人気ブログランキング | 話題のタグを見る
体調不良からカムバックした寺林です。
この間、ブログを読んだ方や依頼者の方から、お見舞いのメールなどをいただきましたので、まずはご報告(とはいえ、まだ、食事量をなかなかあげられずにいます…一汁一菜でちょうどよいくらい。とほほ…)。

さて、体調不良で臥せっていた間から復帰し始めたころ、東京あたりでは、ちょっと物騒な事件が相次いでいました。
例えば、池袋の脱法ハーブ暴走事件。同じく池袋の発砲事件。そして、渋谷の刺殺事件。

こういう事件が起こると、普通のみなさんは「怖い」、「池袋、渋谷方面に行くのはやめようかな」などなどと考えるのでしょう。
私の両親もこの類のことを考える人間で、こういうニュースが流れるたびに「行動には十分気を付けて」とか「人通りの少ないところは通らないように」という注意喚起メールが、絶対に必ず送られてきます。

そして、当の娘はというと、こういうニュースが流れるたびに思うのは、多くの場合、

誰が弁護人になったんだろう?

です。

以前も書きましたが、私は今まで刑事事件を担当することが多かったことなどもあり、刑事弁護の達人のみなさんと幸運にも知り合いだったり、お名前だけでも存じているという方がたくさんおります。
それ程著名でなくても、刑事事件を熱心におやりになっている弁護士もたくさん知っています。

ニュースで流れちゃったような事件で、特に被害者の方がお亡くなりになっているようなケースだと、警察の取り調べも厳しくなることが予想されます。
こういう場合、被疑者の防御活動のために、弁護士会の刑事弁護委員会から「委員会派遣」という形で、いわば押しかけ女房的に早期の段階で、弁護士が接見に送られることも少なくありません。
送られるのは、当たり前の話ですが、力のある優れた弁護士(=達人たち)です。

で、「当然、委員会で派遣してるよなあ」「誰が行ったんだろなあ」なんて考えていて、後日誰が行ったか分かると、「ああ、○○さんが行ったんだ…あれは大変だぞ~」なんて考えたりするのです。

別なバージョンもあります。
多くの弁護士会では、「当番弁護」といって、主に逮捕された直後の方から接見要請が弁護士会に寄せられた場合に出動する弁護士や国選弁護人の指名については、名簿制になっていて、待機日が決められています。

自分の待機日の前日あたりにこういう事件が起きて、直に犯人が逮捕されたりすると、「もしかして、私のところに来る?」などとドキドキした気持ちになります。
ぎりぎりセーフで、待機日を免れると、なんとなく安堵する…ということになります。

誤解のないように言っておくと、別に怠惰ゆえに安堵しているわけではなく、こういう世間の耳目を集める事件を担当すると、被告人の防御活動以外に気遣わねばいけない点なども色々と生じるため、それなりの覚悟と気合が必要なのです。だから、目の前を台風が行き過ぎてくれると、ほっと一安心…なんてことになるのです。

名古屋時代は、「ビンゴ~」なんていうこともたまにありましたが、東京に戻ってきてからは弁護士会の人数も比べ物にならないくらい多いので、「ビンゴ~」も少なくなりました。

とはいえ、優秀な達人のところには、自然、そういう事件は何らかの事情により集まってしまうわけで、気苦労の多い事件ばかり担当されている弁護士には、「お疲れ様です」の一言ではくくりきれない慰労の気持ちを持ってしまうのでした。






# by terarinterarin | 2014-07-10 15:24 | Comments(0)
前回の記事で、「胃腸をやられてお休み中」という話を書きましたが、実は、この話、真相を話すと、結構シャレにならない事態でした。

私の腹部に異変が生じたのは水曜日夜。夕食を食べ終わるか終らないかのことでした。
木曜日、病院に行こうと思いましたが、アレルギーの治療でいつも行っている病院が休みで、仕方なく別の病院に行きました。
そこでは、血液検査をして、点滴もして、薬を2種類出されました。

が、翌日になっても、まあ、小康状態と言えば小康状態だけれども、なんだか良くなった気がしない。お腹痛いし。
夕方まで様子を見ましたが駄目だったので、思い切って、かかりつけのお医者さんに、もう一度診断を受けました。
先生、開口一番、「どうしてこの検査結果でこんな薬出しているのかわからない。これじゃ、かえって悪くなる」。
つまり、診断ミス、治療ミスをされていたわけです。

