プライバシーって何だろう。報道の自由って何だろう。
2016年 06月 16日
ひとつは、市川海老蔵さんの奥様、小林麻央さんの乳がんに関するニュースです。
これ、確かスポーツ紙がすっぱ抜いて、それでマスコミが海老蔵さんの自宅に押しかけ、海老蔵さんが記者会見をする羽目になりました。
どんな病気にかかっているかということは、極めて個人的なことです。
その病気のことを公開するかどうするかは、その病気の人が自分自身で考え、判断すべきこと。
最近では、自身が重い病気にかかっていること、かかっていたことを公表する人も少なくありませんが、たとえ有名人、芸能人だからと言って、それを公表する義務は全くありません。
今回のスポーツ紙の狙いは、ひょっとしてひょっとすると最近増えている乳がんについて、「こんな若い人でもなるんだよ。だからちゃんと検診に行こうね」というメッセージを送ることにあったのかもしれません。
しかし、それにしてはやり方がひどすぎます。
先ほども書いたように極めてプライベートな「病気」ということがらについて、恐らくはあえて公表していなかったにもかかわらず、本人に対して事前に何の告知もなく、「すっぱ抜き」の形で一面トップで報じるとは。
これに加え、テレビ局の振る舞いもまたひどいものでした。
重い病気の人が静かに暮らしている(当時はご自宅で静養されていたようですので)自宅に大挙して押しかけ、麻央さんだけでなく、幼い子らの生活の平穏さえ脅かしているのです。
もうひとつは、舛添元東京都知事の「せこい」政治資金使途問題です。
一緒に正月に温泉で会議したという故人のxさんについては、結局実名が明かされることはありませんでした。
テレビ局は、その方の経歴については放送しています。
ご遺族のインタビューはないけれど、周辺の人物に対する取材も行って、放送しています。
つまり、テレビ局側、報道する側は「Xさんがだれなのか」ということを知っています。
しかし、それが本当は誰なのか、氏素性を明らかにするテレビ局はありませんでした。
舛添さんが「その人のプライバシーの問題があるので名前は言えない」と言ったからなんでしょうか。
それとも他の圧力があったからなのでしょうか。
ご遺族の方が、名前を出すことをやめてくれと申し出たのでしょうか。
いずれにせよ、何らかの配慮や意向を聞いた結果などに基づいて、名前を公開しないと報道各局が判断したことに間違いはありません。
麻央さんの乳がんのケースでは、こんな配慮は、恐らく一切ありませんでした。
確かに、テレビ局その他のマスコミには、「報道の自由」「表現の自由」、これに基づく「取材の自由」というものがあります。
しかし、これはそもそも、権力を監視するために、政治や国家権力に関する正確な情報を国民が共有できるようにするために認められる自由です。
対国家権力に対する自由なのです。
だからこそ、あまたある人権のなかで最重要のものとして他に優越する地位が与えられているのです。
しかし、マスコミがこの自由を最大限に活用するのは、有名人・芸能人、つまり一般人のプライバシーを暴露するゴシップネタの時ばかりです。
「報道の自由」「表現の自由」を振りかざして、個人が平穏に生活する自由を踏みにじる。
踏みにじられる方は、マスコミを敵に回すと、その後の芸能人生にかかわってしまうので、多くの場合、表立って批判することができません。
それをいいことにやりたい放題です。
つまりは、マスコミは、いいネタのある芸能人や有名人を探しては「弱い者いじめ」をしているといっても過言ではありません。
そして、本来「報道の自由」を目いっぱい振りかざしていいはずの政治の場面においては、様々な配慮の元、問題の核心に迫ることを放棄しています。
その理屈のひとつとして、「プライバシー」が用いられたりするわけです。
舛添元都知事問題も、辞職してしまったら、途端に次の都知事は誰か?ということばかりを各局とも報道しています。
舛添知事の疑惑は何も解明されていません。
そこに突っ込んでいこうという気概が全く見られません。
はっきり言って、誰が立候補するかなんて、立候補すりゃわかります。
今大切なのは、そっちの情報ではありません。
自分たちに逆らえない芸能人をいじめて、たてつくと何するかわからない権力や政治家には下手な手出しはしない。
これって、アメリカにこびて国民からどんどん搾取する時の政権と同じではありませんか。
報道各局の皆様には、プライバシーとは何か、報道の自由とは何か、両者の関係はどうあるべきかを正しく学びなおしていただきたいものです。
「報道の自由は私人のプライバシーには配慮すべきだが政治的問題には突っ込んでゆくべき性質のもの」の論拠はなんと説明すれば法学に詳しくない人に伝わりますかね(悩)。
ふと、最近の富山市議会の中川会長が取材メモを強奪した事件を思い出しました。なんていうかもう、教育というか感覚がちがうので爺様は悪びれてすらない
( ゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャヒャヒゴッ!!!ゴホッ!ゴホッオエェェェー!!!

