おひとり様弁護士と、体調不良。

すっかりご無沙汰してしまいました。

前回投稿が1月10日。1か月以上空いてしまいました。

前回投稿後、2度の体調不良に見舞われておりました。
1度目は、前回投稿直後の日曜日。恐ろしいほどの倦怠感と発熱に襲われました。熱自体は1日で下がったのですが、その後、胃腸の調子が悪くなりました。
休日に具合が悪くなったので救急医に行ったところ、休みが明けたらかかりつけ医に行くようにと言われました。
元々、胃腸は、昨年の6月にウィルス性の胃腸炎をやった後も調子が悪く、かかりつけ医から、逆流性食道炎・過敏性腸症候群との診断を受けていました。
また悪化するかと思い、休日明けそそくさとかかりつけ医に行ったところ、ちょうどインフルエンザや風邪の患者であふれかえっていて機嫌が悪かったのか、「こんなことでいちいち来るな」と言わんばかりに、「調子悪かったら薬増やしていいって言ったよねえ」と怒られ、「お腹にガスたまってるよね。お腹すいてないよね。食べなくていいから」などと吐き捨てるように言われて帰ってきました。

それから、食べることに恐怖心を覚えるようになりました。
食べるとまた具合が悪くなるんじゃないだろうか。また熱が出るんじゃないだろうか。そう思うと、肉や魚を食べることがなかなかできませんでした。
お粥やうどんやおとうふや、そんなものばかり食べていました。
体重は、どんどん落ちていきました。

そうこうしているうちに、1月20日過ぎに、また倒れてしまいました。ちょうど沼津で法廷技術研修の講師をやっている最中。2日目の午後から発熱しました。
研修自体は乗り切りましたが、帰りの新幹線ではずっと寝たきり。自宅に帰ってもコーンスープ1杯しか飲めず、後はひたすら寝るしかありませんでした。
これも熱自体は翌日下がりましたが、その後もふらふら。体に力が全く入りません。
「食べてなくて抵抗力が落ちていたため」の発病(単なる風邪のようでしたが)は明らかでした。

「きちんと食べないと、また倒れる」と思い始め、少しずつ食事の量や栄養価の高そうなおかずを増やすようになりました。
それでも、「食べるとまた具合が悪くなるんじゃないか」という恐怖心はなかなかぬぐえませんでした。
一方で、事務所への往復だけで疲れる。法律相談1つ、期日1つで、はあはあ言う、という、自分でも驚くほどの疲れやすさに、何とかしなくちゃ、と気持ちばかりが焦りました。
何も用事がない日は、自宅で休息しながら起案して、体力温存。週末をはさんで3日間どこにも出かけない、ということもありました。このまま引きこもりになったりして…などと思うこともありました。

体調不良の後半部分は、精神的な不安に負うところが極めて大きく、そのことも自分でなんとなくわかっていました。
で、思い切って以前から仕事で知っていた心療内科の先生に相談しに行きました。

胃腸の疾患は心的なものが原因。
だからといって、病気じゃないわけではない。
根本的に治すには環境変えなきゃいけないけど、そんなことは到底無理。
だから、付き合っていくことを考えよう。

そのあと、先生はこうおっしゃいました。
「痛くなったら、その時考えればいいじゃない。好きなもの食べようよ」

この言葉は、私を救ってくれる一言でした。
気持ちに張り巡らされていたバリアが、一気にはがれた思いがしました。
今でも、食べることに躊躇することはありますし、揚げ物なんかはまだハードルが高くてトライできません。でも、随分と楽に食べられるようになり、普通に外出もできるようになってきました(まだかなり疲れやすいですが)。

