私が今在籍している事務所は、主力業務が債権回収です。
電話の一次対応は事務方にしてもらっていますが、局面的に弁護士の対応が必要な場合や、電話をかけてきた方が希望する場合には、私が出て対応することも少なくありません。
また、電話の内容はすべて記録されていて、どのようなやり取りがあったかは一覧できる仕組みになっています。
残念ながらエスカレしてしまった場合に、初動の電話対応が正しかったのかが議論になることもあります。
そんな風に割と常に?カスタマーの方との電話のやり取りに意識が向く毎日を送っています。
そんな中で気が付いたことは、なんのことはない?電話のやり取りからも、向こう側で話をしている人のモラハラや経済的ハラスメントが匂ってくることが結構あるということです。
女性名義の未払いについて、夫を名乗る人物が電話をかけてくることがたまにあります。
未払の問題は個人情報に分類されるものでもあるので、当事者じゃない方が連絡をしてきた場合には、ご本人が隣にいるか、了承は得ているかということを確認します。
そうすると、そのこと自体に立腹する人もまあまあいたりします。
また、妻の債務の問題であるにもかかわらず、非常に細かいことに立ち入って頭ごなしにこちらを糾弾してくる方も少なくありません。
これらのことから見えることは、家庭内のお財布を夫が握っているのだなということ。
妻がどういうことにお金を使っているか、夫が常に監視をしている可能性があること。
場合によっては、本来は自分名義で契約すべきものを妻名義でさせていたりするのだなということです。
夫が財布を握っている、夫が妻のお金の使い道を監視しているケースでは、こちらの回答次第では、その後、夫が妻を詰めることになるでしょう。立派なモラハラへとつながっていく可能性大です。
本来夫名義で契約すべきものを妻名義で契約していた場合には、そもそも自分が支払うべきもtのを妻に支払させているのですから、経済的ハラスメントと言える場面もあると思われます。
同業者の方の中にはご存じの方も少なくないと思いますが、私は元々個人、すなわち消費者・債務者側をやっていた弁護士です。離婚問題もたくさん扱ってきて、様々な形の「ハラスメント」を見てきました。
そういう経験があったからこそ、違う側面から夫婦を覗いたときに、ハラスメントの問題が匂うことになったのだと思っております。
とはいえ、立場上、その夫婦のハラスメントの問題についてテコ入れするところまでは、我々の事務所が考えるべきところではありません。
できることといえば、原則どおり「個人情報なのでご本人にお話しすべき内容」という部分をできるだけ貫くことなのかなと思っています。
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