都議会セクハラヤジ事件について思ふこと。
2014年 06月 23日
セクハラに関する相談は、今までに何度も受けていますし、実際に訴訟をしたこともあります。
身近でそういう問題が起こったこともありました。
個人的に、セクハラは、①エロおやじ系と②人格否定系に分けられると思っています。
エロおやじ系というのは、職場で特定の女子に対して卑猥な言葉を投げかけたり、ボディタッチなどなどしたり、夜のお供を強要したり、というものです。
人格否定系は、結婚適齢期的な立ち位置や、それを過ぎた立ち位置の独身女性に対して、未婚であることをもって女として失格、みたいな趣旨の発言をするタイプのセクハラです。
今まで私が相談を受けたり受任したりした件は、全てエロおやじ系です。身近で起こったものは、どちらかというと人格否定系だったと思います。が、昨今のセクハラとして、後者は、あまり件数が多くないのかな、という印象なのです(もちろん個人的な印象なので、もっとこの手のヘビーな案件をたくさんやってらっしゃる弁護士からすると、違うという印象があるかもしれません)。
要は、エロおやじ系というのは、「エロい」という悲しいその男性のサガに基づいて発生してしまうセクハラなので、ある程度、教育的に抑えられる可能性はあるにせよ、普遍的に一定数発生してしまうものといえるように思うのです。
が、人格否定系は、要は、思想の問題。
世の中の「男女平等」「男女共同参画」みたいな機運の高まりが徐々に徐々に進んでいくにしたがって、「女は結婚して子供産んでりゃいいんだ」みたいな思想は誤りである、あるいは個人的にはそう思わないでもないんだけど、正面切っていっちゃまずいでしょという啓蒙がなされていけば、自然、減少・消滅するタイプのセクハラ、ではないかと思うのであります。
つまり、何が言いたいかというと、今回のこのヤジ、昭和の時代の中小企業かなんかで、仕事終わりに社内で適齢期の事務の女の子につまみ出してもらって、軽く一杯やってた課長とか部長とか、その辺のおじさんが、「○○ちゃ~ん、そろそろ結婚しないと~。いい人いないの~?」ぐらいなノリを引きずってるヤジだよな…と、いうことです。
今のこの時代に、欧米は男女平等とか女性の権利とかそんなものはあったりまえの話で、セクシャルマイノリティの権利保護というその先の問題の解決にもうとっくに取り組んでいるというこの時代に、ですよ。日本の首都東京都議会で、昭和のおっちゃん引きずったヤジが出てくるというこの事態。
一体、今まで私たち、何やってきたのかしら?とすべての土台を崩されたかのような脱力感を感じてしまうのであります。
ところで、このヤジを飛ばした人間を処分してほしいという要請に、「人物が特定できないから」という理由で受理がされなかったという話ですが、特定なんて簡単でしょ。というか、もうできてるでしょ。
自民党も、何白々しく、一人一人都議会議員をしらみつぶしに事情聴取とかやってるんだか…
隣で聞いてた人、前後ろで聞いてた人、告げ口しましょう、堂々と。
というか、あんなに堂々とヤジ飛ばしたぐらいなんだから、言った張本人、でてこいや!!(高田総統風)