弁護士になって、ここまでずるずると体調不良が長引くのは初めてです。
そうなって、初めて気づいたこと、感じたことがありました。

今振り返ってみると、一番食べれなかった時期、自分は摂食障害の入り口に立っていたようにも思えます。
が、そのときは、全く気が付いていませんでした。「体調的に食べてはいけないから食べていない」としか思っていませんでした。
人は、追い込まれれば追い込まれるほど自分のことが見えなくなってしまう、ということを身をもって体験したように思いました。
特に、私たちのように、普段「頼りにされる」立場?に立つことが多い人間は、どうしても自分を奮い立たせることが多いため、弱っている自分を認められない傾向にあるように思います。
あるいは「弱っちゃいかんのだ」と自己暗示にかけて、本来の自分を冷静に眺められない危険が結構高いように思います。
孤独になることは、外側からそのことに気づかせてもらえる機会もなくなることを意味するので、「おひとり様」で仕事をしている人間にとっては、とても危険だと思いました。

私がこのような状況に陥った一因には、おそらく元かかりつけ医(もうそこの医者には行っていない)の一言が挙げられると確信しています。
この医師は、普段はフランクでよく話を聞いてくれる先生でした。信頼していただけに、先に書いた言葉は、私に大きなショックを与えたように思います。

医師は人の命を預かる職業ですが、弁護士も、人の人生や会社の運命や、時には人の命を預かってしまう場合がある点で、非常に似通っている側面があります。
相談に来るのは、ある意味「弱っている人々」です。
弱っている人々をさらに弱らせるのは、簡単です。再起不能にしてしまうことも、それほど難しいことではないように思います。
あの医師は、あの言葉を何の気なしに発したのだと思います。その何の気なしに発する言葉が、患者や相談者に与える負のインパクトは、時として絶大です。
そのことを、弁護士は、肝に銘じていかねばならんのだと思いました。

そして、おひとり様弁護士としては、体調不良に備えて、自宅である程度お仕事ができる準備をしておくことが必要であるということも痛感しました。
寺林は、電話とFAXの転送は導入していましたが、自宅にプリンタも固定電話もFAXもないという状況でした。

今回、困りに困ってefaxを導入しました。かなり役に立ちました。
いざとなれば、プリントアウトやコピーに関しては、自宅から数十メートルのところにあるコンビニで何とかなりますが、この際、モバイルのプリンター(スキャナー付き)を買おうかなと考えているところです。

しかし、何より必要なのは健康な体。
とはいえ、子供のころから健康絶好調だった記憶がない寺林としては、もはや「細く長く」を選択する人生しかありません。
今回の2回ぶっ倒れちゃった件を教訓に、自分のおひとり様としての仕事のスタイルを、ぼちぼち固めていければなあ、などと思っております。









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Commented by ゆう at 2015-02-12 21:35 x
はじめまして!
すごく心に響きました。自分もいつか、士業として一人でやっていくために、今いろいろと勉強中ですが、実務だけではなく、士業としての心構えもすごく大事なのだと、改めて考えさせられました。ありがとうございます!

ともえ先生、まだまだ寒いですので、暖かくして、ご無理なさらないで下さいね。
突然のコメント、失礼いたしました。
Commented by 公文孝佳 at 2015-02-13 00:26 x
「また症状がぶり返したら…」という恐怖心との戦いと良い医師との邂逅は僕も経験したことがあります。(僕の場合は怪我でしたが)またアトピー持ちでもある僕は,信頼できる医師と話すことで症状が軽快するという経験もしょっちゅうです。だから,寺林先生の体験は非常に共感できるものです。何卒,ご自愛のうえ,徐々に健康を取り戻してください。
Commented by terarinterarin at 2015-02-15 16:58
ゆうさん

コメントありがとうございました。
士業の仕事は何でもそうなのかもしれませんが、日常生活から気づかされることも多いように思います。
お勉強大変だと思いますが、体に気を付けて頑張ってください。
Commented by terarinterarin at 2015-02-15 16:59
公文さん

コメントありがとうございました。
年を取ると回復が遅くなりますねえ…
気持ちは(自覚している範囲では)元気です。
公文さんもどうかご自愛なさってください。
by terarinterarin | 2015-02-12 21:03 | Comments(4)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。ウェブサイト https://attorneyterabayashi.simdif.com  「弁護士テラバヤシ」でツイッターもやっています。


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