは初めてのことで、まだまだ体調管理方法には改善の余地があるな、と思っているところであります。

ということで、この後は少しお休みします。




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# by terarinterarin | 2014-06-27 13:14 | Comments(1)
こういう時事ネタについてパッと反応して気が利いたコメントを書ける性質ではなく、かつ、「こういう問題があった場合の法的対応」みたいなことは、おそらく機敏な先生方がお書きになっていらっしゃるだろうと思うので、テラバヤシは、ここ数日思ったことを、呑気に綴ることといたします。

セクハラに関する相談は、今までに何度も受けていますし、実際に訴訟をしたこともあります。
身近でそういう問題が起こったこともありました。

個人的に、セクハラは、①エロおやじ系と②人格否定系に分けられると思っています。
エロおやじ系というのは、職場で特定の女子に対して卑猥な言葉を投げかけたり、ボディタッチなどなどしたり、夜のお供を強要したり、というものです。
人格否定系は、結婚適齢期的な立ち位置や、それを過ぎた立ち位置の独身女性に対して、未婚であることをもって女として失格、みたいな趣旨の発言をするタイプのセクハラです。

今まで私が相談を受けたり受任したりした件は、全てエロおやじ系です。身近で起こったものは、どちらかというと人格否定系だったと思います。が、昨今のセクハラとして、後者は、あまり件数が多くないのかな、という印象なのです(もちろん個人的な印象なので、もっとこの手のヘビーな案件をたくさんやってらっしゃる弁護士からすると、違うという印象があるかもしれません)。

要は、エロおやじ系というのは、「エロい」という悲しいその男性のサガに基づいて発生してしまうセクハラなので、ある程度、教育的に抑えられる可能性はあるにせよ、普遍的に一定数発生してしまうものといえるように思うのです。

が、人格否定系は、要は、思想の問題。
世の中の「男女平等」「男女共同参画」みたいな機運の高まりが徐々に徐々に進んでいくにしたがって、「女は結婚して子供産んでりゃいいんだ」みたいな思想は誤りである、あるいは個人的にはそう思わないでもないんだけど、正面切っていっちゃまずいでしょという啓蒙がなされていけば、自然、減少・消滅するタイプのセクハラ、ではないかと思うのであります。

つまり、何が言いたいかというと、今回のこのヤジ、昭和の時代の中小企業かなんかで、仕事終わりに社内で適齢期の事務の女の子につまみ出してもらって、軽く一杯やってた課長とか部長とか、その辺のおじさんが、「○○ちゃ~ん、そろそろ結婚しないと~。いい人いないの~?」ぐらいなノリを引きずってるヤジだよな…と、いうことです。

今のこの時代に、欧米は男女平等とか女性の権利とかそんなものはあったりまえの話で、セクシャルマイノリティの権利保護というその先の問題の解決にもうとっくに取り組んでいるというこの時代に、ですよ。日本の首都東京都議会で、昭和のおっちゃん引きずったヤジが出てくるというこの事態。

一体、今まで私たち、何やってきたのかしら?とすべての土台を崩されたかのような脱力感を感じてしまうのであります。

ところで、このヤジを飛ばした人間を処分してほしいという要請に、「人物が特定できないから」という理由で受理がされなかったという話ですが、特定なんて簡単でしょ。というか、もうできてるでしょ。
自民党も、何白々しく、一人一人都議会議員をしらみつぶしに事情聴取とかやってるんだか…
隣で聞いてた人、前後ろで聞いてた人、告げ口しましょう、堂々と。

というか、あんなに堂々とヤジ飛ばしたぐらいなんだから、言った張本人、でてこいや!!(高田総統風)







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# by terarinterarin | 2014-06-23 01:47 | Comments(0)
以前、このブログで、弁護士のカバンの中身について書いたことがありました。
要は、弁護士は荷物が重いと。いろんなものが入っていると。

その荷物を、テラバヤシが弁護士になってから、どのようなカバンで持ち運びしてきたか、そのプチ歴史についてお話ししたいと思います。

弁護士になったばかりのころは(注:最初の1年は東京で弁護士をしていました)、きちんと革のカバンを持っていました。
愛用していたのは、HIROFUの大き目のトートバッグでした。私の記憶では、オレンジとこげ茶色のものを使い分けていたような気がします。

