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本日、Twitter上で、とある実名アカウントの弁護士が、とある弁護士を堂々とディスっているのを目の当たりにしました。

ディスられた弁護士は、一応ニックネームを使っていますが、本名も明らかにしているので、「どこの誰であるか」をすぐに特定できます。

しかも、どちらの弁護士もフォロワーが1000や10000の単位でいる「それなりに有名垢」の弁護士です。
そして、ディスった内容というのは「○○弁護士には…思想性を感じない」とか「今までの友達に裏切られた拗らせ」とか、民事で(ほんの少額でも)慰謝料請求が認められる可能性がありそうな侮辱・名誉棄損を含んでおり、かつ懲戒請求されたら戒告くらいはくらいそうな内容なのであります。

さらに、ディスった方の弁護士は、ディスられた方から謝罪要求され、複数垢から非難されているのですが、無視を決め込んでいるのか、全く反応していません(仕事が忙しくてというのはこの際なしですね。いわゆる法クラの弁護士って、仕事が忙しいはずの時間帯でも盛んにツイートなさってますから)。

私も4,5年前に、とある弁護士(実名垢)からツイッタ上で誹謗中傷されたことがありました。
腹に据えかねて、Twitter上での謝罪と関連ツイートの全削除を求め、対応しない場合には懲戒請求も辞さないと通告しました(おそらく戒告くらいにはなるだろうと思いました)。
そうしたところ、その弁護士は、さすがに懲戒請求されたらまずいことになると踏んだのか、私の要求を飲みました。それで私も留飲を下げました。

逆に私は、Twitter上で、事件に関するツイートを当事者や代理人が誰であるか全く特定できないようにツイートしたところ、相手方から懲戒請求されたことがありました(高葛藤事案でした)。
懲戒はされませんでしたが、高葛藤事案で不用意なツイートをしたことが懲戒請求を招いたことを反省し、以来、事件に関するツイートは一切しないようにしました(その後実名垢も削除しました)。

今回の実名垢ディスリ弁護士や、私をディスった弁護士を見ていると、SNS上で、法的な知識や見解、実務的な視点などを公開しているうちに、自分がイケてる存在になってしまったかのような錯覚に陥り、何をしても大丈夫という万能感を持ってしまうのかもしれないと感じています。

その結果、どういう場面でどういう発言をしたらどういう事態になるリスクがあるのか一番わかるはずの弁護士が、盲目に陥り、リスク管理が全くなっていない「特定個人をディスる発言」をSNS上で堂々とやってしまうわけです。

件の弁護士は、さっさと謝罪して、該当ツイートを削除するのが賢い選択だと思います(まあ、該当ツイートはスクショされて既に証拠として保全されていますが)。

人の振り見て我が振り直せ。
私は(過去にとある運動を厳しい言葉で避難したことはありますが)特定の誰かをSNS上でディスるようなことは絶対にしないと誓おうと思います。




# by terarinterarin | 2023-05-08 19:00 | Comments(0)

刑事弁護から離れた理由

札幌弁護士会に登録替えして早4か月が経ちました。

現在の業務はこれまでの業務と全然異なり、裁判官や調停委員と丁々発止のやり取りをする現場に出向くことはごくわずかになっております。

意外に思われる方もいるかもしれませんが、国選弁護人・付添人の名簿には登録していません。
私選で声がかかることはあったとしても、刑事弁護の世界からは距離をとることになりました。

今の事務所で国選の刑事弁護の仕事をしないでくれと言われているわけではありません。
個人事件の受任は全く禁じられていないので、国選の登録も法テラスとの契約も全く自由です。

しかし、自分の判断で国選の登録をしませんでした(ついでに法テラスとの契約も解除しました)。

理由は、刑事弁護の世界から一旦離れたいなと思ったことにあります。

前事務所の北千住パブリック法律事務所には、刑事事件にコミットしたい弁護士がたくさんいました。
若手の弁護士が、堂々と警察官や検察官、裁判官と渡り合い、被疑者被告人の利益のために活動する姿は、とてもまぶしく映りました。

一方で、刑事弁護の世界がとても不自由に感じられていたのも事実です。

捜査段階では、黙秘が正義。
法廷では、ペーパーレスの弁護活動が正義。
そこから足を踏み外すことは絶対悪であるという風潮がそこはかとなくまん延していて、身を置くのがつらくなってしまったのです。

