世間は、桜を見る会の話題そっちのけ?で、沢尻エリカさんの薬物問題で賑わっているように見受けられます。
沢尻さんの問題も、これまでの芸能人薬物問題の触れられ方と若干異なるところがあるので興味深くはあるのですが、個人的には、織田信成さんのパワハラ問題の方が、もっと気になります。
理由は簡単。私がスケートファンだからです。
織田信成さんが、関大スケート部の監督時代に、所属の女性コーチからパワハラを受けたと主張していたことは、ご存じの方も多いと思います。
本日、織田さんはその女性コーチを提訴しました。
*ニュースはこちらから*
この女性コーチ、名前が出ている通り、濱田美栄コーチという方で、紀平梨花さんや宮原知子さんのコーチとして有名な方です。フィギュアスケートの競技会をテレビで見たことがある人なら、見たことがあるはず。
一流選手を多数育てている一流コーチであることは間違いないでしょう。
よりによって、このような一流のコーチを、フィギュアスケートシーズン真っ最中にパワハラで訴えるのですから、織田さんサイドとしては、相当な怒りようと覚悟だったのではないかと思います。
おそらく多くの弁護士が思うところだと思いますが、セクハラ、パワハラの類で訴訟を起こすことは、結構厳しいと言わざるを得ません。
理由は、証拠が多くの場合残っていないからということです。
以前にもこのブログで触れたことがあるように記憶していますが、証拠というのは訴訟を起こす側が揃えることが必要です。
そして、セクハラ、パワハラのようなハラスメント問題の多くは、日々の会話の中で生じるものなので、記録されていないのです。
例えば、誰かに相談したメールやLINEであるとか、車内の窓口に相談した際の記録であるとか、(最近そんな人も少なくなったでしょうが)日記に書いてあるとか、そういうことが記録になることはあります。が、直接的なやりとりよりは証拠としての価値は通常落ちると言わざるを得ませんし、そういうものがないことがそもそも多い。
なので、泣き寝入りせざるを得ないことが多いのです。
相談を受けることが比較的多い類型の事件ではありますが、「証拠が足りませんね」と回答をお返しすることが多いのです。
その方が受けた心の痛みを思うと、このような回答をお返しせざるを得ないのは、非常に心苦しいのですが…
ハラスメント問題のもうひとつの問題として、ハラスメントをしたとされる側にそのような自覚がないということが挙げられます。
そもそも、そんなこと言ってない、やってないと言動自体を否定される場合と、言ったけどハラスメントに当たらないと主張する場合、糾弾される側の対応は多くの場合、この2つに分かれるように思います。
いずれにせよ、ハラスメントをしたとされる側は、なんの意図もなく、あるいはハラスメントとは異なる意図でハラスメントと受け取られる言動をしていることも往往にしてあるわけです。
中には、「こんな恐ろしい言動、何気にできること自体が怖いわ」と思うケースもあります。ですが、どんなことを言っていようと、自覚のない人に「自覚しろ」というのはかなり困難な作業であることは間違いありません。
報道を見る限りでは、織田さんの側に訴訟に耐えうる証拠がどれだけあるのか疑問に思うところではあります。
ですが、訴訟を起こしたことには、なんらかの意味があるでしょう。
実は濱田コーチの言葉を録音した媒体があって勝訴に自信があるとか、そういったものはないけれども、関大も含めて和解にしたい(利害関係人として訴訟に参加することができればですが。そもそも今回関大は訴えられていないのでしょうか?)、和解をする目があるという算段があるとか(シーズン中の提訴ということですと、むしろ和解によるスピード解決を狙ったのかなという気もしないではありません。2月3月と大きな国際試合が始まる前に和解に持っていきたいとか)。
個人的には、ハラスメントとして訴え出られるケースの多くで、法的な評価は別として、相手方のアクションによって、その人がなにがしかの精神的圧迫を受けた事実は否定できないように思います。
今回のケースで、関大は、シーズン中の提訴は残念だなどとコメントを出したようで、提訴したこと自体を半ば批判しているかのように思えます。
関大は、ハラスメントのなんたるかを全く理解していないか、あるいはあくまで濱田コーチを絶対視していているのでしょうか。起こされた訴訟を正面から受け止めて、解決するためにどうすれば良いかと考える姿勢がないように見受けられます。
織田さんは、現役の頃もプロになってからも、クリアで柔らかいジャンプやスピンで、明るくコミカルなナンバーを披露して楽しませてくれています。私も10月にジャパンオープンで織田さんの演技を見てきたばかりです。
一方、関大は、織田さんだけでなく高橋大輔さんを輩出し、現在は宮原知子さんや紀平梨花さん(紀平さんは所属高校は関大付属ではありませんが)が在籍する名門です。
今回の件は、選手たちの心理にも少なからず影響が出ることは否定できないでしょう。
というわけで、裁判所には、双方の主張を早期に取りまとめた上で、うまい解決ができるよう是非是非導いて欲しいのです。
この紛争、長引いても、多分誰も得しないでしょうから。
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