革のトートの中でも結構大きな方で、自分も「これじゃ荷物が入りきらない」と思った記憶がありません。おそらくこのころは、これで足りていたんだろうと思います。

革トート生活は、名古屋に行ってもしばらくの間、続いていました。半年くらいは続いていたのではないかと思います。
が、そのうち、
「このカバンじゃ入らない!!」
「カバン自体が重い!!」
と思い始めるようになりました。

そうです。
刑事事件の件数がかさむにしたがって、持ち歩く記録がどんどんかさばり、必然的に荷物が重くなってきたのです。

それでも革のトートを使い続けていた私を、ある日悲劇が襲いました。

自宅に帰ってしばらくくつろいだ後、立ち上がろうとした時のことでした。
「ぴきっ」という音が聞こえました。
腰のあたりから聞こえてきました。
直後、痛みが走りました。
腰がほとんど曲げられない状態になりました。

もう夜遅くのことだったので、翌朝、当時たまに行っていた整体院に予約を取りました。
状態は、いわゆる「ぎっくり腰」で、骨盤が思いきり前方向にずれていると言われました。

1回目の整体で、恐る恐る動けば何とか日常生活に支障がない程度にはなりましたが、完全には治りませんでした。
2日後くらいにもう一度、1週間後にもう1度行って、なんとか治ったという状況です。

整体師の方からは、片側(私の場合、左)の肩にいつも重い荷物を持っているので、右肩が下がり、体の右半分が縮んだ状態になっていると言われました。当然、ぎっくり腰の一因になっていると…

単純な私は、荷物両肩に持って歩けばいいんだ!!という結論に至り、以後、仕事でリュックを背負うという生活に突入しました。

そのリュックは、「The North Face」の26リットルという、いわゆるガチ・アウトドア用で、さらに目の覚めるようなブルーにショッキングピンクにイエローというなかなかに明るい配色。
黒のリュックじゃつまらんと思った結果、この選択になりました。

さらに、当時の私は、背中までのロングヘアにきっついスパイラルパーマをかけてポニーテールにしていました(本当はロングのドレッドにしたかったのですが、美容師さんに髪質的に無理と言われて断念しました)。
そして、長距離移動が多かった当時の私の足元は、基本スニーカーでした。

パンツスーツにやけに派手なリュックを背負い、髪はもじゃもじゃ、ごついスニーカー…という「あの人、何してる人?」みたいないでたちは、このようにして生まれたわけです。

当時の私のいでたちを覚えている人もまだいらっしゃると思いますが、それなりの経緯と理由のもとにああなってしまったのだということを、この場を借りてお伝えしたいわけです。

さて、このような思いきったファッションにシフトして、私の腰の状態がどうなったかというと、実はさらにその半年くらい後にぎっくり腰を再発し、整体院のお世話になりました。
さらに、1年後くらいには、愛知県弁護士会館の裏で落ち葉を踏んで転び、ひざを痛めるという事態に陥りました。

なで肩のくせに大きなリュックに荷物をパンパンに入れて移動するという生活が、慢性の肩コリと背中痛の一因になっていたことは間違いありません。
(ついでにいうと、きっついスパイラルパーマは、髪を傷める原因になりました。)

リュックは万能ではありませんでした。

というわけで、今はすっかり更生し、黒色トートに夏場はワンピース、髪の毛はこぎれいなショートヘアという、まっとうな弁護士に戻ったのであります。
自分的には…








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# by terarinterarin | 2014-06-20 17:17 | Comments(0)
自分以外の弁護士って、どんな食事をしているんだろうと、ふと考えることがあります。
サラメシではないですけれど、特にお昼ご飯は、みんな、どんなシチュエーションで何を食べているんだろうと思うことがあります。
今日は、テラバヤシが弁護士になってからのお昼ごはんについてお話ししようと思います。

一番最初に勤めていた都内の事務所では、事務員さんが午前のうちに、弁護士の希望を聞いて、お昼を買ってきてくれて、所内にいる弁護士が会議室1つを使って、そろってお昼を食べていました(今も続いているんでしょうか?)。