急ぎ、徹底した触診と問診が行われ、別なお薬を出してもらいました。さらに、木曜の医者からは「ヨーグルトやアイスクリームは食べていい」と言われていたのですが、それも大間違い。乳製品厳禁。ウィダーinゼリーと白粥、素うどんのみ食してよし、という、生きている楽しみの8割を奪われる指示を出されてしまいました。

が、おかげさまで、腹部の調子はかなり回復し、今日も事務所に出勤できています。

さて、「最初の医者が診断ミス・治療ミス」と聞いて、私は一瞬頭にきて「治療代返せや!!」と思いました。これ、普通の人なら、そう思うのではないかと思います。

実際、最初の医者の診断ミス・治療ミス(つまり過失)が立証できれば、この医者の治療のためにかかった診察料・治療費・検査代・薬代は間違いなく回収できるはず。

かかりつけの医者による治療に費やした費用(診察料、薬代)は請求できるだろうか?「正しい判断がされていれば、必ず払うべきだった費用」となれば因果関係なしで請求できないかもしれない。
ただ、誤診のために余計にかかった費用があるのならば、それは請求できるはず。

精神的にも苦しんだわけですから、慰謝料もとれるはず。

そして、肝心の「最初の医者の過失」については、かかりつけの先生が開口一番あんなふうに言うくらいなのだから、それほど苦労しないのではないか、というのが弁護士のカン。おそらく専門書数冊に当たれば立証は可能ではないか…と思われます(見通し甘いかな?)

じゃ、請求するか?という話になりそうですが、そんなことは、致しません。

だって、「あなた、誤診だったから治療代返してください」なんて医者に請求したって、拒否されるのは目に見えてるわけで、そうすると少額訴訟という簡易な方法を採れるとはいえ、訴訟になってしまうわけです。
請求額、どう高く見積もっても、治療費は1万円以内です。
慰謝料含めたって、苦しんだの数日ですから、せいぜい総額なんて2、3万。
まあ、印紙代は1000円ですし、予納すべき郵便切手を含めて費用的にそれ程かからないとはいえ、このためにわざわざ出頭するか?
裁判官に「訴状陳述しますか?」と言われて、すました顔で「陳述します」とか言うか?
他に仕事やって稼いだ方がいいんじゃないのか?
などなどと思っちゃうのです。

これが、いわゆる「泣き寝入り」というものなんでしょうか。
つくづく、他人と争うというのは、請求金額と費用とかかる労力のバランスで決まるものだなあと思いました。

今後の法律相談にも役立ちそうです。



# by terarinterarin | 2014-07-03 17:02 | Comments(0)
自慢じゃありませんが、体は決して丈夫ではありません。

子供のころ、季節の変わり目には必ずといっていいほど風邪を引いて熱を出し、学校を休みました。
高熱が出やすい性質で、ただの風邪でも39度くらい出るのは普通。
20代のころにはインフルエンザで死を覚悟したこともありました。

この仕事につく前後ころからアレルギー性の疾患がひどくなり、花粉症に咳喘息、一部の薬に薬疹が出る…などなど、困った症状が付随するようになりました。
アレルギー持ちは、市販の風邪薬は基本的に飲めません(アナフィラキシーで死ぬかもしれません)。
しかも、元々薬の副作用も出やすい性質…という厄介な身体。
仕事が詰まっているときに倒れてしまうと、この仕事、多方面に迷惑をかけてしまうので、私のような人間は、かなり気づかいが必要です。

弁護士になってからも何回か体調不良には襲われていますが、幸い大きな穴を仕事に開けたことはありません(小さい穴はありますけど)。
で、こんな私の体調管理のコツですが、「病院と仲良くなる」「休みをとる」ということです。
もう少し噛み砕いていうと、①かかりつけ医を作る、②具合が悪くなったらすぐに病院に駆け込む、③具合が悪いときは家に引きこもる、ということです。

アレルギー持ちで定期的にお薬をいただいているので、どこに住んでいても常にかかりつけ医はいます。かかりつけ医は、自宅近くが職場近くにあるのがベスト。今は自宅近くにあります。
私の場合、例えば「風邪だな」と思ったら、熱が出ていようがいまいが、できるだけ早く(仕事がなければ即効。あれば、その仕事が終わればすぐ)かかりつけ医の病院に飛び込みます。そして、しかるべくお薬をいただいて(私のような体質の場合、かかりつけ医だと薬の相談ができるので安心)、倦怠感がある場合で、かつ翌日の予定の融通が利く場合には、自宅でゆっくり過ごします。もちろん、最低限の仕事を自宅でしていることは多いですが・・・

