珈琲とお茶と法律事務所

自慢しますが、うちの事務所は、コーヒーがうまいです。

小田原市の「カフェ空」というお店の豆をわざわざ取り寄せて使っています。
ドリップするときには、水道水ではなく、ミネラルウオーターを使っています。

この珈琲、弁護士と事務局のみで楽しんでいるわけではありません(まして、いい豆を買うために相談料や弁護士費用をボッているわけでもありません!!)。

法律相談にいらした方、打ち合わせにいらした依頼者の方、その他当事務所においでになったお客様にお出ししています。

しかも、うちの事務所は、うまい珈琲をお出ししているだけではありません。
珈琲(ホット、アイス)、紅茶(同)、緑茶(同)、ミネラルウォーターを取り揃えており、お客様に飲みたいものを選んでいただけるようになっています(注:土日には、おいしい珈琲や紅茶を淹れることについて無能な弁護士しかいなくなるため、選択肢が限られることとなります。ご容赦ください)。

法テラスをやめるとき、代表の川浪さんに「うちの事務所に来ませんか?」と誘ってもらって、「じゃ、そうさせてもらおうかな」と決めた理由の1つ(しかも、結構大きな理由)が、実は、この「珈琲とお茶」のことでした。

前の勤め先、法テラスは、弁護士も事務局も、日本司法支援センターから給与をもらっていました。
事務所を運営する経費も、日本司法支援センターから、各事務所に支出されていました。
税金なんだから当たり前、と言われるかもしれませんが、使途は厳格に管理されており、この中から「打ち合わせのためのお茶代」を出すことはできませんでした。

ですから、事務所に来る方にお茶などをお出しする場合には、法律事務所のスタッフが何とかするしかありませんでした。

法テラス愛知で働いていたとき、私のもとにいた事務局の女性は、とても気が利く方でした。
自宅で使っているお茶の葉を時折持ってきて、お客様用にしてくれていました(私もごくたま~にティーパックとか持っていきましたけど、彼女とは対照的な、気の利かない弁護士でした)。

法テラス東京は、お客様にお茶を出していませんでした。
別にこれについて、誰が悪いとか彼が悪いとが糾弾するつもりは全くありません。
ただ、「事務所経費からお茶代が出していい」ということになっていれば、東京でもお客様にお茶を出す慣例が定着したと考えています。

日本司法支援センターの本部が同じ都内にあった分、法律事務所のお金の使い道については、びっくりするくらいお目付けが厳しかったのです(本来正当に認められるべき経費まで管理されており、弁護士として十分な活動が妨げられる事態もあったほどです)。
経費の使い道について、疑われるようなことは一切できませんでした。
自分たちでお茶代をカンパしてお客様に出そうと弁護士同士でコミュニケーションを図るのも、難しい状況でした。

事務所にいらっしゃる方にお茶も出せない、というのが、私は嫌で嫌でたまりませんでした。
前にもお話ししましたが、法テラスの法律事務所で受けるのは、経済的に苦しい方の事件が中心です。
「貧乏な人の事件を安く受けてあげるんだから、お茶なんか出さないでいい」と言っているかのように思えてならなかったのです。

法テラス時代に川浪さんとは事件で関わることが何度かあり、事務所にも数回来ていました。
初めて事務所に来て、「何を飲まれますか?」と相談室でメニュー表を見せてもらった時、「うぉー、なんて素敵なシステムなんだ!!」と感激してしまいました。
事務所に来るどんな人にも気遣いができる、そんな事務所なんだな、と、単純な私は思い、それでお誘いに乗ってしまった、というわけです。

来所する方にお出しするお茶代は、間違いなく、必要経費です。
お茶ひとつで、話の進み方が全然違う。私はそう思います。

法律事務所なんぞに来る方は、気持ちが沈んでいる場合も多いですし、弁護士なんていう胡散臭い人間に金をボられるんじゃないかとか、どんなこと言われるんだろうかとかが気になって、そわそわドキドキしているものです。

そんな中、おいしいお茶や珈琲で、ほっと一息ついてもらえれば、多少なりとも緊張はほぐれます(手を付けないお客様には、「どうぞ」とお勧めするときもあります)。色々とお話ししてくれるようになることは、間違いありません。
話も弾みます(まあ、内容にもよりますが…)。

繰り返しますが、うちの事務所の珈琲は、うまいです。
別に珈琲でお客をつろう、というわけではないので、その辺は誤解なきよう(私はある意味つられましたが)…








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by terarinterarin | 2014-06-05 19:09 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。ウェブサイト https://attorneyterabayashi.simdif.com  「弁護士テラバヤシ」でツイッターもやっています。


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