不倫とLINEの関係に関する一考察。
2016年 01月 24日
ベッキーとゲスの極みさんの不倫報道は、LINEのトークの流出から始まり、なんとLINE第二弾まで公開されてしまいました。
テラバヤシ、第一弾の方はきちんと見ていないのですが、第二弾の方はしっかり目にしました。
目にして、「はははは~」と思わず笑ってしまいました。
「不貞を理由とする離婚」「不貞を理由とする慰謝料請求」などのご相談で、証拠として見せてもらうLINEのやりとりと、そのテンションというか盛り上がり方というか「周りの見えてなさ」の雰囲気が、あまりにも似通っていたものですから…
不倫トラブルやその他男女トラブルで、最近、証拠として、LINEでのやりとりをお持ちになる方は、かなり多いです。
世代的には、20代から40代の方の相談が多いので、そうなるのも同業者の皆さん、うなずけるのではないかと。
なぜか、LINEなのです。
もちろん、LINEオンリーということはありません。
普通にメールのやり取りもあります。
しかし、いわゆるチャット的な機能のものの中では、ダントツでLINEなのです。
フェイスブックのメッセンジャーを持ってきた方には会ったことがありません。
ショートメールの人もごくわずか。
そして、LINEで繰り広げられる男女の会話は、不倫のラブラブカップルの場合、押しなべて、「二人の世界に没頭している」感にあふれまくっており、一見して親密度合いがありありと伝わってくるのであります…
そして、例えば電話の受発信履歴は消しているのに、なぜかLINEは消してないとか、そういうケースもちらほらあったりするのです。
なぜなんだろうか。LINEには、不倫カップルに周りを見えなくさせる魔力があるのだろうか。
あの一流芸能人のはずだったベッキーでさえ(もし、あのLINEが本物だったとしたらという仮定に立ちますが)、あんな「えー?それ文字に残しちゃうんだ」というメッセージを残す心理状態にさせてしまったのですから。
テラバヤシもLINEには登録しています。
でも、LINEでのやり取りをするのは、ごく限られた、ごくごく親しい人のみ。しかも、やり取りは毎日ではなく、ごくたまに、という感じです。
ですが、そのごく限られた人々とのLINEでの過去のやり取りを見て、気が付いたことがありました。
まず、LINEは、フェイスブックのメッセンジャーやショートメールと違って、画面が殺風景な感じがない。基本設定の背景(変えられるのかどうかわかりませんが)が、うすーい雲がかかったきれいな青空で、それだけでなんだか気分が高揚してきます。
そして、無料のものも含めてスタンプ類が非常に豊富で、文字ではなく「絵」を使って、自分の気持ちや状況を相手に伝えることができます。
相手から送られてきたスタンプを見れば、スマホの向こうにいる不倫相手がどんな表情でそこにいるのか、妄想膨らみまくりになるのは間違いありません。
そして、二人の空き時間がぴったり合えば、あまり間をおかずに返事も返ってくる。リアルタイムのやり取りが続く。
そんなわけなんで、自分が実際に相対しているのはスマホなんだけれど、相手のことをすぐ近くにいるかのような錯覚に陥り、「心はいつもそばにいるよ」「ほら、こんなにそばにいて理解しあえている」(おー、書いてて気持ち悪い)みたいな二人だけの盛り上がりがどんどん加速していき、他人が見たら、あっと驚くような飛んでもやり取りが出来上がってしまう…そういう仕組みなのではないかと思うのです。
そして、いったん出来上がったLINEのトークは、削除したい部分をチョイスできるわけではなく、消すのであれば、その人とのそれまでのトークを全削除しなければなりません。(1月24日追記:その後、iPhoneの場合は特定のトークを選んで削除できるというご指摘をいただきました。いずれにせよ…消さないか)
ラブラブな会話なんて、そうそう消したくないですよね…翌日とか翌々日とか、ひとりの時に、ふっとふたりのやり取りを見返して、ふたりの背徳ながらも純粋な?愛を再認識したいですよね…
だから、消せない。そして発覚するわけです…
スマホって、パスコードでロックがかかっているので、いくら妻でも夫でも見れるまい、という油断もあるのかもしれません。
いやでもね、パスコードのロックなんて、当てになんかなりませんて。スマホいじっている傍らに夫や妻がいたら、盗み見していることだって十分あるだろうし、仮に預金通帳の暗証番号とかを知られているような場合には、あてずっぽうで同じ番号入れたら開けるなんてこともあるだろうし。
脳天気に親密なやり取りをしやすいLINEの特性。
「愛する人とのやり取りをすぐに消したくない」というラブラブなふたりの心情。
スマホはロックかかっているから大丈夫という油断。
これらが三位一体となって、LINEのトークが不倫の中心的証拠にのし上がってきたということになりましょうか。
学説の中では、不貞行為に不法行為は成立しないというのがかなり有力な説のようですが、判例を動かすにはまだまだ時間がかかるでしょうし、今回のベッキー騒動がきっかけで、不倫カップルの脳天気なLINEの利用に歯止めがかかるかもしれません。つまり、今後は、不貞された側が、相手の慰謝料請求の証拠がつかみにくくなるということもありうるのかな、などと漠然と考えています。
もしかすると、やり取りしやすくするために、わざわざLINE始めた不倫カップルなんかもいるかもしれないので、そうすると今回の件で、そもそもLINEの利用者数に歯止めがかかる、なんて事態にもなるかもしれませんね(まあ、私が心配することではないかもしれませんが)。
あるいは、LINE側の方が、トークの流出を防ぐために何らかの措置を講じるか。
LINEを出版社に流したの誰だよとか、そもそもこんなプライベートなやり取りでつるし上げにされなきゃいけないイワレなんてベッキーにないだろとか、ベッキーは文春訴えてもいいよな、法的には、といろいろ思うところありますが、書くと長くなりそうなので、今回はこの辺で。