ご飯を食べながら世間話…が普通ですが、事件処理の話とか個別の事件の相談になることもあり、新人だった私にとっては、楽しみだったし、勉強になる時間でもありました。

名古屋の法テラス愛知法律事務所にいたときは、地方事務所側にある休憩室で、地方事務所の職員さんたちと一緒にテーブルを囲んでお昼を食べていました(注:法テラスでは、多くの場合、法律事務所と地方事務所が同じ建物内に入っています。地方事務所とは、国選の刑事事件の配転や民事法律扶助の無料相談等を行っている部署…とざっくり考えてください)。

法テラス愛知は、全国の法テラスの中でも珍しく、地方事務所と法律事務所が同じフロアにあって、廊下一本でつながっていました。
地方事務所の職員の方は、お昼ごはん時、外に食べに行く人もいましたが、買ってきたものや家から持ってきたお弁当を休憩室で食べる方も結構いました。

私は、裁判や接見で外にいるとき以外は、この休憩室で地方事務所のみなさんと一緒にごはんを食べることがほとんどでした。
休憩室にはテレビがあったので、お昼のワイドショーを見ながら世間話をしてリラックスする…ということが多かったような気がしますが、同時にこの時間は、貴重な情報交換の時間でもありました。

法テラス愛知では拘置所や刑務所からの法律相談の依頼が地方事務所に届けられることが多く、採算に乗らない仕事だったため、スタッフ弁護士だった私が対応することも少なくありませんでした。
このような法律相談への対応は、通常の法律相談とは異なる配慮が多々必要だったこともあり、お昼の時間を利用して、職員の方とよく相談しておりました。

東京に戻ってからは、自席でお昼をとることが多くなりました。最近は、事務所でお昼のときには、なるべく自宅からお弁当を持ってくるようにしています(ごくごく簡単なものですが…)。

今の事務所は、作りがこじんまりしているので、自席で食事をしていても、お弁当を食べながらコミュニケーションを図ることができ、のんびりした気分にもなれます。一見、寂しそうなお昼に見えるかもしれませんが、自分では結構気に入っている時間です。

1月から2月にかけて長丁場の裁判員裁判に関わっていたときには、相弁護人(一緒に弁護活動を担当する弁護人のこと)と一緒にお昼をとることがほとんどでした。

弁護士会館や裁判所(地裁の食堂は***なので、喫茶の方に行っていました)のこともあれば、少し時間があるときは、ちょっとだけ足を延ばして法曹会館までランチに行くこともありました。

午前の尋問でどんな問題があったか、午後の尋問でどう対応するか…いろいろ打ち合わせながらのお昼でしたが、不思議とストレスがたまるようなことはありませんでした。
食事をしながらだと、深刻な話も、ごちそうと一緒に消化してもらえるのかなあ、なんて思ったりします。

こういう風に考えてみると、弁護士として働くようになってからのお昼には、常に「仕事」やいっしょに仕事する人とのコミュニケーションがくっついているんだな、とつくづく感じます。

そして、これって、案外どんな仕事でも、同じことなのかもしれません。






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# by terarinterarin | 2014-06-16 20:00 | Comments(0)
私、この4月から「シェアしたくなる法律事務所」(以下「シェア法」といいます)というサイトで、法律問題に関する様々なネタ(旬なもの、旬でないものを含めて)、時折執筆させてもらっています。

元々は、当事務所の代表川浪弁護士が登録しており、自分も紹介してもらったという経緯で執筆陣に加わりました。

このサイト、執筆者の弁護士側からもネタを提案することはできますが、基本、サイト側から「このお題で書いてください」と依頼が来ます。

登録してしばらくの間は、割と堅いネタ、地味なネタの依頼が多くきました。例えば「高齢者の万引き」とか「PTA加入の圧力問題」とか、トピックス的なものでも「韓国船沈没事故について船長が殺人罪で起訴された件について日本ならどうなるか」というハードなものです。

どうしても内容が堅く長くなりがちなのを、なるべくなるべくソフトにソフトに、無駄な言葉は省いて…と心がけながら書いて、5月下旬ころに「あ~、少し慣れてきたなあ」と思い始めた矢先のことでした。

「口パクや当てぶりは違法じゃないのか」というネタを依頼されました。
その何日か前に、TMNの木根尚登さんが「(あの大ヒット曲)GET WILD、実は自分で弾いてませんでした」と言ってしまったことを受けて、の依頼でした。

