弁護士だって、休みたい。

ゴールデンウィークが始まって2日目の夕方です。
テラバヤシは、故郷の札幌に帰ってきております。
夏休み、年末年始などなど、休みが取れるときには、なるべく実家に帰るのが、テラバヤシのポリシーです。
最大の理由は、なんだかんだ言って、齢三十云歳まで過ごした故郷が一番くつろげるから、ということです(もちろん、年老いてきた両親の変化を定期的に見ときたいという、若干白々しい親孝行めいた気持ちもないではありませんが)。

ゴールデンウィーク、盆暮れ正月、我々の業界は、きっちり休むタイプの人と、休まずに働くタイプの人と、割に両極端に分かれているようです。
テラバヤシは、「休む時はしっかり休む」派です。
しっかり休んでこそ、尻に火がついて働くべき時にしっかり働ける、と考えておりますし、気持ちの切り替えが下手なタイプなので自分自身で強制リセットしないと、心身ともに持たなくなってしまうからです。

がしかし、世の長期休暇の際にがっつり休むことについて、いまだに多少の後ろめたさを感じないわけにはいきません。
なぜなら、われらの業界、未だに「休まないで働くこと」が美徳、当たり前、それを若干自慢する、みたいな風潮が消えていないから(というよりは、一部に根強く残っているといってもいいかもしれない)です。

先日も、ツイッター上に「ゴールデンウィークに休む弁護士に未来はない」という趣旨ではないかと思われるような書き込みをしている同業者を見つけました(注:その方の発言の真の意図はわからないし、別にその人をたたくつもりも毛頭ないので、誤解されるの嫌だからこの程度にとどめておきます)。

以前にも、やはりSNS上で「いい仕事している弁護士を見ると、休まずに働いている人が多い」という同業者の書き込みを見つけたことがあります。

確かに、「優秀な弁護士」「いい弁護士」という評価が広く流布している弁護士には、様々な方面からの仕事のオファーがあり、そのために休む暇がない状況になりやすいことは否定できません。
そもそも「いい仕事」がなんなのかということ自体も抽象的過ぎて甚だわからんのですが、まあ、今回その点は脇に置いておきましょう。

しかし、これは弁護士に限ったことではなく、「仕事の質」「仕事の量」「仕事にかける時間」というものには、一般的な相関関係なんてありません。
オンオフの切り替え方法、仕事の効率化をどう図っているか、手をかけるところとかけないところをどう分けるか、というのも仕事をする当事者のキャラクターややっている仕事の内容によって、全然違います。

そういう、いくつもの要素が絡み合い、かつ仕事をしている人間のキャラによっても全然違う形で発現する「休む・休まない」という問題を、「休まないで働くやつが偉い・当たり前」みたいな前時代的なくくり方で片づけて、それを正面から言い切ってしまう人がいまだに存在する弁護士業界というのは、実際のところ、人権もくそもないおっそろしい世界なんじゃないかなどと考え込んでしまいます。

テラバヤシは幸いなことに一番最初に入った事務所が、イソ弁をこき使うような事務所ではありませんでした。
弁護士になって間もないころ、なんとなく日曜日に事務所で仕事をしていたら、やはり事務所に出てきたパートナーに「休めるときは休まないとだめだよ」なんて言われたぐらいでした。いい事務所に入ったものでした。

実際、私の同期でとある公設事務所に入った数名は、休みなく働いて、バタバタと倒れていきました…過労で入院した人もいました。

働くときは働く。
休めるときは休む。
弁護士だろうとなんだろうと、「いい仕事」をするための基本は変わらないと思います。

もちろん、仕事が生きがい、仕事をしてこその自分、休みが必要ない心身ともに稀有な人というのも世の中にいるでしょう。
そういう方は別にのべつまくなに働いてもらって構いませんが、それができるのは、そのひとが超人だからなんであって、当たり前とか美徳とか、そういう感覚はどうか持たないでいただきたい。

なお、「休めるときに休む」ということと「するべき仕事をしない」とは全く違います。
仕事を怠けることを推奨しているわけではありませんので、その辺は、誤解なきよう。




[PR]
by terarinterarin | 2016-04-30 18:32 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。ウェブサイト https://attorneyterabayashi.simdif.com  「弁護士テラバヤシ」でツイッターもやっています。


by terarinterarin