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弁護士広告について考える2020

すっかり秋めいてきた今日このごろです。

昨今、弁護士業界も、多かれ少なかれ、コロナの影響を受けています。
裁判所が緊急事態宣言下でクローズし、再開後も事件によっては期日が入りにくい状況であったり(私など、まだ裁判所から再開の連絡が来ていないものが1件あります。訴外和解に期待されているのでしょうか)、会務がオンライン中心になったりといったことが挙げられます。法律相談の実施方法も、オンラインを導入するなど、様変わりしたところもあります。

そんな中、ここ最近、改めて弁護士広告というものについて考えています。

最近は、書店に行っても、フェイスブックなどのSNSを見ても、「士業の広告戦略」セミナーみたいなものが出回っています。
真剣に見ていないので、そういったものがどういう広告戦略を推奨しているのかはわかりませんが。

今は、事務所ごとにウェブサイトを持つことは当たり前の時代になりましたし、フェイスブックサイトを持っている事務所もちらほらあります。最近ではyoutuber弁護士もいるほどです。テレビコマーシャルを導入している事務所もいくつかあります。

これらの広告戦略の根本的な発想は、「多くの人に事務所、弁護士を認知してもらう」ということだと思います。
広く認知してもらって、なにか弁護士に相談したいときに思い出してもらい、来てもらう。紹介してもらう。
そういうことを狙った広告なのでしょう。

これらはおそらく広告の王道なのだと思います。
が、費用対効果という点で正解なのかと言われたら、必ずしもそうではないのかもしれないとも思うのです。

インターネット、SNSというものがここまで普及した世の中になれば、人々が「必要な情報を探す」ことも、容易になっているはずです。
つまり、広告としては、必ずしも広く網をかけなくても、自分に必要な情報を探している人のところに、事務所や個々の弁護士の情報が届くようにしておけば、依頼は来るのではないかと思うのです。
そして、そのために必要なことは、情報の蓄積です。

このように考えたのは、自分のことをふとした時に振り返ってみたことが発端でした。

私は、リーガラスというサイトで広告を出している他、自分のウェブサイトを持っており、そして、このブログを書いております。
緊急事態宣言中は、開店休業気味だったこともあり、なかなか話のネタがなく、ブログの更新も滞っておりました。そのためウェブサイトを更新するネタもなく、そちらの更新も滞っておりました。
さらに、リーガラスの方は、日々の業務に追われたりして、なかなかQ&Aへの質問に回答できないということが続いておりました。

しかし、そうであるにも関わらず、ウェブサイトやリーガラス経由でのお問い合わせは、途切れずに続いています。
お問い合わせの末、ご相談にいらした方に「何で知りましたか」と伺ってみると、ブログを読んで、とかリーガラスのQ&Aを見てとお答えになる方がほとんどなのです。

このブログのアクセスは、特に多いものではありません。
ここ最近は、爆発的なヒットを記録した投稿もありません。

そうであるにも関わらず、ブログを読んで、ウェブサイト経由で私にたどり着く方がいるのです。
リーガラスの私の回答を見て、問い合わせをしてみようという気になる方がいるのです。

そこで私は思いました。

多くの人を対象にして、広告を広げる必要はない。
自分を必要としてくれる人は、今のこの時代、自分のところにたどり着いてくれる。
自分がしなければならないことは、自分にたどり着いてもらえるように、ウェブ上に痕跡を残し、その痕跡に引っかかるための棘のような発信をすることではないかと。

つまり、今まで自分がやってきたことは間違いではないということがわかりました。
そして、今後さらに自分を必要としてくれる人が自分にたどり着きやすくするために、引っかかる棘をどう作るかを模索していくことが必要ではないかと思うに至りました。

広告戦略と言うと、広告のプロが広く流布していることが正しいと思いがちです。
もちろん間違ってはいないでしょう。
しかし、それが自分にマッチしているのか、「今」にマッチしているのかは、自分なりに咀嚼して取り入れる、取り入れないを考える必要があると思いました。

私はこれからも私なりのやり方で、私を認知してもらい、私を必要としてくれる方にサービスを届けたいと思うのでありました。


<<追伸>>

新たなサービスを始めまして、ウェブサイトに掲載しております。
ご興味のある方はウェブサイトをご覧の上、お問合せフォームからご相談ください。


Commented by 鈴木 at 2020-10-16 23:55 x
テラバヤシ先生…もしかして、少し前にツイッターされてましたか?
Commented by at 2020-10-18 13:19 x
HPを拝見し、最安一か月1万円という価格プランは魅力的なもののように思われました。個人事業主・企業の立場でサービス導入させていただいた際のメリット等について、よろしければもう少し詳しくお聞かせください。

たとえば、対外表示予定の企業のテキスト原稿等をin-privateの段階で、厳しく多角的視点で添削していただいたり、より好ましい代替文案を提示して下さることは可能でしょうか。そのほか先生が熱意をもって取り組まれておられることを通じ事業者側に訴えたいこと等、少し詳しくご提示いただけますと、導入を検討しやすくなると思われます。
顧みていただけますと幸甚です。宜しくお願い致します。
Commented by terarinterarin at 2020-10-19 19:44
> 鈴木さん
Twitterアカウントを新しく作りました。よろしくお願い致します。
Commented by terarinterarin at 2020-10-19 19:51
> 福さん
ご興味を持って頂いてありがとうございます。
1万円コースは事業規模が比較的小さい事業者様向けのプランです。
気軽に弁護士にモノが聞ける環境をお望みでも、実際にどれくらい利用するか分からない、という事業者様に差し当たり導入していただけると考えております。

最近は、労使紛争の処理や契約書作成の重要性などを事業者様に広くお伝えできればと考えています。

また、ご質問の添削の件ですが、原則的には顧問業務の範囲として対応可能です。
但し、添削が事実上、新規の起案に該当するレベルになる場合には、いくらか費用を追加で頂戴する場合もあり得ます。

参考にしていただけますと幸いです。
Commented by 青空 福音 at 2020-12-11 22:46 x
ありがとうございます。
先生のことを一読者としてそこそこ大切に思っているのでマジレスしますと、

>いくらか費用を追加で頂戴する場合もあり得ます。
自分の感じた懸念の一つは「これは、法的プロに、青天井でぼったくられるのではないか」ということです。

また、関与いただくことでビジネスの各段階に有効な「人脈をつないでほしい」といった期待を暗黙的に持っているのですが、その可能性が見えないので踏み込むという判断に至りにくいという事情のあったことも追記します。お一人で頑張らず他力本願でまいりましょう。人脈の人脈に期待しております。

もしサービス利用対象を絞る、いけるときにはぼったくる、等の意図があり、その狙い通りでしたら失礼いたしました。

先生の感じておられる不安のようなものを共有します。
では、よいクリスマスをお過ごしください。
Commented by terarinterarin at 2020-12-15 19:39


> 青空 福音さん


ご懸念の部分は、もう信用していただくしかありません。

そもそも多額の費用を頂戴しようと思うなら、1万円のプランは出しません。

また、契約書作成につきましては、ボリュームによりますが、5万円から10万円が標準的な価格になっておりますので、ご参考になれば幸甚です。
by terarinterarin | 2020-09-22 18:16 | Comments(6)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


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