内容としては、かなりおおざっぱにいうと、「原則問題なし、場合によっては違法になりうる」ということを書いてサイト側に提出しました。

公開された日の夕方のことです。
この日は仕事の都合で、昼から夕方5時過ぎまでメールをチェックすることができませんでした。
5時過ぎにチェックしたところ、サイト側からメールが来ていました。
「寺林先生の書いた記事が、大人気です」みたいなタイトルだったと記憶しています。

「は?」と思って、内容を読んだところ、上記の記事がYahoo!トピックスで取り上げられて、PVがすごく伸びている、というのです。
びっくりして、さっそくYahoo!にアクセスしたところ、確かにトピックスに上がっている…

私、そこで、コメント欄を読んでしまいました。

「この寺林って弁護士、アホじゃね!!」
「TMNのファンは、そんなこと昔から知ってたよ!!」(実際、かなり有名な話だったようです。)
「こんなことで違法になんのかよ!!ジャ○○ズとか、A○○とか、いまどきみんなあたりまえじゃねえか!!」

くらいはまだおとなしい方で、ちょっとここには書きがたい強烈な内容のコメントが、かなりな数、寄せられていました。

しかも、私もよせばいいのに、数時間ごとにアクセスやコメントを確認してしまったりして、強烈な内容の数が莫大に膨れ上がっているのを目の当たりにしてしまったわけです。

もう、なすすべなし。
どんどん増えていく辛辣なコメントを目の前に「お~、すげ~」という感想しか持ちようのない状況になっていきました。

そして、思い出したのでした。サイトの運営者の方から「結論は先に書いてください」と言われていたことを。
案外、タイトルとか最初の数行とかで、皆さんコメント書くんだなあと、この時実感したのです。
長い長い受験時代に身についた「演繹法的な書き方」が、ここで足を引っ張っていたのかもしれない…

さらに、私を若干戦々恐々とさせた事情がありました。

翌日公開予定のネタが「AKB48総選挙の使用済みチケットがヤフオクで高額買い取りされた件は違法ではないのか」というものだったのです。
結論としては「詐欺になる可能性高し。ならなくても返金の必要性ありでしょう」というものでした。
事務所では、乾いた笑いの中、「殺害予告のメールくらい来るかもねえ」などと話しておりました。

が、実際、AKBのネタについては、Yahoo!トピックスなどに取り上げられることもなく、殺害予告もありませんでした。

ただ、「2ちゃんねるで話題になっている」という情報が寄せられたので、チェックしてみました。
確かに、1つスレッドが立っていて、私の記事が取り上げられていました。

きちんと全文コピペされた上で(たまに「こいつアホじゃね」くらいはあったものの)、「やっぱり本質はここか」みたいな話がされており、(2ちゃんねるにしては、という留保付きではありますが)極めてまっとうなやり取りが繰り広げられていたのでした。

木根さんのネタを書いたことによって、web記事を書くことで突然ある意味「時の人」みたいになっちゃうという洗礼も受けましたし、web特有の書き方があるということも学びました。他にもいろいろ学んだことはありますが、長くなるので割愛しますけど…

ちなみに、この記事のおかげで琥珀法律事務所のHPのアクセスは、瞬間最大風速的に伸びたそうですが、それが依頼・受任につながったということは全くありません。

仕事は地道につかむものなのであります。


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# by terarinterarin | 2014-06-13 17:42 | Comments(0)

刑事弁護とワタシ

同じ業界の人で、私のことを知ってくださっている人の多くは、

テラバヤシといえば刑事弁護、

というイメージでとらえているのではないかと思います。

もちろん、G先生とか、T先生とか、K先生とか、M先生とかとかの名だたる刑事弁護の大家には、到底足元にも及びません。
それに、日本全国には、中堅や若手にも、熱心で優秀な刑事弁護人がたくさんいます。話を聞いていて、その熱心な活動ぶりに頭が下がることも少なくありません。

それでも、初対面の方にお会いして名刺をお渡しするときに「あ、刑事弁護の…」と言われることが、たまにあります。当然、うれしかったりします。刑事事件の数をある程度こなしてきたし、自分なりに「結構頑張ったよなあ、あの事件…」などと振り返ることも、たまにありますので…。

