神社が好きだし、韓流は苦手だけど、集団的自衛権には反対だぜ。

7月16日に安保関連法案が衆議院で強行採決されて、議論の舞台が参議院に移ることになりました。
FBやツイッターなどのSNS上では、それ以前に比べて、現在安保関連法案の話題は、若干減少気味かなという感じです。
報道各社の世論調査を見ると、法案に対しては60パーセント以上が反対であり、安倍政権に対する支持率も軒並み30%台に落ち込んでいる。

コアな反対派の中には、これでさらなる盛り上がりを!!廃案を!!と勢いづいている人もいるでしょう。
が、ちょっと待て。そううまくは行かない。とテラバヤシは思うのであります(いや、大抵の人がそう思っているんだと思いますが)。

日程や議席数考えると、もう、ここで勝負決まっちゃたんでしょとあきらめている方が、何割か。
連日流れてくる反対派の濃ゆいメッセージや記事のシェアの食傷気味になり、「いやもう、どっちでもいいす」と引いてしまわれる方が、何割か。
意見表明したり、関わることによって「サヨク」のレッテル張りをされるんじゃないかと恐れる方が、何割か。
「反対だったら集会に行け。デモに行け」と目に見えないプレッシャーをかけられているような気がして、「それはちょっと」と関与をやめてしまう方も、何割か。

そして、これらの分類は、別にそれ自体一個一個独立したものではなく、いくつかのカテゴリーに重複して当てはまる方もいらっしゃると思われます。
で、こういう人がどんどんどんどん増えていくにしたがって、反対派の割合はどんどん落ち込んでいき、7月15日16日直前直後のような盛り上がりがどんどん失われてしまいかねないわけです。
今の状況が続くのであれば、参議院で与党議員の造反で否決、さらに衆議院に再回付された後も与党議員の造反でやはり否決という状況も見込めなくはない。
安倍さんやヒゲの隊長さんがテレビに出て、ずっこけるばかりの不始末をやらかしてくれている現状も、さらに反対を唱えている人間にとっては、好都合。

しかし、それもこれも、反対派の勢いが下火になってしまえば、全ておじゃんなのです。
だって、確固たるポリシーで動いている人間なんて、コアな反対派が思っているより、たぶん全然少ないはずですから。
政治家(特に与党の人間)の多くは、どっちにつけば今有利かで考えている。
世論調査に「反対」と答える人の何割かは、今の時勢の「空気感」でそう言っているだろうし、なんとなく「戦争になるのは嫌だなあ」みたいな感じで回答している人も少なくないはず。

この問題は、「反対派」対「賛成派」の戦いになってしまっているのですから、「反対派」が今の勢力を維持するには、「反対を唱えている限り、コアでいろ」みたいな圧迫感を出すのは得策ではないと思うのです。

と、こういう書き方をすると、非常に戦略的でいやらしい印象を与えてしまうかもしれませんが、言いたいことの本質はそういうところじゃないんだな。

安保関連法案に反対する人は、個人の命や個人の自由を尊重する社会を念頭に置いているわけでしょう。
そうであれば、「反対」という意見表明を表立ってするかしないか、するとしてどういう形でするかということは、個々人の自由に委ねるべきであり、「反対」という意思の中に含まれる多様性も認めるべきではないかと思うのです。

あと、明確な意思表示をしていない人について、言葉尻をとらえて「賛成派」「ネトウヨ」と決めつけて、中身のない糾弾をするようなことは絶対してはいけない。
そういうやり方は、何でもかんでも「サヨク」「ザイニチ」「キョウサントウ」などとレッテル張りするネトウヨの言動そのもの。
よって立つアイデンティティが違うだけで、一皮むけば本質は同じということになります。

全然他人を尊重していない。
嫌悪、嘲笑の対象になります。
誰もついてこなくなるのだ。

なんというか、安保関連法案に反対という立場を表明することは、「サヨク」にならねばならんことだと思っている人もいるんじゃないだろうか。
中国とか韓国とかを好きになれ。
神社はどこも靖国神社と一緒。神道を忌み嫌え。
デモや街宣に参加しろ。
安倍政権やネトウヨの悪口をふりまけ。
みたいなミスリードになってやしないのか、いや、そういう恐怖心を何がしか生み出しているのは、ほぼ間違いないんじゃないかと思います。

だって、テラバヤシだって、媒体によっては、若干引きますもん。
FBで参加していたとある反対派のグループは、つい先日やめましたし。
書き込みが、なんか個人を揶揄するものばかりで嫌悪感を抱いたので。

この際だからカミングアウトします。

テラバヤシの実家には、神棚があり、父は月初めや何らかの行事、祝事、お願いごと、年末年始に合わせてきれいに神棚を整え、お供え物をする人です。
テラバヤシも、神社は大好きで、地元に帰れば北海道神宮に行きますし、自宅の近所の神社にも時折お参りに行きます。
伊勢神宮が大好きですし、今年の3月に妹と広島旅行に行った際には、2日連続安芸の宮島をエンジョイしました。
御朱印帳も持っています。
(なお、神社好きの立場から言わせていただくと、靖国神社には荘厳さやありがたみを感じさせるオーラは全くありません。バチ当たったりして。)

