弁護士テラバヤシの三種の神器?
2015年 12月 28日
私の御用も納まったはずです(とりあえず裁判所からの連絡はもう来ないだろう、しばらく)。
先日、今年最後になりそうな投稿です、とか書きましたけど、もうひとつ投稿することにしてみました。
ありがたいことに?12月は、様々な意味において大忙しでした。
日曜日に(アマゾンで買った荷物を引き取るために待機を強いられて)自宅で起案、その日のうちに裁判所に送付せねばならないということがありました。
そして、ちょいと事情があって(仕事もかねて)クリスマスイブの夕方には、札幌に帰省しました。
イブの午前は、東京家裁にいて、手続終了後に、別な裁判所から連絡が入り、書面を1つ郵送しなければならなくなりました。できる限り早く。
そして、帰省してからは、12月に申し立てた調停や申立書の期日がどんどん指定され、受書を送る羽目になりました。
ここで威力を発揮したものが3つありました。
カムスキャナー。
ネットプリント。
インターネットFAX。
もちろん、スマートフォンないしPCが手元にあることが前提条件となります。
カムスキャナー。
知らない人のために若干解説しますと、スマホアプリの1つで、これで文書を写真撮影するとPDFファイルに変換して連携したクラウドサービスに保存したり、メールでそのまま送ったりできる機能を持っています。
そして、ネットプリント。これは同業であれば知っている人が多いと思うのですが、各コンビニエンスストアの複合機で、事前にネット上で登録した書類をプリントアウトできるサービス。1枚20円で、セブンイレブン系とその他のコンビニ系(ローソン、ファミマ、サークルK、サンクス)のサービスに分かれています。
例えば、刑事弁護の世界では、逮捕直後の初回接見の後に勾留却下するよう意見書を作成し急ぎ提出する際によく使われています。
インターネットFAXも既によく知られたサービス。
メールアドレスに送信先の電話番号を組み込んだアドレスを入力し、送付したい書面を添付ファイルにして普通にメール送信すれば、FAXが送れるものです。定額制で決められた枚数を送れます(テラバヤシが利用しているのは送受信1500枚までで月1500円+消費税)。
自宅にはプリンターがありません。
自宅待機しつつ書面作成、郵送しなければならなかった日曜日。作成した書面は、ネットプリントを利用して、徒歩2分のコンビニで受け取り、職印を押した後、カムスキャナーでデータに取り込んでクラウドに保存。その後封筒に入れて徒歩1分のポストに投函してミッションを無事に完了しました。
イブの日は、地裁の弁護士待合でおにぎり食べつつ、書面作成。裁判所地下のファミマのネットプリントでプリントアウトした後、同じく裁判所地下の郵便局でレターパック360を購入。そのまま中身をつめて郵送完了しました。
そして、帰省後の期日受書攻撃。裁判所名や当事者名を手書きで書ける期日受書ひな型を作成して、それを必要な分、実家近くのローソンでプリントアウト。自宅で空欄を埋めて職印を押しまくって、カムスキャナーを利用してデータを取り込み、インターネットファックスですべてFAX送信。
後回しにすると出すのを忘れがちな期日受書の送信を完了することに成功したのでした。
個人的に、必要な連絡をできる限り迅速に行うことは、対依頼者との関係だけでなく対裁判所との関係でも信頼を得るために必要なことだと考えています。たかが期日受書かもしれませんが、可能な限り早く送りたかったので、テクを多用しました(書記官の皆さん、たまに連絡が遅くなるのはお許しください→予防線)。
複合機完備の事務所で仕事をするのと比べて、結構ドタバタするのは否めません。
が、この3つ+パソコンないしスマホがあれば、出先で最低限の事務処理は何とか出来てしまう。
何とも恐ろしい世の中です。
その昔、ポケベルや携帯電話ができたとき、世の営業職のおじ様たちは、ちょっとした隙間に喫茶店やパチンコ屋でさぼれなくなったと嘆いておりました。
そう、こういうものをそろえてしまうと、帰省しても仕事ができてしまうので、やってしまうことになるわけです(ただ、ある程度やりきることができれば、その後ほっとしてお休みできるというメリットもあります。私のような小心者は、細かい仕事でも完了できずに休んでしまうと、気になって却って休めなくなってしまうので)。
こんなことができてしまうと、ほぼ完璧に「ノマド弁護士」が可能になってしまいます。
が、ネットプリントでプリントアウトする書面は往々にして事件に関するものが多くなることは間違いないので、書面の取り忘れにはもちろん注意しなければなりませんし、プリントアウト中、プリントしたものを取り出してしまう場合には、他の客に書面を見られないようあたりにかなり気を配らねばならないこともまた事実です。
急を要するときに利用は限るべきで、多用がまずいことは間違いないでしょう。
なお、個人的には最近はセブンイレブン系よりはそれ以外系のネットプリントのほうが便利だと思っています。
なぜなら、プリントアウトしたいページを指定できるからです。
ただ、セキュリティという点では、書面ごとに番号が変わるセブンイレブンの方が優れていると思います。
さらに、カムスキャナーでPDF化した書面は、普通のPDF書面よりもデータが重いので、カムスキャナーでデータ化した書面を添付ファイルで送ったりするときには、枚数が多いと、送信先の環境によっては受信できないことも少なくありません。
インターネットFAXも同じで、送る書面のデータ量があまりに多いときは、送るのにものすごく時間がかかったり、場合によっては遅れないこともあります。
要は、3種の神器とはいえ、いずれも「ちょこっと使い」「緊急使い」用のアイテムということを忘れてはならんということです。
とはいえ、事務員を置かないお一人様事務所、かつ出歩くことの多いノマド弁護士にとっては、これらのアイテムを使いこなすことで、仕事の効率が上がること、事務処理のための無駄な移動、無駄な時間を節約できることは間違いありません。
事務員がいない分は、アイテムと工夫で切り抜ける。
来年もおひとり様で切り抜ける予定のテラバヤシとしては、様々なアイテムを活用して、事務員がいないハンデ?を埋めていこうと思います。
ではでは。皆さま、よいお年を。