一番刑事弁護の数をこなしていたのは、法テラス愛知法律事務所での勤務を始めて、ちょうど1年過ぎたころから2年目あたりまでだったように思います。
裁判員裁判が始まることとなり、それなりに罪名が重い事件もだんだん任されるようになってきました。

同時期に殺人事件と殺人未遂事件と訳アリの窃盗事件を抱えることになり(しかも、前2者は捜査中)、3つの警察署を接見のために梯子して、連日帰宅が深夜…などということもありました(当時はそういう生活がうれしくて、たいして苦にもしていませんでした。今は、こんな生活はもう体力的に無理だなあ…としみじみ感じています。年齢って怖いものです)。

刑事事件と民事事件、違うところを1つ挙げると、その事件や被疑者・被告人と関わる期間が限られていて、受けた時からある程度終わりの時期が見えることが多いというところかなと思います。

もちろん、再逮捕・追起訴が予想以上に続いたり、争点が複雑だったりして予想外に事件終了までの期間が延びることはあります。
が、起訴されずに、あるいは罰金で事件が終了する事件も少なくなく、そうすると、その方とは20日そこそこのお付き合いになります。
1個の事件だけで逮捕勾留されて起訴された場合には、すべて認めている事件だと、1審判決までの1か月半から2か月くらいのお付き合いで終わってしまいます。

しかし、その間に濃密な関わりをすることもそれなりにあり、事件が終わった後も連絡を頂いたり、思わぬ関わりができたりすることもあります。

担当した方が、後日、お手紙をくださることがたまにあります。

私は、一番最初に担当した国選事件の被告人だった方から、事件終了後にお手紙を頂きました。
まだ20歳そこそこの若い男性でした。
やった事件がまあまあ重い罪名で、かつ、少年時代の前歴もあったために、実刑判決が避けられませんでした。
判決後に控訴するかしないか相談するために面会した際「控訴しないで早く服役して帰ってきます」と告げられ、「では、体に気を付けて元気でやってくださいね」と別れました。

10日後くらいに「お礼を十分にいえなかったので」とお手紙をくれた時には、びっくりしました。
今でもその手紙は大切にしまってあります。

うれしい便りだけならいいのですが、受刑先の刑務所で受けた扱いに関する相談の手紙も時折届きます。
やはり、新人の頃に担当した事件の方(男性)からでした。
この方は、重い病気を患った状態で服役しなければならなかったため、裁判で情状を主張するためにかかりつけ医から診断書を取得していました。
私は、判決後にこの診断書を本人に渡し、受刑先の刑務所で提示するように伝えました。検査や何らかの治療をしてもらうようにするためでした(放置すると受刑中に亡くなりかねない病名でした)。

受刑先の刑務所から、「何度お願いしても検査すらしてもらえない。どうすればいいだろうか」という相談の手紙が来ました。
病気は重くなっているようで、一刻も早い治療が必要な状況でした。

この件については、受刑先の刑務所の近くにある弁護士会の人権擁護委員会というところに「人権救済申立」を行って、自分が置かれている状況とどうしてほしいかを訴えるといいですよ、とアドバイスすることくらいしか、私にはできませんでした。

その後、どうなったのか気になっていたら、服役を終えたその方から、お電話を頂きました。
結局、人権救済申立をした弁護士会から刑務所に対して、検査や治療を行うよう勧告が出され、検査を実施してもらえたということでした(勧告までに時間がかかってしまったので、検査終了直後に出所となったようです。調査には時間を要するので、やむを得ません)。

私は未熟者で、被疑者被告人の方と言い争いになることも、ごくたまにですが、ありますし、自分がやろうとしたことをご本人や身内の方に納得してもらえずに、関係が気まずくなるなどということも今までに経験してきました。

そういうことを経験するたびに、自分には刑事弁護なんて向いていないんじゃないかなと、ドツボにはまって落ち込んだりするのですが、いただいたお手紙や連絡のことなんかを思い出すと、また頑張るかな、なんて単純に回復するのです。

当たり前のことですが、どんな事件でも、担当した方が納得して喜んでくれるのが一番なんだな、と思う日々だったりします(難しいことなんですけどね)。


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# by terarinterarin | 2014-06-11 19:25 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


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