中国で開催されたサッカーアジアカップで、中国サポーターの激烈な「アンチジャパン」の様子を見て、一時期中国の人たちが怖くなったことがあります。
整形美人整形美男子がグループ作って歌い踊るK-popなんて、どれもこれもてんで見分けがつかないし、なにがいいのかさっぱりわかりません。
韓流ドラマなんて、どのポスターも同じに見えるし、たまにあらすじを読んでも何が違うかさっぱりわからん。何でもかんでもストーリーが濃いし。
つけっぱなしのテレビで入ることがあれば、即座にチャンネルを回します。

SEALDsの活動は素晴らしいと思うし、拍手を送りたいと思います。
しかし、一方で、SEALDsが英雄・カリスマと祭り上げられる現象自体は、冷静に観察したいというのが本音です(もちろん、こういう異常事態において1つの立場の求心力を高めるためには、象徴的な存在が必要だとは思います)。
テラバヤシは、へそ曲がりで、熱狂的な何かというものからは、常にある程度の距離を置きたいのです。本能的に、危険な香りを感じるのです(要は苦手ということなんでしょう)。

でも、今回の集団的自衛権を認める一連の安保関連法案には、大大大大大反対なんだよ。
こういう反対派も、反対派なんだよ。

テラバヤシ自身も、今まで、「この動きを止めなければ!!」という一心で、「もちっとゆるくやりたい」という人に対してFB上で圧迫感のある書き込み等々をしていたと思います。
その点は反省し、書き込みの仕方、頻度などに配慮したいと考えてます(それでもどうしても嫌だという人は、遠慮しないでブロック、非表示にしてくださって結構です)。

色んな人が色んな思いで抱く「反対」という気持ち。
これをそっと尊重できることが、たぶん「反対派」の一番の強みになるんじゃないかと思います。












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Commented by 「回す」派の尊厳 at 2015-07-24 23:17 x
登場人物の女の子の気持ちの高鳴りにリンクするように、
切ない音楽が流れる。。
それにおばちゃん達が同調する。。
しかし同調を嫌う方は即座にチャンネルを回す。。
それもまた摂理。

先生は法案のどのあたりに問題があるとお考えですか?
Commented by terarinterarin at 2015-07-26 17:03
> 「回す」派の尊厳さん

コメントをありがとうございます。
今回の法案の問題点は、大きく分けて3点あると思います(現行憲法下で、という意味です)。
ひとつは、そもそも「集団的自衛権の行使」というものは、現行憲法下では認められないということです。
集団的自衛権とは「自国ではなく同盟関係にある他国が攻撃を受けただけで、武力行使できる」というものです。
日本国憲法は、一定要件下での個別的自衛権については認めているというのが現在の一般的解釈ですし、私自身もその立場に立ちますが、そこで前提とされている「自衛」の範囲は、あくまで「日本自体が攻撃にさらされたとき」を意味しています。
この見解を前提とすると、上記のような集団的自衛権の行使は、現行憲法下では認められないだろうと考えています。

ただ、この点については、現在「他の考え方もありうるのではないか」という気も多少しています。
軍事力の高さ低さ、該当国家が属する同盟や地域と相手国との関係性という点などを考慮した場合に、その国家の存立を維持するという最低限の目的を達するために集団的自衛権の行使が必要不可欠な場合も、一般的にはありうると考えております。
そういう一般論を前提として、日本国憲法の解釈上、集団的自衛権の行使が許容される余地が本当にないのか、ということは、一応検討すべき課題ではないかと思います。

しかし、いずれにせよ、第2の点から、今回の法案による集団的自衛権の行使は、日本国憲法下では認められないと考えております。

その2つ目ですが、今回の法案で手段的自衛権を行使できるとされている要件が、条文上常にあいまいであり、結局は時の権力者の意向次第で、「集団的自衛権」という名の下で、侵略戦争を行うことができるという点です。
今回の法案には「存立危機事態」「武力攻撃事態」など、それ自体がどんな事態を指すのかわからない抽象的文言で、集団的自衛権行使の要件が定められています。
つまり、この解釈を広くとるか狭くとるかで、どんな事態において集団的自衛権を行使できるのかが決まるわけです。
恣意的に広い解釈をとることも可能なわけですから、そうすると、本来は侵略戦争としか言いようがない事態に、集団的自衛権を行使される懸念が高いといえます。

3つ目ですが、米国との二国間条約という点も問題かと思います。
例えば、中南米や、東南アジア南アジア地域な
Commented by 「回す」派の尊厳 at 2015-07-28 00:29 x
(1)実力行使と憲法との整合性についての説明は十分か?
(2)整合性をクリアしたとしても、行使要件は十分に明確か?
(3)他国従属的に実力部隊を海外に派遣するのは国家にとり合理的か?
というテストをしていったとき、
仮に(1)をクリアできるとしても、
(2)(3)について説明不十分、ないし要件について異議あり
ってカンジですかね。

特に、法案の何条何項に問題がある、というのはなくて、あるとしても適用違憲のおそれ、という感じですか。地域な
Commented by terarinterarin at 2015-08-02 16:37
> 「回す」派の尊厳さん

コメントありがとうございます。
ご指摘の問題のうち、(3)は原則的には法的問題ではなく政治的問題だと思います。
ただ、「他国従属的」の具体的な内容によっては、政策的な裁量を超えて、やはい憲法違反の問題が生じることになります。
個人的には、適用意見ではなく法令違憲だと考えます。
すくなくとも、内容が不明確な抽象的要件のみを定めている点で違憲の法令です。
by terarinterarin | 2015-07-20 21:44 | Comments(4)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。ウェブサイト https://attorneyterabayashi.simdif.com  「弁護士テラバヤシ」でツイッターもやっています。


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