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なぜパチンコ店だけがやり玉にあげられるのか

緊急事態宣言が発令されて3週間を過ぎました。
この間東京に関しては、若干ながら感染者数が減っているようにも見えますが、北海道は再び増加傾向にあり、新型コロナ肺炎は終息の様子が見えません。
政府はあと1か月程度宣言期間を延長するようです。


この点に関しては、人によって様々な意見があるようですが、個人的にはやむを得ないかなと思っております。
ただ、このウイルスとの戦いはかなりの長期戦を強いられそうであるので、この先は、社会活動・経済活動をある程度しながら、ウイルス対策をしていく必要があるのではないかと思われます。


多くの都道府県が、様々な業種の店舗に対して休業要請をしていますが、要請対象の中で、パチンコ店対策やその動向が、最も注目を集めています。


パチンコ店の中に、休業要請に応じず営業をしているところがいくつかあります。
これらのお店について、東京や大阪、神奈川が店名公表という特措法45条に基づく措置をとりました。
それでも営業を継続しているお店もあれば、営業をやめたお店もありました。


マスコミは、情報番組などで、「未だに営業をしているお店」を毎日取り上げて放送しています。店名こそ公表しておりませんが…


営業をやめたお店の中には、休業要請に従ったというよりは、お店に届く脅迫電話等により、何らかの被害が発生するのではないか(つまり襲われるなど)という恐怖心が生じたから営業をやめたと店主が答えていたものもありました。


どうしてパチンコ店のみがやり玉にあげられるのでしょうか?


確かにパチンコ店というのは、ぎっしりとパチンコ台が並べられ、土日ともなれば満席状態でお客が夢中でパチンコを打つ、窓も少なくて換気も悪そう…という「3密」のイメージがあります。
おそらく休業要請の対象となったのも、そのような点からだったのだと思います。


おまけに、パチンコはギャンブルのひとつ。
「このご時世にギャンブルか」と叩きやすいという要素もあります。


「感染症が蔓延して何とか食い止めようと世の中が必死になっている中、日陰者であるべき3密のパチンコ店が堂々と営業している」という理由で、やり玉にあがり、叩かれまくっている、そんな気がします。


ですが、3密というのは、実は、「休業」の要請がかかっていない飲食店でも起こっています。
とあるチェーン店のカフェは、スタバやドトールの一部店舗などが閉店している影響からか、多数の客が来ているようで、店内を見ると混み合っている様子がありました。


もちろん、テーブルはまめに消毒しているでしょうし、換気もしているかもしれませんが、飲食店ですので、多くの客はマスクを外しています。
その中に感染者がいたとすると、クラスター発生の温床になります。

一方、テレビで取材を受けていたパチンコ店では、整理券を配り、使用できる台を制限し、客にはマスクの使用と手の消毒を義務付けたうえで営業をしていました。

先のカフェと比べてみて、コロナ蔓延のリスクが高いとはいえないのではないでしょうか。


それでも行政はパチンコ店について公表措置を採り、マスコミは「今でも営業しているパチンコ店」を追いかける。
ゴルフ練習場などは殺到する人を映しているだけで、ゴルフ練習場自体を非難することはないのに、です。


パチンコ産業は、在日韓国人、朝鮮人の経営者が多い業種でもあります。
今回のこの公表措置によって、ヘイトスピーチなどが助長されないか、非常に危惧されます。
実際、テレビの情報番組では、マイク片手に、とあるパチンコ店の前で怒号を浴びせているおじさんの姿が映っており、例の団体のヘイトスピーチを彷彿とさせました。


今回の公表措置については、発生した効果(侮辱、脅迫、それによる風評被害)を考えると、憲法14条や22条に違反する恐れがあるものではないかと個人的には考えています。
行政の側は波及効果を考えなかったのか、考えたけれど、パチンコ店の行く末などどうでもよくて公表に及んだのか、それとも、一般市民の非難が行政に向かないように確信犯的にパチンコ店がつるし上げられるようにしたのか…
(そもそも、公表措置という行政法によくある?措置については、違憲的要素を含むサンクションではないかと考えたりもします)


冒頭にもお伝えした通り、私は、外出自粛や休業要請についてはやむを得ないという考えの持ち主です(長期化した場合にはまた話は別ですが)。
ですが、今回のパチンコ店に対する「つるし上げ的公表措置」については、やり方が卑劣で許しがたいと考えるのでした。


Commented by Lib at 2020-04-30 22:05
いつも楽しく拝見しています。

パチンコについては、ギャンブルの胴元を許容してのいのか、という議論を避けて通ることはできないと思います。パチンコ屋の営業が現にある刑法の条文の要件に該当するかは別として、競馬競輪、半私人なので微妙なところですが競艇も、ギャンブルの胴元というのは、特別税納めるなり、社会福祉にお金をまわすなりで、広く富が分配され得ることを必要条件としてギリギリ許容されているところ、パチンコが条件を満たしていないのは明らかと思われます。かつては、そこを補う事情があったことは否定しません。しかし、今はあるでしょうか?

補償を伴わない要請、しかも公表措置ってそもそも違憲では?というのは、そうなのかな、とは思います(一方で天災だと思えば、微妙かもとも思います)。そして、上記の事情の変化があっても、コロナに託けて叩くのはどうなの?のいうのも、首肯できるところがあります。

しかし、上記の事情の変化については、どこかで対応が必要というか、日本社会としても現状維持を許容する余裕はなくなってきていると思われます。もっと端的に言うと、自身の親世代の時間を奪い、金を巻き上げる装置があること自体は措くとして、巻き上げたお金が特定の方々に集まることについて、昔はしょうがないな、と思っていても、今はそこまで要保護でしたっけ?と感じるのが社会の多数で、それはおかしなことではないな(ここまでの言説ではヘイトではない。そもそもヘイトスピーチの憲法上の位置付けは微妙と思いますが)と思います。
by terarinterarin | 2020-04-30 15:01 | Comments(1)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


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