確かに黙秘は有効なことが多いです。
私自身、被疑者に黙秘をしてもらって、不起訴になったことが何度もあります。

しかし、黙秘ができない人も少なくありません。
コントロールがしにくいいわゆる問題児ばかりでなく、気が弱くて捜査官の圧に耐えられないという人が少なからずいるのです。

また、事件によっては、捜査段階で正直に話す方が有利な場合もあるでしょう。
実際、黙秘せずに話したことが功を奏して不起訴になったと思われる事例も経験しています。

そうであるにもかかわらず、どんな被疑者でもどんな局面でも黙秘絶対であるかのような風潮がまん延し、「今日も黙秘に失敗した」と嘆く(純粋な)若手弁護士を何度も目にしました。
その度に、目的と手段が逆転していないか、と言いたくなったものです。

また、法廷での弁護活動についてもペーパーレスが絶対ではないと考えています。

私は、一時、裁判員裁判でこのような法廷技術を推進する日弁連の委員会で活動し、各弁護士会で講師の仕事をしていました。
ペーパーレスでの弁護活動の目的は、冒頭陳述や弁論にあたっては、裁判官や裁判員を引き込んで説得することにあり、尋問の際には、証人や被告人の受け答えに機敏に反応し、裁判官・裁判員に尋問内容をしっかり頭に入れてもらうことにあります。

その目的から考えると、ペーパーが必要な時・あったほうがいい時が存在します。

全ての審理が終わり、評議にあたって法廷での弁護活動をリマインドしてもらうのに、手掛かりになるペーパーがあることが有用になる場合はあるでしょう。

裁判員裁判以外の「職業法曹」しか参加しない裁判で、ペーパーレスを貫徹する意味は、ほとんどないようにも思えます。

こちらも、「何が何でもペーパーレス」と目的と手段を逆転して考えている(純粋な)若手弁護士が何人もいました。

そして、若手弁護士がそんな風になってしまっているのは、ある意味洗脳的に、一定の型のみを是とし、それ以外の弁護活動はまるで悪であるかのように扱う刑事弁護人が少なくないからに他ならないように思うのです。

そんな刑事弁護の世界が、私には息苦しく感じられました。
(黙秘やペーパーレスが原則であり望ましいのは事実ですが、常にそうあらねばならないというのは違うだろうという意味です。)

北パブに所属していた際に最後に担当した裁判員裁判では、ご一緒した先輩弁護士が、黙秘第一主義、ペーパーレス第一主義とは真逆の、非常に柔軟な弁護活動をなさっていました。
そうして、一定の成果を上げることができました。

ああ、これでいいんだよな、と思えました。

黙秘絶対、ペーパーレス絶対、それ以外は悪というような刑事弁護の中心にいる人々の姿勢(あるいは、刑事弁護の中心にいる人々が醸し出す雰囲気)は、このように、一定の型にはまらず、自分なりのやり方で成果を上げてきた、古くからの刑事弁護人の積み上げを否定するものであるようにも思えるのです。

じゃあ、あなたも気にしないで、自分の思うとおりにやればいいじゃないと言われるかもしれません。

「自分なりの刑事弁護」をすることにびくびくしてしまう自分がいるのです。
「これが私のやり方です」と堂々とふるまうことが難しいのです。
「黙秘絶対・ペーパーレス絶対」を標榜する人たちに非難されるのも嫌ですし、主流派?に寄ってかかってこられては、きっと勝てないと思うので…

ですので、少なくとも当面は刑事弁護の世界から離れて弁護士の仕事をしようと思います。

黙秘もペーパーレスも、そうでないことも柔軟に取り入れた「私の刑事弁護」と堂々と言えるような気持ちになれたら、国選の名簿に登録するかもしれません。

それまでは、静かに、少し離れて、刑事弁護の世界を眺めることにしようと思います。


# by terarinterarin | 2023-04-03 19:00 | Comments(0)
何度かこのテーマで書いていますが、今日は相談者の側から見たポータルサイトについて書いていきたいと思います。

現在私が所属している事務所は、事務所の案件に対応するのが主であるため、弁護士ポータルサイトなどを使って露出を稼ぐ必要はありません。

しかし、自分としては、いざというときの法律相談の勘所を忘れたくないという気持ちで、毎日とあるポータルサイトを覗いて、寄せられた相談に答えています。

ポータルサイトに寄せられている相談の中には、少なからず、Q&Aにおける弁護士の回答で「最終判断をしたい」というものが見受けられます。

つまり、お金をかけずに、自分の疑問に対する答えを見つけたいと考えている人が多いのです。

もちろん「実際に法律相談を受けるまでもない」問題もありますので、そういう疑問をお持ちの方にとっては、それは間違いではないでしょう。

しかし、基本的に、弁護士が相談者の事情に応じた回答をするにあたっては、個別具体的な情報を本人から収集する必要があります。
場合によっては、メールやLINEのやり取りなどの証拠を確認する必要がある場合もあります。

