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通勤や移動の際に電車や地下鉄に乗っていると、たまに、女性の手荷物を見て、うらやましくなる時があります。

なんて荷物が小さいのだ!!

本当に手荷物が小さい人だと、20センチ四方くらいの大した厚みもないバッグひとつ…ということもあります。

我々弁護士は、女子といえど、ある程度の大荷物をしょって出歩くことを運命づけられているといっても過言ではありません。
とはいえ、女性用のバッグって、作りがきゃしゃで、あまり大きなものがありません。
そのため、複数のバッグを持ち歩いている人が多数。「ころころ」愛用者も少なくありません。

弁護士のカバンの中に入っているもの。
まず第一に、事件の記録です。裁判所に行くとき、警察署や拘置所に被疑者(世間的には容疑者、ですね)被告人に面会しに行くとき、その事件の記録を持ち歩いているのです。
これがかなりかさばる。基本的にはA4版のファイルになります。
そして、大事件になればなるほど、そのファイルはどんどん分厚くなっていき、場合によっては二分冊、三分冊、それ以上になるなんてことも。

もちろん、こういう紙データについては、全てPDF化してしまい、iPadなどのタブレット端末ひとつで対応しているという弁護士も最近は出てきました。しかし、紙データを全てPDFにするのは面倒だし、タブレット端末で見るときには、タグ付けとかファイルを別にするとか、必要な時に必要なデータをすぐに引き出せるようにしておく必要があります。その手間も、結構なものです(事務に説明するのもめんどう)。

さらに、クラウド管理するのも怖いので、端末に入れるとなると、容量の問題にも気を遣わねばならない。PDFは容量が大きいデータなので、事件が終わったタイミングで、マメに消去したりすることも必要です。

これが面倒くさくて、重いとは知りながら、紙データを持ち歩く人もいます。特に高齢の弁護士になると、おそらくついていけていない人が多数だと思いますし。

そして、パソコンを持ち歩いている人も少なくありません。
これは、事務所にいる時間が少ない場合に、移動時間や弁護士会の会議出席時間などを利用して、ちょこちょこ仕事をしようとする人に多くある傾向です。
特に刑事弁護中心の仕事をしている弁護士は、パソコン持ち歩いている人が少なくありません。

5,6年前までは、弁護士業界で圧倒的シェアを占めていたのは、パナソニックの「Let's note」でした。
何しろ、耐久性抜群なので、持ち歩きにはもってこいだったわけです。ちなみに私が今プライベートで使っているパソコンも、Let's noteです。

が、Mac Airの登場により、勢力図がガラッと変わりました。今や、Let's note派はやや少数派。
Mac Airの利用者がかなり増えています。また、軽いという点でウルトラブックのシェアがかなり伸びていると思います。

とはいえ、いくら軽いといっても、パソコンの重さは1キロ切れることはほとんどないわけですし、タブレットを併せ持つとなると、さらに、WiFiルーターが必要なんてことにもなります(なんと私の知人で、WiFiルーター2台持ちという人もいます)。

加えて、スマホに通話用のピッチに…とフル装備になっていくと、モバイル系の荷物だけで、2~3キロくらいは軽くいってしまう、という事態になるわけです。

もっとも、モバイルにここまでこだわっている人って、男性弁護士に多いことは確かですが…

寺林の場合は、PCは必要な時しか持ち歩きませんが、タブレットはいつも持ち歩いています。
300グラムないアクオスパッドを愛用しています。また、iPhoneには仕事用のアプリを結構入れているので、移動中に急な対応が必要となった場合、8割方はこの2つで足ります。

訴訟があるときは仕方ありませんが、例えば、単に記録を読むために持ち帰るという場合には、「4in1の両面コピー」という技を使って、記録を圧縮しています。
つまり、事務所の複合機で、4分の1の大きさに圧縮したA4の記録を表面に4枚コピーし、それを裏面にもやるという…
基本的に、資料なんかは紙で見ないと頭に入らないアナログなタチでありつつ、大荷物は持ちたくないというわがままな人間なもので、多少、紙が無駄になっているかなと心苦しく思いつつも、この方法を愛用しているのです。

