人気ブログランキング |

ひとりでやること、人とやること。

すっかり秋めいてきたこの頃。
北千住パブリック法律事務所に入所して1年が過ぎました。
今日は、1年を過ぎての雑感をつづっていくことにします。

北千住パブリック法律事務所に入所する前、私は東京は水天宮のあたりで、「ともえ法律事務所」というおひとり様事務所をやっておりました。
おひとり様事務所の運営状況は、このブログでも何度もお伝えしてきたので、ご存知の方も多いと思います。

「おひとり様事務所」というのは、弁護士ひとりのみ、他のスタッフがいないまさにオンリーワンで運営している事務所という意味合いです。
私は、「おひとり様事務所」を4年間やり、ちょうど1年前に、当時弁護士15名超の大所帯?(東京ではそうでもないのかな?)の北千住パブリック法律事務所に移籍しました。
自分自身が移籍しようと思って移籍したにもかかわらず、私は当初「ちゃんとやっていけるだろうか?」、「ストレスでつぶれてしまわないだろうか?」と実はとても不安でした(こう見えて結構小心者です)。

結論から言うと、自分としては(ここ大事)、この大所帯の事務所の中で「そこそこまあまあにちゃんとやれてはいる」と感じています。

まず、おひとり様事務所にいたときと多少変わったとはいえ、マイペースを崩さずに仕事をすることが今のところできてはいます。
事件の量はひとりでやっているときよりも当然相当程度増えました。
事務所の中では、期が上から3番目に高いので、「上の期」であることに見合った仕事や頼まれごともそこそこあります。
ですが、なんといっても、それまで自分でやっていた事務作業を事務局にやってもらえることによって負担が軽減されたことは、非常に大きいものでした。
その分の余力を、そういった事件処理以外の業務に割いています。

ひとりでやっていた時代に身につけたことで今役に立っていることもいくつかあります。
ひとりでやっていたころは、「細かい部分の効率化」というものをとても意識していました。
私は細かいことが苦手で、そういうことを後回しにしてしまう傾向があるのを、以前から自覚しておりました。
なので、できるかぎり「その日その時に処理できるものは処理してしまう」という癖をつけるようにしていました。きれいに処理することにこだわることも捨てていました(あきらめたに近いかもしれません)。

例えば、法テラスのクレサラ法律相談で長期間返済していない債務の相談が来た場合には、受任せずにその場で時効援用通知のひな型を作って相談者に渡してしまい、書類作成援助という形で終了させてしまっています。
また、家事調停の申立書は基本手書きで作成してしまいます。ワード形式で入力できますが、個人的に非常にやりにくい。手書きの方が早く完成させることができます。
個人破産の申立書類も、契約後初回打ち合わせの際に、できる限りの事情聴取をして記載します。そして、概ね1か月に一度(管財予納金積立の方の場合は2か月に一回になることも)事務所に来ていただき、書類の確認がスムーズにできるようにしています。
こういう細かい時間の節約によって、事件の滞留を(今のところ)防ぎ、腰を据えてすべき課題に取り組めているように思います。

また、ひとりでやっていた時には、確定申告により事務所の売り上げなどが数字となって突きつけられていました。そのせいか、今再び給料をもらう立場になっても、常に「事務所の売り上げ」「経費の節減」ということが頭の中にある状況です。もちろん、「私、いっぱい稼いでいます」などと豪語することは致しませんが…。
昨今、公設事務所は経費や売り上げの面で他の弁護士から厳しい目で見られることも少なくありません。そんな中で、少しでも事務所に金銭面で貢献できるようにするにはどうすればいいかということも意識してはいます。
もし、おひとり様事務所をしていなければ、こういう意識は持てなかっただろうなと思っています。

北千住パブリック法律事務所は任期制なので、私もいつかはまたここから出ていくことになるのではないかと思います。
例えば1つ1つの事件の経費の管理の仕方など、またひとりでやり始めたとしたら活かせそうだと思うこともあります。
逆に、自分が一人でやっていた時のやり方が間違っていなかったのだと思うこともあります。

ひとりでやってきたことと、人とやることは、まるで違うわけではなく、「法律事務所の運営のやり方」というひとつの線の上でつながっているように思います。
ですから、これからひとりでやろうとする方も、私のようにおひとり様事務所から大所帯に行こうと考えている方も、自分がそれまでにやっていたことはなにがしか次のステップに役立てるものだし、次のステップの経験はまたその先に活かせるものだと考えていただくのが良いのではないかと思います。

「引きが強い」と新人時代から言われてきた私は、あまりふつう回ってこないような非定型な事件をやることが多かったのですが、ここにきてようやく未経験だった王道の事件をいくつか担当することができています。
そういう意味ではとてもフレッシュで、ちょっと新人のような気持ちも味わえています。
私にとって次のステップがどんな形でやってくるかはわかりません。
が、来るべき次のステップが明るいものであるように、今の環境の中でできることを丁寧にやって行ければなあ、などと珍しく良い子な感じで今日は締めくくろうと思うのでありました。


by terarinterarin | 2019-11-04 13:08 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。ウェブサイト https://attorneyterabayashi.simdif.com  「弁護士テラバヤシ」でツイッターもやっています。


by terarinterarin