ポータルサイトのQ&Aでは、弁護士が確定的な回答をする情報が圧倒的に不足しています。
そこで弁護士がしている回答は、あくまで「そこに書かれている事情を前提にした場合の仮のもの」でしかありません。

自分の事情に即した回答を得るためには、やはり、法律相談料を払い(現在は無料相談のところもありますが)、原則的には弁護士の元に足を運んで、必要な証拠を持参して、聞きに行く必要があるのです。

私がポータルサイトで回答する場合には、相談者が実際に弁護士に法律相談に行く気になるように書くことを心がけています。面談で相談することを提案することが非常に多いです。

そういう気持ちでいる弁護士は私だけではないようで、他の弁護士の相談を読んでいても、そういう回答をしている人が結構いる印象です。

なかには、詳細な事情を書きまくって(そのためやたら質問が長文)、精緻な回答を引き出そうとしている相談者も見受けられますが、正直なところあまり意味はないかなと思います。

まず、そもそも、そんなに長文の相談を読む弁護士は少ないでしょう。
また、読みにくくて聞きたいことが頭に入ってきません。
本来有料の法律相談で聴くべき話を「ただで済まそうとしている人」という印象が強く、あまり関わりたくないという気持ちが弁護士側に働くこともあります。
かえって、良質な回答を遠ざけている可能性があると思います。

ポータルサイトを使って法律相談をする場合、あくまで目安、基本的な知識を仕入れるくらいの気持ちでいてもらいたいと思います。

それ以上のことを知りたい場合には、やはりきちんとお金を払って、実際に弁護士に会うべきです。

「ただほど高いものはない」という言葉がありますが、法律相談に関して言えば「ただの情報ほど実際に使えないものはない」くらいに考えるのが良いのではないでしょうか。


弁護士ドットコムが広めたポータルサイトの世界は、弁護士の広告という意味でも法律相談のあり方という意味でも、(当時は)画期的なものだったと思います。

弁護士に「広告による営業意識」を植え付けましたし、法律相談をカジュアルなものにする意味がありました。

しかし、時が流れて、弁護士にとってポータルサイトはうまみが少ないものになったと同時に、一般の人から「専門的な知見を得るためにはお金を払うことが必要」という感覚も奪ったと思います(もちろん、この点に関しては法テラスの存在も絡んでいることは事実ですが)。


将来的に弁護士ポータルサイトはどんな姿になっていくのでしょうか。
いくつかのサイトはおそらく閉鎖されることでしょう。

そして、弁護士広告の主流は、事務所サイトへの誘導となっていくように思います。

いくつかの大手?事務所がやっているようなチャット相談のようなものが、案外主流になっていくのかもしれません。








# by terarinterarin | 2022-12-13 19:00 | Comments(0)
最近とある資格試験に合格しました。

公益社団法人日本愛玩動物協会が実施する、愛玩動物飼養管理士2級試験です。

愛玩動物飼養管理士とは、いわゆる「動物愛護法」の趣旨に基づいて、ペットの愛護や適正使用管理の普及啓発活動を行うために必要な知識・技能を持っている者と上記協会が認定登録したものです。

まだ試験に受かっただけで登録をしていないので、正式には「愛玩動物飼養管理士」を名乗れません。

ですが、試験の合格通知はありましたので、とりあえず「試験に受かった」とはいえる状況です。

この資格は、通信教育とセットになっているもので、教本で学んだあとオンラインのスクーリングがあり、課題を提出して、最後に認定試験を受けるという仕組みになっています。

勉強を始めてから認定試験まで7~8か月の長丁場でした。

試験の合格率自体は8割程度と高いですが、教本は分厚いものが2冊ありますし、スクーリングも2週間のうちに6本視聴しなければならない、提出課題も設問数が多い…というわけで、怠けていては取れない資格です。