また、普段も土日の両方あるいは最低どちらかは休むようにしています(接見対応が必要な場合は別)。これは、ひとり暮らしゆえの家事の都合等に負うところも大きいですが、やはり、体調の維持には「オフ」の時間を努めて作ることが大事だなあ、と思うので。

これで、大風邪を引くことはなくなりましたし、幸いインフルエンザでダウンということもありません。
不規則かつ休みなしでメタボ食満載でも体が動く体力がある若い?男性弁護士にはかなわないかもしれませんが、私には、この「細々」な感じが向いているような気がします。

ただ、同業者の間の私のイメージは違うようで、常にパワフルに動き回っている…という印象みたいですが。

さて、このように自分の体調管理には自信を持っていた私ですが、一昨日夜から胃腸をやられて、昨日本日とお休みをいただいております。
昨日は、病院で点滴を打って何やら重病感が出ていますが、万全ではないものの、一応回復傾向、といって問題ないかと…
とはいえ、2日も病欠するのは初めてのことで、まだまだ体調管理方法には改善の余地があるな、と思っているところであります。

ということで、この後は少しお休みします。




# by terarinterarin | 2014-06-27 13:14 | Comments(1)
こういう時事ネタについてパッと反応して気が利いたコメントを書ける性質ではなく、かつ、「こういう問題があった場合の法的対応」みたいなことは、おそらく機敏な先生方がお書きになっていらっしゃるだろうと思うので、テラバヤシは、ここ数日思ったことを、呑気に綴ることといたします。

セクハラに関する相談は、今までに何度も受けていますし、実際に訴訟をしたこともあります。
身近でそういう問題が起こったこともありました。

個人的に、セクハラは、①エロおやじ系と②人格否定系に分けられると思っています。
エロおやじ系というのは、職場で特定の女子に対して卑猥な言葉を投げかけたり、ボディタッチなどなどしたり、夜のお供を強要したり、というものです。
人格否定系は、結婚適齢期的な立ち位置や、それを過ぎた立ち位置の独身女性に対して、未婚であることをもって女として失格、みたいな趣旨の発言をするタイプのセクハラです。

今まで私が相談を受けたり受任したりした件は、全てエロおやじ系です。身近で起こったものは、どちらかというと人格否定系だったと思います。が、昨今のセクハラとして、後者は、あまり件数が多くないのかな、という印象なのです(もちろん個人的な印象なので、もっとこの手のヘビーな案件をたくさんやってらっしゃる弁護士からすると、違うという印象があるかもしれません)。

要は、エロおやじ系というのは、「エロい」という悲しいその男性のサガに基づいて発生してしまうセクハラなので、ある程度、教育的に抑えられる可能性はあるにせよ、普遍的に一定数発生してしまうものといえるように思うのです。

が、人格否定系は、要は、思想の問題。
世の中の「男女平等」「男女共同参画」みたいな機運の高まりが徐々に徐々に進んでいくにしたがって、「女は結婚して子供産んでりゃいいんだ」みたいな思想は誤りである、あるいは個人的にはそう思わないでもないんだけど、正面切っていっちゃまずいでしょという啓蒙がなされていけば、自然、減少・消滅するタイプのセクハラ、ではないかと思うのであります。

つまり、何が言いたいかというと、今回のこのヤジ、昭和の時代の中小企業かなんかで、仕事終わりに社内で適齢期の事務の女の子につまみ出してもらって、軽く一杯やってた課長とか部長とか、その辺のおじさんが、「○○ちゃ~ん、そろそろ結婚しないと~。いい人いないの~?」ぐらいなノリを引きずってるヤジだよな…と、いうことです。

今のこの時代に、欧米は男女平等とか女性の権利とかそんなものはあったりまえの話で、セクシャルマイノリティの権利保護というその先の問題の解決にもうとっくに取り組んでいるというこの時代に、ですよ。日本の首都東京都議会で、昭和のおっちゃん引きずったヤジが出てくるというこの事態。

一体、今まで私たち、何やってきたのかしら?とすべての土台を崩されたかのような脱力感を感じてしまうのであります。

ところで、このヤジを飛ばした人間を処分してほしいという要請に、「人物が特定できないから」という理由で受理がされなかったという話ですが、特定なんて簡単でしょ。というか、もうできてるでしょ。
自民党も、何白々しく、一人一人都議会議員をしらみつぶしに事情聴取とかやってるんだか…
隣で聞いてた人、前後ろで聞いてた人、告げ口しましょう、堂々と。

