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杖つき生活になって感じたこと

9月29日のお昼前に骨折しました。
地下鉄駅の階段でけつまずいたのです。
身を起こしてすぐ、左足の親指に激痛が走りました。

自宅が近かったので一度帰り、靴下を脱いだところ、すでに親指は腫れていて曲がらなくなっていました。
これは折れたかなと思い整形外科で診察してもらったところ、やはり親指にひびが入っていました。

本当は安静にしていた方がよかったのでしょうが、あいにくその後数日間は外せない仕事が入っていました。
当初、左足はただのサンダルを履いて、引きずりながら歩いていました。
その後、アマゾンで骨折用のサンダルを買い、整形外科から杖を借りて、外出時には利用するようになりました。

杖をついて歩く生活になって強く感じたのは、道行く人は、基本周囲を見ていないということでした。

歩きスマホ人口が思っていたより多かったのもそうですが、音楽を聴きながら歩いている人も自分の世界に入って周りを見ていません。
複数で連れ立っている人はおしゃべりに夢中で周りのことには無関心だし、お年寄りは自分の足下を見るのに精一杯。
よそ見をしながら歩いている人も多くて、この間ぶつかられたことも数回ありました。

杖を持たないよりは持っていた方が道を譲ってくれる率は高まりますが、それでも、本当にすぐ近くに来るまで私が杖をつきながら歩いていることに気づかない人も少なくありません。

地下鉄に乗っても席を譲ろうとしてくれた人は、これまで一人しかいませんでした(すぐに降りるので辞退しましたが)。
足を引きずっている私に席を取られまいと小走りで着席した人がいて、あきれたこともありました。

よく日本はおもてなしの国とか、マナーがよい人が多いと言われますが、杖をつく生活になって私が感じたのは、全然そんなことはない、「障害がある人やお年寄りには冷たい国」だということです。

気がつかないんだから仕方ないという人もいるかもしれません。
しかし、気がつかないことは「無関心」であるということです。
そして、無関心というのは、ある意味罵声を浴びせるよりもたちの悪い冷酷さだと思います。

私自身は、これまで、体が不自由な人やお年寄りには配慮してきたつもりでしたが、まだまだ足りないかもしれないと思いました。

バリアフリーだなんだという前に、もう少し日本に暮らす人が優しくなるのが、障害がある人たちが暮らしやすくなるために必要だとしみじみ感じています。



by terarinterarin | 2025-10-20 13:12 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


by terabayashi