また、ネット上では「課題を提出していれば簡単」と言われていた最後の認定試験も、案外設問がひねっていて難しく感じ、終わった直後は「落ちたかも」と思うほどでした。

弁護士のダブルライセンス、トリプルライセンスも昨今は珍しくありません。
公認会計士、税理士、中小企業診断士、社労士、宅建などなどいろんな資格をお持ちの方が結構いらっしゃいます。

とはいえ、愛玩動物飼養管理士を持っている弁護士は極めて少ないだろうと思います。
過去にネット上でひとりふたりおみかけしたことはありますが、その程度です。

また、この方たちは、ペット関係の法律相談や依頼を受けることが多い弁護士のようでした。

私の場合、そのような事情はなく、単に自分が過去にハムスターを飼っていたり、地域猫と仲良くなって、猫の保護や地域猫活動に興味が湧いてきたという事情があって、この資格を知りました。

元々動物や生き物が好きで、飼育本を読んだりするのも好きだったので、その延長で受講受験を決めたという感じです。

この先も、これを仕事に活かしていこう!!と意気込んでいるわけではありません。
興味があったから受けた。ただそれだけです。

勉強はとても楽しいものでした。
教材を読むのはとても興味深いものでした。
動物愛護の歴史や、現在の動物問題、動物観の変化など、知らないことを知ることができました。

認定試験前は、引っ越しや新たな事務所での執務開始と重なって、あまり勉強時間が取れませんでしたが、それでもできるだけのことをやりました。

この先1級が待っています。
最近まで1級まではいらないかななどと思っていましたが、2級に受かると、ちょっと考えも変わってきました。

どれだけ時間が取れるかわかりませんが、もしかするとチャレンジするかも。

ちょっと考えてみようと思います。


# by terarinterarin | 2022-12-07 19:00 | Comments(0)
先日久しぶりの復活をしたこのブログ。

実は7月以降10月末まで非公開にしていました。

どうして非公開にしていたのか、どうしてテラバヤシは札幌に帰ったのかなどについて、今日はお話しすることにしたいと思います。


そもそものきっかけは、昨年の秋から冬にかけてのことでした。

父が脳梗塞で倒れました。

幸い麻痺は残らなかったものの、2回入院し、失語症や記憶障害など、若干不便を感じる後遺症が残りました。
入院中はコロナということもあり、家族はほぼお見舞いに行けない状況でした。

私はひとり東京で、何の手伝いもできず、悶々としていました。

母も体は本調子ではありませんでした。

元々、札幌を離れたときからいつかは帰ろうと思っていました。
このことをきっかけに、そろそろ帰ろうかなと考え始めました。

とはいえ、その時点で私はハムスターを飼っていました。
ちょうど2歳を迎えた頃でした。
ハムスターとしては高齢に差し掛かっていました。
この子を飛行機に乗せて連れていくわけにはいかない。

だとしたら、この子を見送ったら、私は札幌に帰ろう。
そう心に決めました。

ハムスターは、今年の4月末に老衰で亡くなりました。

私は、その後、札幌にUターンするための転職活動を開始ししました。
そして、今の事務所と出会い、内定をいただくことができました。


内定をいただいた後、私は「懲戒請求を受けないようにしなければならない」と考えました。

移籍するに際しては、東京弁護士会から札幌弁護士会に登録替えしなければなりません。
懲戒請求されると、その事案が終結するまで登録替えできないのです。

SNSやブログの記事は、嫌がらせや面白半分の懲戒請求のかっこうの的になります。

私は、登録替えのお知らせをぎりぎりまで行わないことにするとともに、ブログをいったん非公開にして、懲戒請求のリスクを少しでも減らそうと考えました。

そうして7月に非公開にしたのです。

実は、全く別方向から、しかも移籍直前に懲戒請求されるかもしれない事態が発生したのですが(私に落ち度がないことは周囲に理解してもらっています)、無事にその件も乗り越え、登録替えして、今の事務所に移籍することができました。

今の事務所はこれまで私が携わってきたこととはかなり違う業務を手掛けるところとなります。

執務の内容ややり方、時間帯も違います。

なので、更新頻度にも影響が出ると思いますが、今後もできる範囲で、ブログでの発信をしていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。



# by terarinterarin | 2022-11-14 20:00 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


by terabayashi