が、最近、近視に加え、若干老眼気味のようで、薄暗い時には、4分の1に圧縮した小さな字が見えにくくなってきました…

結構頑張って荷物を小さくしているつもりなのですが、いつも「重いなあ」と思いながら、幅40センチくらいのトートバッグを持ち歩いています。

なんでこんなに荷物が重いんだろうと思ったら、お弁当と水筒のせいなのでした…

まあ、体が資本なので、これも必需品と言えば、必需品ですが。








# by terarinterarin | 2014-05-26 21:33 | Comments(0)
きっと、弁護士で同じネタで書いている人が結構いるんだろうな・・・

AKB48握手会で刃物男乱入のニュース。
衝撃的だったのは、人気メンバーの川栄李奈ちゃんと入山杏奈ちゃんが負傷したこと。
握手会って、考えてみたら危険極まりないイベントですよね。
今後、実施されるのかな。これ、AKBの伝統的な目玉企画ですけど・・・

今日は、事件を起こしちゃった人がその後どうなるのか、ということをお話しします。

この手の事件や通り魔事件などなど、「えっ」という状況で、人を傷つけたり殺そうとしたりする人は、一過性にせよ継続的なものにせよ、精神的な問題を抱えていることが少なくありません。

私自身も今まで刑事事件を割にたくさんやってきましたが、この手の事件の被疑者被告人の方々は、統合失調症とか、人格障害とか、その他もろもろの精神的問題を持っている人ばかりだったと言っても過言ではありません。

これは、精神科の医師に聞いたことでもあるし、自分の経験からもそうだと思うのですが、病気の重さと事件を起こすかどうか、どの程度の事件を起こすかということには、特に関連性はありません。
ごくごく軽い問題しかない人が、世間をにぎわすとんでもない事件を起こすこともあれば、普通に生きていくのがかなりしんどそうな重い重い疾患の人が起こすのが、かなりしょぼい事件ということもあります。
ここは、法律家としては、突き詰めても仕方ない問題かな、と思っています。

「事件を起こした人に精神疾患がある」となると、「責任能力」とか「精神鑑定」という言葉を思い浮かべる人も多いことでしょう。

まず、実際の裁判で、被告人の責任能力が争われることは、実は数の上ではそれほどないですし、まして「責任能力がない」と判断されて、その人が無罪になることは極めてまれです。

それは、責任能力がかなり危うい人については、逮捕されてから裁判にかけられ、判決を受けるという刑事手続のルートのどこかで、そのルートから外れうる仕組みがあるからです。

まず、前提として、事件の態様や事件と起こした本人の動機が突飛な場合、捜査機関は、その人に精神疾患がないかどうかを疑います。病歴が出てくれば、かかっていた病院に照会をかけますし、場合によっては診療録を取り寄せたりもします。そして、必要と判断した場合には、精神鑑定を行います。
この精神鑑定は、実は「簡易鑑定」と呼ばれるものと「起訴前本鑑定」と呼ばれるものに分かれます。

「簡易鑑定」は、読んで字のごとく、ごくごく簡単な鑑定で、多くの場合、各地の検察庁のお抱えの精神科の先生が1~2時間程度の問診と、検察官から渡された資料を基に責任能力の有無を判断します。
軽微な事件や、裁判員裁判対象の重たい事件でも「まあ、まず責任能力には問題がないだろう。だけど念のために」という場合に用いられることが多いという印象です。

この結果、責任能力に問題ありとなると、軽微な事件の場合には、その人は強制入院の一種「措置入院」という処分を下され、精神科に強制入院させられる場合があります。
理論的には、責任能力の問題だけではなく、その時点で「他害の恐れ」つまり他人に危害を与える恐れがある場合に、措置入院させられることになります。

重たい事件で簡易鑑定を実施した結果、責任能力に問題があるかもしれないなんて結論になったら、さらに詳細な鑑定を行うために、「起訴前本鑑定」を検察官の判断で行うことになるわけです。重たい事件の場合、検察官が病歴から必要と判断すれば、いきなり起訴前本鑑定を行うことも結構あります。

そして、起訴前本鑑定で責任能力がないなんて結果が出たら、検察官は、ほぼ100パーセント、その犯人を起訴しません。
殺人や現住建造物放火(人が現住している建物に対する放火)など、一定以上の重たい犯罪の場合には、不起訴処分とした後、医療観察法という法律に基づいて強制入院させるために、裁判所にその判断を求める申立を行います(まれに、起訴されて無罪判決が出た後にこの申し立てがされる場合もあります)。これが認められれば、犯人は入院させられ、手厚い体制で治療が施されることになります。

