しばらくぶりでございます。
noteのほうは、開始以来毎日続けているのですが、ブログを書こうにも、こちらのブログにふさわしい?ネタ(主に法律ネタ)が思い浮かばず、すっかりご無沙汰してしまいました。
さて。
ネット上の法律相談でよく見かけるものの中に、「交際相手や、キャバ嬢、風俗嬢その他の女性に対して、今まで○○万円のお金(注:金額は様々ですが、結構高額なことが多い。)を渡したが、関係が途絶えた又はこじれたので返してほしい。可能だろうか?」というものがあります。
主に男性からの相談です。
女性側からは、逆に「元交際相手や、キャバクラのお客さんその他の男性から、今まで○○万円のお金をもらっていたが、返金を求められている。返さなければならないか」という形で相談が寄せられることがあります。
答えから言うと、原則的に(と言っていいでしょう)返してもらえないし、返す必要はありません。
なぜなら、そのお金は「貸した」あるいは「借りた」ものではなく、「あげた」あるいは「もらった」ものだからです。
法律的にいうと「贈与」になります(注:金銭授受の際に借用書が作られ、貸し借りが明らかな場合には返してもらえます)。
しかも、上記のようなケースでは、お金をあげるに際して契約書を交わしているようなこともありません。
そうすると、法律上、履行の終わった部分については撤回できないということになるので、既にあげたものを返してください、ということもできないのです。
おそらく、先の状況でお金を渡すほうは、関係の継続を目的としているでしょう。
関係が破綻してしまえば、渡したお金は無駄になったことになる。だから返してほしいと思う気持ちは、わからなくはありません。
確かに、「関係が終了したら返金する」という合意が両者の間で取れているのであれば、渡したほうは返してもらうことはできるし、もらったほうは返さなければなりません。
ですが、関係が継続している最中にこのような約束をしていることはほとんどないでしょうし、仮にしていたとしても口約束なのであれば、これを証明するすべがありません。
なのでやはり、渡したほうは返してもらうことはできないのです。
小室圭さんのお母様と元婚約者の方の金銭トラブルが世間の関心を引きましたが、別に借用書があるわけでもないようです。
そうすると、やはり、関係継続中に元婚約者の方がお母様に対して「贈与したお金」ということになるので、今更返せというのはどうなんだろうな…というのが私の感想です。
おそらく、法律家の中で同様の感想を持った人は少なくないと思われます。
お母様のほうに返す義務が法律的にあったとは考えにくく、世間からのバッシングはいわれのないものであったような気がしてなりません。
ですが、だからといって、「お金をもらった女の人たちは返す義務はないので安心してください」、「交際男性からバンバンお金をもらっちゃいましょう」とおすすめすることは全くできません。
気安くお金をもらうと、関係が壊れた時に、トラブルの原因になりかねないからです。
実際、返金を求められている女性の中には、相手から「金を返さないと○○の写真をばらまく」「親のところに行って風俗で働いていることをばらす」などと脅されるケースもあります。
確かに弁護士が介入すれば解決できることも少なくはありませんが、執拗に追い回される場合もあり、怖い思いをしなければならないのです。
ですので、安易に金銭の援助を求めたり、くれるお金をもらったりするようなことは避けてほしいと思います。
まとめていえば、男女関係に付随して安易にお金をやり取りするのはやめましょうということです。
ごくごく当たり前の話ですが、関係に入り込むと、自分のやっていることがそういうことだということが見境なくなります。
頭の片隅に置いてもらえるとよいなと思います。
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