というか、あんなに堂々とヤジ飛ばしたぐらいなんだから、言った張本人、でてこいや!!(高田総統風)







# by terarinterarin | 2014-06-23 01:47 | Comments(0)
以前、このブログで、弁護士のカバンの中身について書いたことがありました。
要は、弁護士は荷物が重いと。いろんなものが入っていると。

その荷物を、テラバヤシが弁護士になってから、どのようなカバンで持ち運びしてきたか、そのプチ歴史についてお話ししたいと思います。

弁護士になったばかりのころは(注:最初の1年は東京で弁護士をしていました)、きちんと革のカバンを持っていました。
愛用していたのは、HIROFUの大き目のトートバッグでした。私の記憶では、オレンジとこげ茶色のものを使い分けていたような気がします。

革のトートの中でも結構大きな方で、自分も「これじゃ荷物が入りきらない」と思った記憶がありません。おそらくこのころは、これで足りていたんだろうと思います。

革トート生活は、名古屋に行ってもしばらくの間、続いていました。半年くらいは続いていたのではないかと思います。
が、そのうち、
「このカバンじゃ入らない!!」
「カバン自体が重い!!」
と思い始めるようになりました。

そうです。
刑事事件の件数がかさむにしたがって、持ち歩く記録がどんどんかさばり、必然的に荷物が重くなってきたのです。

それでも革のトートを使い続けていた私を、ある日悲劇が襲いました。

自宅に帰ってしばらくくつろいだ後、立ち上がろうとした時のことでした。
「ぴきっ」という音が聞こえました。
腰のあたりから聞こえてきました。
直後、痛みが走りました。
腰がほとんど曲げられない状態になりました。

もう夜遅くのことだったので、翌朝、当時たまに行っていた整体院に予約を取りました。
状態は、いわゆる「ぎっくり腰」で、骨盤が思いきり前方向にずれていると言われました。

1回目の整体で、恐る恐る動けば何とか日常生活に支障がない程度にはなりましたが、完全には治りませんでした。
2日後くらいにもう一度、1週間後にもう1度行って、なんとか治ったという状況です。

整体師の方からは、片側(私の場合、左)の肩にいつも重い荷物を持っているので、右肩が下がり、体の右半分が縮んだ状態になっていると言われました。当然、ぎっくり腰の一因になっていると…

単純な私は、荷物両肩に持って歩けばいいんだ!!という結論に至り、以後、仕事でリュックを背負うという生活に突入しました。

そのリュックは、「The North Face」の26リットルという、いわゆるガチ・アウトドア用で、さらに目の覚めるようなブルーにショッキングピンクにイエローというなかなかに明るい配色。
黒のリュックじゃつまらんと思った結果、この選択になりました。

さらに、当時の私は、背中までのロングヘアにきっついスパイラルパーマをかけてポニーテールにしていました(本当はロングのドレッドにしたかったのですが、美容師さんに髪質的に無理と言われて断念しました)。
そして、長距離移動が多かった当時の私の足元は、基本スニーカーでした。

パンツスーツにやけに派手なリュックを背負い、髪はもじゃもじゃ、ごついスニーカー…という「あの人、何してる人?」みたいないでたちは、このようにして生まれたわけです。

当時の私のいでたちを覚えている人もまだいらっしゃると思いますが、それなりの経緯と理由のもとにああなってしまったのだということを、この場を借りてお伝えしたいわけです。

さて、このような思いきったファッションにシフトして、私の腰の状態がどうなったかというと、実はさらにその半年くらい後にぎっくり腰を再発し、整体院のお世話になりました。
さらに、1年後くらいには、愛知県弁護士会館の裏で落ち葉を踏んで転び、ひざを痛めるという事態に陥りました。

なで肩のくせに大きなリュックに荷物をパンパンに入れて移動するという生活が、慢性の肩コリと背中痛の一因になっていたことは間違いありません。
(ついでにいうと、きっついスパイラルパーマは、髪を傷める原因になりました。)

リュックは万能ではありませんでした。

というわけで、今はすっかり更生し、黒色トートに夏場はワンピース、髪の毛はこぎれいなショートヘアという、まっとうな弁護士に戻ったのであります。
自分的には…








# by terarinterarin | 2014-06-20 17:17 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


by terabayashi