で、「措置入院」と「医療観察法に基づく入院」、どこか違うかというと、入院させることができる期間に大きな違いがあります。

措置入院は「他害」の危険がなくなれば、退院させなければなりません。治療が目的ではないのです。
ですから、極端な話、翌日に退院、なんてこともあり得ます(実際には、その後、家族や市町村長の同意によって医療保護入院というものを用いて引き延ばすことはできます)。
これに対して医療観察法に基づく入院は、治療が目的なので、入院期間は相当長期に及びます。

精神的に問題がある人のストーカーなんかの場合、逮捕しても責任能力がなければ措置入院、大人しくなったので退院させたら、またやっちゃって、また入院、なんてことの繰り返しになるわけで、ストーカーされている人にとっては、気の休まる時が一時だけ、という気の毒なことになってしまいます。

でも、日本の法律がこうなってしまっている以上、どうしようもない。

法律家でこういうことを言うと、「人権軽視!!」とかって怒られちゃうかもしれませんが、個人的には、医療観察法的な制度をもっと拡大することが必要なんじゃないかと思っています。要は、「病気がもとで他人に危害を加えそうな人は、徹底的に治療する」という制度を作るということです。

私が子供のころの日本では、こういう他人に危害を加えちゃいそうな人は、結構長いこと精神科に入院させられることができたのですが、人権侵害がどうだとかいう批判が高まったこととか、病院の過剰収容て国家予算が圧迫されただとか、あと医師不足だとか、その辺の理由で、おそらく「よっぽどまずい人じゃない限り社会内で処遇」という現行の法制度に改編されてしまったわけです。

で、そうしたら、通り魔だとか、今回みたいな事件だとかが頻発するようになってしまった。

ドイツなんかは、他害の恐れがある人については、病名が付かなくても隔離施設に入れられる制度があるそうですが、人権侵害云々という批判はあまり受けてないらしいです。
それは、施設内の処遇について徹底的なチェックを入れて、入院している人に対して不当な人権侵害が生じるのを予防しているからのようです。

要はバランスの問題だと思うのです。

人権人権って、そりゃ病気の人にも人権はありますが、普通に生きている一般人にも人権はあるわけで、病気の人の人権を守る結果、他の人々が危険にさらされるようなことになったら、元も子もない。
それに、その病気の人だって、好きで病気になったわけではなく、事件を繰り返して病院とシャバ、刑務所とシャバを行き来するだけの人生にさせられるのは、運命という一言で片づけるには、あまりにむごい。

人を傷つけないようにするために隔離して治療はするけれども、それ以外に不要な人権侵害はしない。
そういう制度を早いとこ立ち上げないと、この日本って国は、いつどこでどんなことに巻き込まれるか、どんなことをしでかしてしまうかわからない、悲惨な国に成り下がってしまう気がしてならんのです。




# by terarinterarin | 2014-05-25 23:39 | Comments(7)
わりにあっさり、ASKAさんが、覚せい剤をホントはやってたと認めちゃいました。

ウェブ上では、「SAY YESなのに否認なのか」とか「チャゲ&アンナカ」とかの小ネタがここ数日飛び交っていましたが、個人的には「否認は難しいよなあ」と思っておりました。

日本の刑事裁判では、無罪判決の率が非常に低い…というのは、わりと有名な話です。なかでも、覚せい剤使用の事件は、格段に無罪になる率が低いんじゃないかと思います。

覚せい剤の使用の疑惑で逮捕されたら、必ず尿検査をします。捕まった人が自発的に尿を出さなかったら、カテーテルという道具を使って、病院で強制採尿されます。
で、陽性反応が出たら、まずアウト。

陽性反応が出る→都合2週間以内くらいの間に覚せい剤(あるいはそれと同じ成分)を摂取した→覚せい剤は誰でも簡単に手に入るってもんじゃない→自分で手に入れて自分で使用した疑惑濃厚→疑惑を覆す事情がない限り、有罪

ということになるわけです。

こういう具合なので、尿検査の結果、「覚せい剤(あるいはそれと同じ成分)が体内に入ってしまったこと」が明らかとなってしまった人は、主に「自分で体内に入れようと思って入れたわけではない」という弁明を刑事さんや検事さん、果ては裁判官にすることになります。

もっともよく聞くのは、「自分が知らないうちに飲み物の中に入れられた」というものです。例えば、「同居している女が自分を陥れようとして、ジュースの中に知らない間に混ぜやがった」なんて言い訳です(注:覚せい剤の摂取方法は、注射、炙って煙を吸う、溶かして飲むに分かれます)。

