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大相撲とコロナについて考える。

(時季に遅れましたが)皆様、あけましておめでとうございます。2021年もよろしくお願いいたします。

さて、大相撲の初場所が10日から始まりました。

私は子供のころからの相撲ファンで、休みの日などに家にいると、相撲中継にチャンネルを合わせています。

今回の場所は、コロナの影響で大変なことになっています。
横綱の白鳳関をはじめ関取16人が感染、濃厚接触などにより休場。
そのため、幕内力士の取り組みがとても少ない状況となっています。
部屋によってはクラスターが発生したところもあり、初場所の開催自体が危ぶまれました。

個人的には、大関貴景勝の綱とりがかかっているのと、興行収入やテレビ放映料を得る必要性から開催したのかな…などと思っております。

そんな中、コロナ休場を認められなかった力士が、引退するというニュースがありました。


この力士は、心臓に持病があり手術したことがあったため、コロナに感染することが恐ろしく休場を願い出たものの、相撲協会側から、「コロナが怖いで休場は通らない。出るか辞めるかだ」などと進退を迫られ、やむを得ず引退したということです。


この協会側の対応には、大きな非難が集まっているようです。


私としても、この対応はかなり問題があるように思います。


まず、そもそも、大相撲は感染リスクが高いスポーツと言えましょう。
マスクを外して、飛沫をガンガン飛ばして濃厚接触するスポーツです。
無症状で感染している力士と対戦した力士の感染リスクは極めて高いと言わざるを得ません。


加えて、力士は、一言でいえば皆さん肥満です
糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方も少なくなく、多くの力士が重症化リスクを負っています。
力士だけではありません。親方衆もです。


おまけに若い力士は部屋で集団生活を送っています。
そもそも感染リスクが高い生活をしているということができましょう。


このような状況の中で、「コロナの感染リスクを踏まえて休場したい」という要望が力士から出るのは決して不自然なことでもなければ、単なるわがままでもないと言えます。

個人には、自分の生命を守る権利が当然あります。
その権利を行使することが妨げられるいわれはありません。
まして、先ほども述べたように、感染リスクが高い大相撲の特性上、権利の行使は認められてしかるべきではないでしょうか。


協会側としては、1人1人のこのような要望を聞いていては、場所が開催できなくなるのではないかという危機感を覚えたのかもしれません。
ですが、そうであれば、場所は中止するのが筋ではないかと思うのです。


仮に、この力士が、協会側の説得により引退せずに出場し、その結果コロナにり患したとなれば、どうなるのでしょうか。
もし、相撲関係者からの感染ということになれば、場合によっては、民事上の責任の問題が生じる可能性もあるのではないかと思われます。


先ほど、個人には自分の生命を守る権利があると話しましたが、協会側にも、力士の健康や安全を守る義務があると言えます。
協会のこの力士に対する説得は、このような義務があるということを理解していないことを表しているように思えます。


相撲ファンとして、場所が開催されないことは悲しいことではあります。
ですが、こんな接近戦で、力士はコロナに感染しないだろうかとはらはらしながら取り組みを見るのも、またつらいものがあります。

「コロナが怖いので休場」という言い分が自然に通る、そんな新しい相撲協会になることを望みます。




by terarinterarin | 2021-01-12 12:59 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。ウェブサイト https://attorneyterabayashi.simdif.com  「弁護士テラバヤシ」でツイッターもやっています。


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