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弁護士ポータルサイトについて考えてみる2022春

弁護士の営業活動について今まで何回か書いてきたテラバヤシですが、最近、ちょっと難しくなってきたなと感じています。

その一番目の理由が、ポータルサイトがなかなかうまく機能しないという点が挙げられます。

私は現在、3社のポータルサイトに登録していて、うち2つを稼働させています。
ひとつは有料プラン、もうひとつは無料プランのものです。

半年ほど前から、有料プランを利用しているポータルサイトのほうから、ほとんど問い合わせが入らなくなりました。
たまに問い合わせが入っても、事件化しない、すなわち受任につながらない内容のものがほとんどです。

そういう意味では、無料プランを利用しているポータルサイトのほうが、自分にとっては有益に機能しており、定期的にそちらを見たという問い合わせが入ってきます。

弁護士のポータルサイトは、基本的にはただ載せているだけではだめで、掲載しているサイト上のQ&Aに回答するなどして露出を稼ぐことが必要です。
Q&Aの回答は、相談者だけでなく、他の人々も見るものです。
回答を見た人が「この弁護士に相談しよう」と考えて問い合わせをしてくる…概ねそういう仕組みになっているかと思われます(もちろん、Q&Aの回答など見ずに住所などで検索をかけて問い合わせしてくる人も多いかと思いますが)。

実は現在稼働させていない(非公開設定にしている)ポータルサイトについては、もう何年も前に、有効に機能しないという事態が起こっていました。
問い合わせ件数が少ない、問い合わせが来ても事件化しにくいものが多い、そういう印象でした。
そのため、ちょうど自身が体調不良で、ちょっと仕事を抑えたい時期でもあったことから、無料プランに移行させた後で非公開設定にしました。

ポータルサイトへの登録は、弁護士の営業活動の基本のように考えられており、複数のポータルサイトの有料プランに登録しているという人も少なくないと思われます。

ですが、特にここ最近の状況でいうと、ポータルサイトに頼った営業活動はあまり生産的ではないと思わずにいられません。

なぜ、ポータルサイトは、弁護士の営業アイテムとして魅力を失ってしまったのでしょうか。

実はこの点に関しては、確信が持てる分析ができているわけではありません。が、いくつか思い当たる節はあります。

1つは、ポータルサイトの数が増えてすぎたということが挙げられると思います。
何社もポータルサイトができてしまったせいで、これまで、数少ないサイトに集約されていた相談者がいろんなサイトに散ってしまった。
そのために、ひとつひとつのサイトで、弁護士側から見て受任につながると思われる案件が少なくなってしまったと言えるのではないでしょうか。

もう1つは、ポータルサイトに登録する弁護士の増加ということも言えるかと思います。
数多くの弁護士が登録するようになった分、受任につながる件数がひとりの弁護士にくるケースが減ってしまうということも挙げられるでしょう。これは1つ目の問題とあるいは裏返しといえるかもしれません。

また、多くの弁護士がポータルサイトに登録するようになったことで、競争という意味での差別化の意義が、ポータルサイトにはすでに失われたといっても過言ではないかもしれません。

弁護士も(特に都市部では)、ウェブ上で何らの広告も出さずに依頼を待つことは難しくなっていると思われます。
ですが、だからと言って、(値上がりしている感がある)ポータルサイトに登録しまくって顧客を取るというのも、現時点では選択肢として正解とはいいがたい状況なのではないかなと思います。

弁護士の営業、広告は、難しい時代に入ったなと感じています。
今後、どういう媒体が有効になっていくのか。
どう差別化を図っていくのか。

大規模事務所だけではなく、個人レベルでも、ある程度のマーケティングというものを行って対処していく必要があるのではないか。
そんな風に思う昨今なのでありました。



by terarinterarin | 2022-03-10 15:13 | 広告 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


by terabayashi