大概、こういう場合、注射器なんかが家宅捜索で見つかったりして、アウトになります。私自身は担当した方にこういう言い訳をされたことはありませんが、修習生の時代に裁判傍聴で見たことありますし、友人が担当した人がこういう言い訳していたというのも聞いたことがあります。

当然、両方とも有罪でした。

あとは、「自分は嫌で抵抗していたのに、無理やりされた」というのもあります。例えば、彼氏が性交渉の前に気持ちよくなるからやろうと誘ってくる→いやでいやで抵抗する→体を押さえつけられて打たれるというストーリーなどです。

まあ、暴力を振るわれた形跡が残っていれば通りうるかもしれませんが、たいていは、責任のなすりつけと評価されて、勝てません。

そして、一時期流行ったのが「キムチをいっぱい食べて覚せい剤反応が出た」というもの。

これは、今までお話ししたのと違って、「覚せい剤はやってないんだけど覚せい剤の反応が出ちゃった」という否認です。
どうやら、キムチの中には、ごくごく微量の覚せい剤成分が入っているらしいのです。真偽のほどはわかりませんが…
で、たくさん食べたら、こんなことに…と弁明が、流行?した時期があったのです。私自身は経験していませんが、よく聞きました。

しかし、仮にキムチに覚せい剤と同じ成分が入っていたとしても、尿検査で陽性反応が出るには、気の遠くなるような量のキムチを食べなければならないわけで、こんなことを接見の際に言われたりしたら、弁護士としては、「さて、どうしたもんか。このまま否認させていいのか」とかなりひるみます。

特に経験の浅い新人さんなんかが、おそらく、何回もシャブでお縄ちょうだいになっているベテランさんにこんなこと言われた日には、もうどうすればよいのか、オロオロです。

テラバヤシとしては、キムチの話はともかく、「知らないうちに飲み物の中に入れられていた」とか「彼氏に無理やりやられた」という言い訳の中には、一定数、真実そうだというものが含まれているように思います。

特に、暴力団なんかだと(昨今の暴力団は表向き、シャブはご法度ということになっているようですが)、からかい半分というか、お遊び感覚で兄貴分が下っ端に飲ませることなんかもあるんだそうです。
多くの場合は、薄々勘付くのでしょうが、本当のお子ちゃまだと気が付かない場合があるんじゃないんでしょうか。

性交渉の際に無理やり…なんていうのは、もっとありそうです。

ただ、どれも密室での出来事なので、周りにシラを切られたら終わりになってしまうのです。

さて、ASKAさんは、当初「アンナカだと思ってた」と主張していたわけですが、どうして、自白しちゃったんでしょうか。
弁護士が説得したんでしょうか。
そうだとしたら、どうやって説得したんでしょうか。気になります。

なぜなら、弁護士としては、「自分の依頼者の言い分を信じる」というのが、まずは活動の大前提になるからです。
なかなか正面切って「あんたの言ってることは信用できない」なんて言えないのです、よっぽどのことがない限り。
トラブルになるリスクが、髙いですから。

いずれにせよ、ASKAさんの弁護士さんは、片山さんの弁護士さんと違って、逐一報告しないところが正しいと思います。
言い分がどう変わるかなんて、わからないのです。
そして、しゃべればしゃべるほど、余計な尾ひれがついて、週刊誌のネタにされるのです。
ASKAさんや周囲の人のことを考えると、絶対にしゃべらないほうが賢明です。

守秘義務を負っている弁護士が、べらべらと依頼者とのやり取りやプライベートを、世に吹聴すると、ろくなことにはならんのです。










# by terarinterarin | 2014-05-24 01:13 | Comments(0)
はじめまして。

本日からブログを始めました。
弁護士の寺林智栄(40代 女性)と申します。

東京は恵比寿の法律事務所にて、30代の男性ボスとともに弁護士稼業を営んでおります。

本日開店なので、若干の自己紹介を。

ワタクシ、10年の受験生活の末、30代後半で旧司法試験に受かりました。
1年4か月の司法修習後、法テラスのスタッフ弁護士なんてものを4年半ほど経験し、2013年の4月に現在の琥珀法律事務所なるところで執務を開始した、という経緯でございます。

ま、自分の経歴(年も年なだけに、まあ、それなりに色々あります…)については、追々このブログの中で紹介していければ、と思っております。

本日のところは開店のお知らせということでこの辺で。

末永く、よろしくお願い致します。





# by terarinterarin | 2014-05-23 17:00 | Comments(0)

寺林智栄の弁護士としての日々や思いをつづります。


by terabayashi