弁護士と夏休み。

7月も中盤に入り、世間はあと少しで夏休み!!という季節に入ります。

この世間的な夏休みの季節、裁判所には「休廷期間」というものがあって、7月下旬ころから8月いっぱいくらいまで、どこも(地裁刑事の勾留部や事件の受付などは別として)3週間ほど法廷を開かない期間があります。
まるまる裁判官が3週間休んでいるというわけではなく、この間に裁判官も含め裁判所の職員が交代で夏休みをとる期間のようです。

休廷期間中は裁判所に出向く仕事は基本的に入らない…ということになるので、弁護士もヒマ⇒夏休みとりたい放題、遊び放題と思われるかもしれませんが、そういうことでもありません。

まず、裁判所がお休みでも、世の中のトラブルはそんなものお構いなしです。
相談や依頼がこの間お休みということはありません(もちろん常に開店休業状態ということも…なくはないでしょうが)。

そして、裁判所が開かない時期を狙って、弁護士会の行事というのが、自分の印象では「ドバドバ」入ります。
それでも、普通はお盆の中日近辺(8月12,3日ころから15,6日ころ)くらいは、回避するというのがお約束なのかなあと思わなくもありません。

なぜなら、日本の多くの家は、お葬式や故人を偲ぶ方法として仏教を信仰しており、そうするとお盆には「ご先祖様のお墓参り」という行事がついて回ることが多いからです。そして、これも不思議な日本の慣習なのかもしれませんが、この「ご先祖様のお墓参り」という行事は、割と社会的に優先順位を高く設定してもらえる私的行事、なのではないかと思うのです。

皆さんの中には、実家からあまり遠くないところに住んでいる、墓参りやその後の親族との会食くらいなら、日帰りで十分という方も少なくないでしょう。
が、テラバヤシの実家は、北海道は札幌でございます。
母方の祖母は私の実家に住んでおり、私が弁護士になった年の7月に実家近くの病院で息を引き取りました。葬式は実家から出しました。
今は、元々の故郷がある遠方の墓地に葬られており、墓参りに行くということもそうそうないのですが、それでもお盆時期、それなりに神妙な気持ちで祖母の写真の前にお供えをしたり、それなりの儀式をして偲ぶ…ということを、実家では今でもやっているようです。

「やっているようです」というのは、お盆ど真ん中の時期に、テラバヤシは帰省できないので、伝え聞くところによると、という意味です。
なぜ帰省できないか。
このお盆ど真ん中の時期、日弁連の刑弁センター法廷小技術委員会が主催する実演型法廷技術研修3日間コース、が行われるからです。
テラバヤシは講師としてこの研修に参加するのです。

この研修、昨年初めて行われ、今年は2回目の開催となります。
昨年、この時期に設定することについて、メンバーから「お墓参りが…」という極めて遠慮がちな日程変更の暗示的要求がなされたのですが、座長の某T氏(先ごろ引退したとある映画監督にクリソツ)から、「お盆には、ご先祖様はお墓にいない!!」と一刀両断にされ、この時期に設定されて今年もそれが維持されました。

この行事が終わると、晴れて夏休みが取れるのかというとそうでもありません。
今度は、8月20日と21日に東京の3つの弁護士会が共同で主催する法廷技術研修があり、そこでも講師をすることになっています。
この研修は毎年休廷期間を利用して地裁の法廷をお借りして行われる非常に貴重なもので、テラバヤシも楽しみにしている研修のひとつです(なにしろ他人の実演を裁判員の席に実際に座って見られるのですから、実務的な感覚が養われること間違いありません!!)。

今回のこの投稿、何が言いたいか。
「お盆に帰省できないよ、ちくしょー」という苦情を申し上げたいわけではありません。
裁判員裁判でも弁護士の主張はわかりにくいなどと言われている現状や、弁護士に胡散臭げな印象をお持ちの方が少なくない昨今ではありますが、夏休みを返上して研鑽を積もうとしている弁護士も、少なからず(たくさん?)いるのですよ、ということを一番に申し上げたかった…のです、たぶん。





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Commented by ぽえ at 2014-07-13 19:10 x
ある裁判の最終陳述での寺林先生の「最高のプレゼントをありがとう」
という言葉が印象的でした
Commented by terarinterarin at 2014-07-18 14:35
ありがとうございます!
by terarinterarin | 2014-07-13 18:19 | Comments(2)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。ウェブサイト https://attorneyterabayashi.simdif.com  「弁護士テラバヤシ」でツイッターもやっています。


by terarinterarin