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金に目がくらんでヤバいことに手を出している弁護士ってもしかして結構いるんじゃないかと思った件

つい昨日のこと。
事務所の別な支店の弁護士から、とある情報提供がありました。

大阪のある弁護士が、債務整理の相談をとある会社に継続反復して対応させ、それによって多額の報酬を得ていた件で業務停止3か月の懲戒を受けたという情報でした。
ネットニュースのURLもついていました。

この件が情報提供されたのは、当事務所が債権回収業務をしており、委託を受けている債権の債務者に業務停止を受けている弁護士が代理人として介入している可能性があるからでした(調べたところ複数介入していました。)

この弁護士が所属しているのは、弁護士法人で、法人の方は懲戒請求されていませんでした。
私は、その法人のウェブサイトを検索してみました。

代表はなんと76期で、ウェブサイト上の写真を見ると、まだまだ初々しい、新人然とした表情をしていました。
にもかかわらず、こちらの弁護士法人、既に支店を出していることも判明。
そして、懲戒された所属弁護士は60期台でした。

懲戒された60期台の弁護士が繋がりがあった広告代理店か何かが入り込んで、訳も分からない新人弁護士が代表に祭り上げられ、あれよあれよという間に「拡大させられた」という構図が頭に浮かびました。

60期台の弁護士だけが、会社とパイプを持って債務整理をしていたとは考え難く(現に、この法人の主力業務に債務整理がありました)、近いうちに法人も懲戒されるのではないか…もうヤバい香りしかしないと、背筋が寒ーくなったのでありました。

最近、若手の弁護士が、急速に事務所を大きくして、債務整理を大規模にやっている件をいくつか目にしているのですが、どれもこれも似たような構図なのかなという気がしています。

稼がせてあげるよと広告会社やコンサルタントに入り込まれる→広告料やコンサルタント料の名目で多額の資金を持っていかれたうえ、「儲かるように事務所を動かしてあげる」という名目で、事務所業務全般を広告会社やコンサルに牛耳られるようになる→非弁提携で懲戒される頃には、すっかりお金を吸い上げられて事務所はすっからかん

つまり、ミネルヴァの件は、決して特殊なものではなく、弁護士業界に蔓延する「食い物にされる法律事務所」問題の氷山の一角でしかないのではないか…そんな風に思えてなりません。

といっても、こういうのは、首都圏とか大阪とか、弁護士人口が多いところだけの話だろう…と思う方もいるかもしれませんが、私は、札幌でも、とある業界と癒着して仕事のやり取りをしているとしか思えない「コラボ」事務所のウェブサイトを見てしまったのでありました。
あれは、99%、提携先になにがしか払っている…(名前を出すとこちらが懲戒請求されかねないので、ここは伏せたいと思います)

最近の若い弁護士を見ていると、ある程度のお給料を払ってくれる事務所に入ったり、企業に入ってインハウスロイヤーになる地道系と、「一旗揚げて金儲けしたい」系と極端に分かれるように見受けられます(面白いことをやってやろうという「ベンチャー」系もいますが)。

広告会社とか胡散臭いコンサルタントとかに入り込まれるのは後者の方で、弁護士倫理とか全然身についていないうちに騙されて吸い上げられていくのが、もうお決まりのコース化しているようにしか思えません。

確かに、我が業界は、普通にやってると儲からない業界になったと思います(私は儲からない弁護士です)。
だけど、普通にやっていれば食うに困らない業界であることは変わりないと思っています。

弁護士になって儲けたい、儲かりたいと思い過ぎないのが良いのではないでしょうか。
確かに今は弁護士になった時点で数百万の借金抱えている人も少なくないでしょうが、地道に返せばいいんですよ、そんなもの…

なんだか深い闇が実は自分の周りに蔓延しているのではないか、そんな恐怖心を抱いてしまう、昨今の弁護士業界だったりするのでした。




by terarinterarin | 2024-05-21 15:29 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


by terabayashi